【ss】うさぎとかめ
うさぎとかめは走った。
後ろから猟師が追ってきていたからだ。
そのうちに、
足の遅いかめは、猟師に追いつかれてしまった。
かめは、ひょいと猟師に掴まれた。
うさぎは、しめた、と思った。
かめが捕まっているうちに、より遠くへ逃げよう。
猟師の足では、とても追いつけまい。と。
そのとき、ひとつの銃声が轟いた。
うさぎは、こめかみに穴をぽっかりあけて倒れた。
猟師は、のそのそとうさぎに寄ってきて、
かめを持っていない方の手で、
うさぎの首すじを掴み上げた。
そして、猟師は家路へとついた。
家につくと猟師は、腐らせてはいけないと、
うさぎの下ごしらえをした。
当面の間、食べ物には困らない。
その間、かめは風呂桶で飼われることになった。
かめは、天寿をまっとうした。