【詩】彼は誰時は、なんてブルー
花が咲いていた
パッパッと咲いていた
一日と、持たず
ポッポッポッと咲いては
枯れていく
その残響が耐えられなかったので
僕は少しうつむいて
遊歩道を歩く
朝方の遊歩道
彼は誰時は、なんてブルー
誰もいない
誰もいないから
心地いい
陽が昇る前なら
花に目をやるものはいない
その形も色も
暗みは隠してくれる
すれ違う人がいたとしても
挨拶を交わすだけでいい
何と気楽か
何と孤独か
彼は誰時は、なんてブルー
青みがかった白い手は
インクに染められ汚れていく
握った掌を開いてみたら
山や河の大自然
そして人の心
その雅を失いたくなくて
もう一度、ぎゅっとした
あまりの強さに壊れてしまわぬよう
そっと緩めてみたり
チラチラと覗いてみたり
彼は誰時は、なんてブルー
朝に似合わぬ飛行機が
白煙を伸ばしながら
明るみを増していくソラに
切り傷をつけた
だからそっと
青々と育ちゆく頭達を撫でてみた
うっすらと夜露に濡れる
花咲く前の君のこれからが
楽しみで仕方がない
ずっとその頭を撫でていたい
彼は誰時は、なんてブルー
靴の底からも砂利つきを感じている今
オーブントースターのように
少しずつ熱を帯びては
夜中に降る雨が
この星の為だと知った
残す、残さない
残る、残らないは
二面対の賽の目に任せよう
彼は誰時は、なんてブルー
朝方のソラ
声にもならないソラ
色にもできないソラ
この青く美しいソラを
君にも見せたい
彼は誰時は、なんてブルー
そして僕はまた、少しうつむいた
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