オーディオの話(3)
アンプに対する誤解?
あるオーディオ専門家さんが書いた本によれば、たとえばオーディオ機器の中でいちばん「音」への影響が大きいのは、スピーカーではなくアンプだといいます。これまでずっとスピーカーがいちばん重要だと聴かされ続けてきたように思うんですが、そうではない。何よりアンプが大事だって。皆さまはいかが思われますでしょうか。
さらにその本によれば、アンプの出力について、やたら高出力なのが尊重される傾向があるけれど、家庭でかなりの大音量で聴いてもせいぜい2~3Wなので、80Wだとか100Wのアンプを持っていても意味がないそうです。小さい音量で聴くにしてもパワーに余裕があるほうが良いという話も耳にしますが、これも全く根拠はないそうです。妙な宣伝文句に誘われて余分なカネ払うのはもったいないって。
これは確かにそう思います。手前味噌ながら、私が愛用してるアンプはたかだか30W+30Wの出力ですが、全く問題ありません。大体いつもヴォリュームの10時のところで聴いていますが、それを超えるととんでもない大爆音になってしまいます。さらに大出力のアンプのよろしくない点は、家庭では、持ち前のパワーが生かせない上に、けっきょく信号が雑音にまみれてしまう領域ばかりで聴くハメになってしまうってことだそうです。これは音に拘る人にとって聞き捨てならない、かなり由々しき話だと思いますよ。
また同書によれば、重ければ重いほど良いアンプというのも、まったくナンセンスだそうです。重いのが良いとする理由は振動防止のためだというけど、実験でアンプの天板を平手でバンバン叩きながらCDを聴き比べても、何ら違いはないといいます。それでもどうしても重いのが好きなら、アンプの上にコンクリートブロックを積み上げろ、って。ずいぶん乱暴で、これもオーディオ・マニアの常識を覆すようなお話ですが、いかがなもんでしょう。
ウェルフロートボード
スピーカーやアンプなどの下に敷くオーディオ・ボードにもいろいろありますが、私が使用しているのは、東大阪のジークレフ音響という会社が開発したウェルフロート・ボードです(下の写真)。二重構造になっており、上下2枚のボードの間に特殊なバネが組み込まれています。といっても耐荷重は十分ありますから心配いりません。
従来の オーディオ・ボードは、土台をガチガチに固定する「耐震構造」のイメージだったのに、これは全く反対?の発想といってよい、宙に浮かす「免震構造」といったらよいでしょうか。載せたスピーカーを押せばゆらゆらと揺れ動きます。最初はこんなんで大丈夫かとずいぶん疑心暗鬼を生じていましたが、これによって、むしろボードの存在を消してしまう発想だそうです。すなわち、スピーカーが宙に浮いているような状態。
メーカーさんによれば「インシュレーターを噛まさず、スピーカーをボード上に直置きして下さい」とあります。使用後の印象としては、ストレスから解放されたかのようなスカーッとした音が飛び出してきます。地震のときも、揺れを吸収するので安心です。実際、2011年の東日本大震災のときに、マランツ視聴室にあるB&Wで、倒れなかったのはウェルフロートボードの上の物だけだったという報告を目にしました。
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