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最初に買ったCDがクリープハイプな男

こんにちは、ぼんくら大学生です。

鬼顧問に怒られ続けた三年間。キーパーとして、土のグラウンドに体をうちつづける日々。相手FWとの一対一、止めれば英雄だが、決められればすべてキーパーのせいにされる。ほんとにやってられないよ。

高校や大学でキーパー経験者に数人であったが全員いいやつだった。痛みを知っているからこそ、人の痛みが分かるのだ。マッチングアプリでいい相手を見つけるのなら「ゴールキーパー 経験者」と調べたらいい。ここで大事なのが「サッカー 経験者」と調べないこと。10番タイプの長髪ロン毛のチャラ男が来るぞ。

話は逸れたが、サッカー部で痛めつけられた僕の唯一の救いは音楽だった。僕のこれまでの人生、音楽と共に歩んできたといっても過言でない。聴いてきた音楽すべてにおいて語りたいが、あまりの多さに書ききれない。今回は特にロックに絞り、出会いから今までの遍歴を書いていきたい。


小学生6年生~始まりはSOL~


あの日のことを鮮明に覚えている。小学六年生の秋、いきなりテレビが壊れた。小学生にとっては、テレビを奪われることは命を奪われることと同義だ。部屋で一人放心状態な僕はあるものに目を惹かれた。ラジオだ。とりあえず手に取ってダイアルを回してみる。とはいえ、小6の僕は曲の周波数はおろかAMとFMの違いもわからない。ただ、音が聞こえる数字に合わせるだけの作業だ。

小6が面白いと思えるラジオなんて基本的にない。「つまらない…次!つまらない…次!」しかしそんな中、衝撃的なラジオがあった。「SCHOOL OF LOCK!」だ。

とーやま校長とあしざわ教頭が繰り広げるトーク、アーティストの痺れるような曲、リスナーたちと作り上げる番組の一体感、小6の僕にはすべてが刺激的で、すこし大人になったような気分を味わえた。


そのなかでも僕の心を射止めたバンドがある。「クリープハイプ」だ。

クリープハイプ/一つになれないなら、せめて二つだけでいよう

僕の家庭のお小遣いシステムは一年生なら月100円、二年生なら月200円と年々上がっていくシステムだった。低学年の時にはお小遣いそのものにワクワクしていたが、小6で月600円というのはなかなか厳しいものがある。実に五か月分、3000円を握りしめて初めて買ったCDがこのアルバムだ。そして僕の人生で一番聞いているアルバムだ。

小学生でクリープハイプの歌詞の奥ゆきなんてわかるはずはなかった。が、なぜか僕の心に残るのだ。

このアルバム、マジで最高なんです。それぞれの曲が素晴らしいのはもちろん、アルバム全体を通して一つの作品になっている。すべて通してこのアルバムを聴くと、めちゃめちゃ複雑なリアリティドラマを見たような気持ちになる喜怒哀楽から言葉に表せないようなぐちゃぐちゃな気持ち、全部詰まってる。特に表しているのが1曲目、2LDKの冒頭の歌詞だ。

これから これから いまから さよなら

尾崎さんにしかできない、独特なフレーズ、駆け抜けるような幸慈さんのリフが合わさってこのアルバムの始まりを告げる。

個人的に好きなのは4曲目の「そういえば今日から化け物になった」。
ベースのカオナシさんと尾崎さんの掛け合いからの美しいコーラス。唸ってしまうようなベースラインが体に響き、歯切れのよいリフが頭に残る。

「大丈夫」なんて落ち込んでるときに聞いたら涙腺崩壊ですよもう。それまで「怒り」をコンセプトにしていたクリープハイプが突如やさしいメロディーに優しい歌詞。部活で怒られたときには、この曲を聴く。尾崎さんが僕のことをすべて肯定してくれているような気がした。僕の心のよりどころになっている曲だ。

「大丈夫」がやさしさの曲なら、「社会の窓と同じ構成」は怒りの曲だ。歪みに歪んだギターでかき鳴らす、まさに荒々しいロック。歌詞にも怒りが存分に表れている。

余計なお世話だよばーか

人間関係で悩んだとき、家族と喧嘩したとき、このフレーズをなんど叫んだことだろうか。降りかかる苦難や困難をこの曲にのせ怒りとして昇華させることで、心がストンと楽になったような気がした。

そして「二十九、三十」。居場所がない、誰からも認めてもらえない、そんな孤独な感情を抱えた人なら涙なしでは聴けない。最後のフレーズ

前に進め

他のバンドのように背中を強く押してくれるような曲はないかもしれない。それでもクリープハイプはこのアルバムを通して、優しく、そっと、背中をさすってくれるのだ。



だめだ。この記事で高校くらいまで書けるかと思ったら、小6で止まってしまった。ここからロキノン系を経てパンク、ラウドに沼っていく過程はまた書くこととする。GRETSCH欲しすぎるな。


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