見出し画像

日記「多分落ちた」

 道路挟んで反対側の歩道。そこにはマンションと歩道とを隔てる垣根があるのだが、そこに女子小学生が3人、垣根の中を見ていた。

 彼女たちが下の方を見ていれば、ネコとかが入り込んだのだろうと推察できるが、彼女たちが見ていたのは垣根の上。更に彼女たちは、手にした傘でその上の方をガサガサとつついている。

 耳をたてると「イモムシ」「ちがうよ」という声。なるほど、虫だ。彼女たちは虫をつついているのだ。いや、つつくなよ。というツッコミと同時に、この令和に虫をつついているという光景が何とも愛おしく感じた。

 そんな思いを胸に、私は彼女たちを背に帰路へとついた。

 その刹那、「キャー」という悲鳴がした。

いいなと思ったら応援しよう!