和歌山市民図書館の使い勝手が素晴らしいので、ウチの近所にもほしくなった
2020年9月25日(金)
久々に朝からしっかりと雨が降った。最近は雨が少なくてカラカラだったから、これで山も潤い、今週末あたりキノコがたくさん顔を出すかなー
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先週末から今週にかけての4連休・シルバーウィークは、新型コロナウイルス感染症云々で、まだまだ遠出をするのは憚られた。しゃーなしと、裏山(摩耶山)〜再度山〜舞子・明石といったあたりをウロウロした。
最終日に、和歌山県に初めて足を運んだ。神戸から電車でのんびり向かって2時間ぐらいか。和歌山は義弟が暮らしているので、図々しく案内を頼む。南海電鉄の和歌山市駅に到着して早々、2020年6月に新しくオープンした駅ビルの施設「キーノ和歌山」を見て回った。
横に細長い建屋が面白い。そして何と、駅の改札を出て1分のところに図書館がある。「和歌山市民図書館」は、蔦屋書店をグループに持つCCCが指定管理で運営する関西初の図書館。連休最終日だが、学生グループ、ファミリー、何となく過ごす独りのオッチャンなど、それぞれの目的で大勢の人が訪れていた。
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ウッドの什器や内装材をふんだんに使い、大きめのグリーンをあちこちに配置。窓からの採光が充分で(蔵書の日焼けは大丈夫か?UVのミュージアムガラス?)、たくさんの照明器具も並ぶ。落ち着きがありつつ明るい空間。従来の図書館のイメージだった閉鎖的な息苦しさや暗さを感じさせないように、意識的に空間の抜けを設けているイメージ。サイン関係は今っぽい軽みはあるけれど、グラフィックと素材が空間に馴染んでいない。
書架は程良く隙間をもたせてゆったり蔵書を並べているので、本が見つけやすく手に取りやすい。ここなら、まる1日でも潰せるな。駅で待ち合わせもしやすい。約束の時間まで30分余裕があったら、仕方なくカフェでコーヒーを飲むのではなく、この図書館に入って気になる本をパラパラしていればあっという間に時間が過ぎる。そんな贅沢な選択肢のある駅が、全国に一体何カ所あるのだろうか?
図書館だけでなく、一番下のフロアーには「スターバックス」と「蔦屋書店」もあって、施設全体が蔦屋書店そのものって感じではあるが、地元の人が自由に使えるスペースがこの雰囲気・デザインというのは、レベルが高いし正直に言って羨ましい。まだオープンして4ヶ月弱だからきれいなのは当たり前かも知れないけれど、ぜひ頑張ってメンテナンスし続けてほしい。
勿論、一方で地域性を感じにくく、全国どこでも同じ顔になってしまう均一化・画一化を快く思わない人は、少なからずいると思う。いかにも「蔦屋書店でござい」って顔した空間だし。地方都市住人の望むもの=東京的なものと、都市(首都圏)住人の望むもの=地方の特色が色濃く反映されたものは、大抵うまいこと一致しない。あと、コロナ禍で経営が圧迫されているであろう、民間企業の指定管理ってのが気になるな…行政や地域との折り合いが悪くなって、中途半端に投げ出されたりしませんよう。
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タイミング良く、アルネ・ヤコブセンの展示をしていた。展示のボリューム自体は小さいのでサクッと回れるし、初めて見る家具もあり良かった。これも蔦屋書店的…でも、こういう風にカジュアルに文化に触れる機会を作るのは、民間が運営する施設ならではの取り組みで、上手い。
展示パネルなんかはいい加減。椅子に直接ポイッとパネル置くか…?
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我が町・神戸市では、安藤忠雄氏の寄附の申し出があり、「(仮称)こどものための図書館」ができる。誰でも使いやすく、何度も通いたくなる図書館が誕生するのであれば大歓迎。
半面、「人に我慢を強いる建築」を得意とする氏が、どんな建築を設計するのか…ユーザーが絞られたり、使い勝手の悪い施設なら要らないんですけど。これから大きな再開発が行われる三宮駅周辺からも、便利というほど近くはない。
100年後に廃墟化した図書館が、廃墟ツアーの中に組み込まれて未来の廃墟マニアが喜ぶのであれば、それはそれでアリか。