ほねみや
書いたショートショートを見やすくマガジンにしましたが、マガジンの使い方がこれでいいのかわかりません。
「応援しているから」 「がんばれ」 って言われますが、 応援の声をかけてくれるだけで、 実質何かをくれるわけでもないですし、 本質的な解決策を導いてくれる訳でもない。 がんばれと声をかけるだけかけて、 がんばっているねと褒めてくれる訳でもない。 「見守っているから」は見ているだけで、 「とりあえず3年」に根拠はないし、 「逃げたら負け」はその人の哲学に過ぎない。 人は、自分が独りであることを忘れる。 人は、自分が自分勝手であることを忘れる。 人は、自
おじさんはね、今日もお話して下さるの。 いつまでも、いつまでも終わらないお話。 でもね、けして飽きたりしないの。 おもしろい住民たちがたっくさん、出てくるのよ。 ドードーに、イモムシに、ネコに、トランプまで、 みんな、かわいくてステキで、 それで、それで、 って、いつも前のめりになっちゃうの。 だから、おじさんには悪いことしてると思うわ。 それでね、そんなおじさんに、お礼として、 ひとつお願いごとを叶えてあげることにしたの。 私にできることは、限られてい
ニンゲンと友達になりたい赤鬼。 しかし、ニンゲンは鬼というものを怖がって赤鬼は人里に近づくことすら出来ません。 赤鬼は友達の青鬼に、どうすればニンゲンと友達になれるのか相談しました。 青鬼は言いました。 キミは同じ種族である鬼の友達がボクしかいないだろう。 なのにどうして、別の種族であるニンゲンと友達になれると思っているのかい。 ニンゲンと友達になりたいということ自体、鬼の友達がいない寂しさを埋めるための衝動のひとつにしか過ぎやしないのではないか。 つまり、キミは本心
おもちゃ職人のおじいさんは、木材を使って人の子を模した操り人形をひとつ作りました。 ある日、子供が欲しいと願ったおじいさんのために、妖精が人間の魂を操り人形に宿しました。 人の心を宿した操り人形は、元気な人間な子供「ピノキオ」として、おじいさんに育てられることとなりました。 しかし、ピノキオは、学校にも行かずにイタズラ三昧。おじいさんを困らせておりました。 そんな姿に見かねた妖精は、ピノキオが嘘をついたときに鼻が伸びてしまう魔法をかけてしまいました。 ある日、ピノキ
ママははとお姉さまたちにいじめられているシンデレラは、みすぼらしい格好でこき使われ、お城での舞踏会にも連れて行って貰えませんでした。 そんなシンデレラを不憫に思った魔法使いがやってきて、シンデレラに魔法をかけてあげました。 するとたちまち、シンデレラのツギハギだらけの洋服がキレイなドレスに、ボロボロの靴が美しいガラスの靴になりました。 魔法使いが言いました。 零時になったら魔法がとけて、元のみすぼらしい格好に戻ってしまうからね。みんなの前で魔法がとけたら、国の笑いもの
桃から生まれた桃太郎は、町で悪さをしている鬼たちを成敗するために、鬼ヶ島へ行くことにしました。 出発の日、おばあさんが袋をひとつくれました。 その中には、きびだんごが入っている。 きびだんごは、ひとつ食べればチカラが10倍。 ふたつ食べれば100倍、みっつ食べれば1000倍になるからね。 これで鬼も容易く倒せることだろう。 桃太郎は感謝を伝え、きびだんごを持って鬼ヶ島へと向かいました。 しばらく歩いていると、おなかを空かせたイヌが一匹やってきていいました。 桃太郎さ
子供:ねぇねぇ、お父さん。 父親:どうしたんだい? 子供:白雪姫のおはなしって、知ってる? 父親:知ってるよ。お話してあげようか。 子供:ううん。教えて欲しいことがあって。 父親:なんだい? 子供:白雪姫って綺麗な人だったんだよね? 父親:そりゃあね。鏡も世界一と言っていたし、 何よりも、女王は白雪姫の美しさに嫉妬して、殺そうとしたのだからね。 原作だと、毒林檎詰まらせて死んで遺体となった白雪姫に、王子様が一目惚れをして、遺体を持って帰ったぐらいだよ。 子供:
優しいおじいさんと意地悪おばあさんに飼われている一羽のスズメがおりました。 意地悪おばあさんは、スズメを良く思っていませんでした。 ただでさえ貧しい生活をしているために、スズメにやる餌すらも惜しかったのです。 あるとき、優しいおじいさんが町まで行商しに行かねばならなくなりました、 当分のあいだ、帰って来れません。 意地悪おばあさんは、優しいおじいさんが留守なのをいい事に、スズメに餌を与えなくなりました。 そんな日が何日も続き、遂にお腹を空かせたスズメは台所にあった“あ
うさぎとかめは走った。 後ろから猟師が追ってきていたからだ。 そのうちに、 足の遅いかめは、猟師に追いつかれてしまった。 かめは、ひょいと猟師に掴まれた。 うさぎは、しめた、と思った。 かめが捕まっているうちに、より遠くへ逃げよう。 猟師の足では、とても追いつけまい。と。 そのとき、ひとつの銃声が轟いた。 うさぎは、こめかみに穴をぽっかりあけて倒れた。 猟師は、のそのそとうさぎに寄ってきて、 かめを持っていない方の手で、 うさぎの首すじを掴み上げた。 そして、猟師
今日、誰かが消えても、明日はやってくる。 誰かが、誰かの大切な人でも、明日はやってくる。 消えた誰かの穴は、誰かによって埋められて、 いつしか、はじめからそうだったかのようになる。 完全でなくても、元通りでなくても、 歯車はとまらない。 消えてしまってもかまわない。 消えても何もかわらない。 消えたら何もわからない。 いずれ、消えるなら、 イキル。 少なくとも、少なくとも、、、。 (エモクロアTRPGシナリオ「キルキルイキル」通過)