○卯月4日○ 【春爛漫】
昨年桜の開花の季節は
開花も感じられないくらい
悲しみの中にいた。
最愛の祖母が天寿全うし、
涙も枯れ果て
見るものの色や香りは
全て無色透明の味気ないことばかり。
桜が好きで、この時期には必ず桜を見に出かけた。
そんな祖母は桜の咲き誇る頃に生まれ、
桜の咲き誇る頃に天に昇った。
散り際さえも美しく。
今年の桜は美しく、
桜吹雪はまるで、祖母が喜んで天使たちと
舞い踊っているかの様だ。
そよそよとそよぐ葉や木々たちの声、
誰かのためにではなく、
生命いっぱいに咲き誇る桜の花に
胸が熱くなった。
近くにいるんだね、
大好きなおばあちゃん、、
香りと記憶は密接。
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