【ss】泣いた赤鬼
ニンゲンと友達になりたい赤鬼。
しかし、ニンゲンは鬼というものを怖がって赤鬼は人里に近づくことすら出来ません。
赤鬼は友達の青鬼に、どうすればニンゲンと友達になれるのか相談しました。
青鬼は言いました。
キミは同じ種族である鬼の友達がボクしかいないだろう。
なのにどうして、別の種族であるニンゲンと友達になれると思っているのかい。
ニンゲンと友達になりたいということ自体、鬼の友達がいない寂しさを埋めるための衝動のひとつにしか過ぎやしないのではないか。
つまり、キミは本心からニンゲンと友達になりたいだなんて思ってはいないんだ。
そもそも、友達になりたいということに対して「友達」の定義から明らかにしていかないといけないのだがね、キミはボクのことを「友達」と呼んでいるだろうけども、ボクはキミを「友達」だとは思ったことは一度たりとも無いよ。
それは、定義の齟齬によるものから来るだらうから、根底に根付く概念は同じかもしれないけれども、そこを明確にするためにも
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赤鬼は泣きました。