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オーディオの話(4)
カセットテープの思い出
レコードを買ってきたら、もっぱらカセットテープにダビングして聴いていた。レコードが磨り減るのが嫌だからという貧乏根性による。
レコードの初回ではなく2回目の再生のときが、針が馴染んでよい音がするというので、必ず2回目にダビングしていた。
カセットデッキのメーターの針をじーっと見ながら、慎重に音量調整していた。
録音時間は当然ながら演奏時間と同じだけ要した。
もっぱらTDKのテープを愛用していた。時たま日立マクセル。
金属のような筐体のメタルテープの高級感に酔いしれた。音もすこぶる良かった。
120分テープは、テープが伸びやすかったので買わなかった。
消去防止用のツメは必ず折っていた。
『週刊FM』や『FM Fan』が愛読書だった。値段は1冊200円もしなかったと思う。
FM放送を録音するときは、一発勝負なのでメチャメチャ緊張した。
番組が始まる何分も前から待ち構えていた。
母親から「ご飯よ~」と呼ばれても動けなかった。
カセットテープのレーベル側面やインデックスにアーティスト名や曲目を書き入れるのに凝っていた。
書き損じると大変ショックだった。その時のために専用のインデックス用紙を買って備えていた。
手書きではなくレタリングシートがあるのを知って感動した。でもお金がもったいので、あまり使わなかった。
アーティストの写真などを雑誌から切り抜いて貼ったりしていた。
時々きれいなお姉さんの写真も入れていた。
自分で選曲して作ったベスト盤は宝物だった。
長期間テープを聴かないと、音がおかしくなった。
時たま、テープがヘッド周りに絡みつくという大惨事が起こった。
古いラジカセにセットしたら取り出せなくなり、どちらも死亡する無理心中事件が起こった。
たるんだテープはしっかり巻き戻す必要があった。六角の鉛筆を使うとされていたが、私は指の爪でやっていた。
テープの先頭に録音できないリーダーテープの部分があるので、録音開始のタイミングには注意が必要だった。再生したら曲の出だしが欠けているというミスをしばしば犯した。
早送りや巻き戻しに要する時間は今思えばかったるいが、当時は何となく心地よいひと時だった。
カセットデッキのヘッドをよく綿棒で掃除してた。青いクリーニング液を染み込ませていた。
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