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新型コロナに感染したかと思ったら(多分)食中毒だった話① 発熱からコールセンターへの電話まで

専門学校に通った4年間と、新卒入社してからの3年間。大きく体調を崩すことなくずっと皆勤賞だったが、5月下旬に珍しく体調を崩した。(正確には専門時代に姉からおたふく風邪をうつされたので休んだが、指定感染症やら何やらで公欠扱いになったのでノーカンとする)

コロナ禍のこの世の中で、体調不良を起こしたのはかなりヒヤヒヤした。それでも結構全体の流れはスムーズだったので、同じような境遇の人に向けて備忘録として書き残しておこうと思う。

ただ、まだ全部書き終えていないのでなんとも言えないが、今回載せる1日目〜2日目だけでも文字数が5300文字を超えている。こうした日記? 実録? を書くのは初めてで、自分でもびっくりするくらい文字数が膨らんでいる。
「そんなに長々と読んでられるか!」という人向けに、発症した症状のまとめと、得た教訓を先に書いておく。

症状のまとめ

1日目夜:37.4℃の発熱
2日目朝:平熱、関節痛
2日目夜:38.3〜38.8℃の発熱、関節痛(今回はここまで)
3日目 :37.4〜39.3℃の発熱、関節痛、下痢
4日目 :下痢
5日目 :37.0〜37.2℃の発熱、下痢
6日目 :下痢

教訓

①感染症コールセンターに電話するときは、一番酷い症状を先に話す
②冷えピタとスポドリは常備しておく
③関係各所への連絡はこまめに行う
④体調不良が分かったら、ナマモノの食料はすぐ冷凍するか、保存が効くようにする
⑤レンチン調理はきちんと熱が通っているか確認する


※今回記載している医学的見解はすべて素人の考えです。
症状がある場合、すぐにかかりつけ医やコールセンター、医師に相談の上、指示に従うようにしてください。※

5/20(1日目):37.4℃の発熱

案件の納期が来週に迫っていて、それでいて自宅に無い工具が必要な作業があったので、2週間くらいずっと東京にある本社に出社していた。帰宅後はソッコーで服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びるようにしている。実家にいた頃はだらだらと風呂に入るのを面倒臭がっていたけど、一人暮らしを始めてからはこうするのが一番楽だと気付いた。外で付着したであろう菌も洗い流せて一石二鳥である。多分。

異変

シャワーを終え、録り溜めていたゆるキャン△を観ながら夕飯を食べていると、なんだか汗ばんでいることに気付いた。窓は開けているしエアコンも送風にしている。室温も25℃なので部屋が原因ではない。この一年ですっかり日課になってしまった体温測定をしようと、親子丼を食べながら体温計を脇に挟んだ。ゆるキャン△は相変わらず平和で、夕飯時に最適なアニメだった。血や下ネタや排泄物が出ないので。

体温計が鳴ったので取り出して画面を見ると、37.4℃。私の平熱は36.8℃と少し高めだけど、37.2℃以上になることはほとんどない。「これはちょっと怪しいぞ」と思って、その日は早めに寝ることにした。夜22時半、明日も出社しなければいけなかったのでいつもより1時間半早く眠った。寝付きはとても良かった。

5/21(2日目):38.3〜38.8℃の発熱、関節痛

平熱に戻った朝

朝、目覚まし時計よりも3分早く起きる。「頼むから下がっててくれ」と祈りながら朝イチで体温を測ると、36.8℃。平熱だった。

なんだ平熱じゃん、と拍子抜けしながら、会社に行く準備をする。なんだか全身が痛かったが、昨日3時間ドリルで穴開けをした筋肉痛だと思った。万力を買おう買おうと思いながら買っておらず、床に正座した膝で穴開け対象のプラスチックケースを挟み込み、背を丸めてドリルを使っていた。一歩間違えたら自分の太ももをドリルで穴開けするリスクがあることに気が付いたので、今後はちゃんと万力を買おうと思う。経費で。

ともかくそんな作業をしていたので、慣れない体勢による筋肉痛だと思い込んだまま出社した。特に問題無く仕事が終わり、開発していたモノが連続稼働テストだけを残して9割方完成したので安心した。スーパーに寄って夕飯の材料を買って帰った。

再びの発熱

昨日の夜若干発熱していたために、念のため帰宅直後に体温を測った。外を歩いてきたからか、少し汗ばんでいる脇に体温計を挟む。音が鳴ったので取り出して、画面の数字に目を瞠った。

38.3℃。嘘やん。

夜の支度を済ませたら即座に寝ようと思った。シャワーを浴びて夕飯を作り、金曜ロードショーのアラジンを観ながら食べた。じわじわ暑いと感じてくる。夕飯を食べ終わった時点で21時半を過ぎていた。市の感染症コールセンターは24時間対応と書いていたが、なんだか夜遅いのは申し訳ない気がして、帰宅直後は「明日の朝にも熱が下がってなかったら電話しよう」と気楽に考えていた。だが、夕飯後に何気なくもう一度体温を測って、その考えは覆った。

38.8℃。ほぼ39℃である。「あ、これは今電話しないと駄目だわ」と思った。

冒頭にも書いたが、おたふく風邪以外7年間皆勤賞だ。以前にテレビで観た「起床直後、朝食前に歯を磨くとインフルエンザに罹らない(就寝中に口内に溜まった菌を、朝食と一緒に飲み込むのを防ぐため)」という行為を習慣付けてから、とんと風邪を引かなくなった(プラシーボ効果かもしれないが、少なくとも有用であると私は信じている)。ごく稀に微熱になることもあったが、大体金曜の夜に発熱するので、休日寝ていれば平日には復活できた。休日が潰れる代わりに平日は元気に過ごせるという、良いのか悪いのか分からない体質である。

感染症コールセンターへの電話

兎も角ここまでの高熱は普段滅多にお目にかかれないので、朝まで待つことなく電話をすることにした。よくよく考えれば、筋肉痛かと思っていた痛みは各関節に集中している。大沖先生のツイートで関節痛の症状を見かけていたので、やばいかもしれないと思った。電話を掛けるためにテレビを消そうとリモコンを手に取ると、アラジンがちょうど洞窟の怒りに触れて閉じ込められ、これからジーニーを呼び出すところだった。めちゃめちゃ良いところである。惜しみながら消した。

パソコンとメモ帳を広げながら発信し、スピーカーモードにして両手を空けるようにした。自動音声でワクチンの問い合わせか症状の問い合わせか問われたので、ダイヤルを入力して症状の問い合わせに移る。コール音が2回も鳴らないうちにオペレーターに繋がった。

「はい、〇〇市新型コロナウイルス感染症コールセンターです」
「夜分遅くにすみません。発熱と関節痛の症状があってお電話させていただいたんですけれども」
「とんでもございません! 症状はいつ頃から始まりましたか?」

若そうな男性の声だった。仕事を増やしているのはこちらなのに、めちゃめちゃ腰が低くて恐縮してくるのでなんだか申し訳なくなる。

「昨日の夜に37.4℃出て、早めに寝て今朝起きたら平熱には戻ったんですけど」
「そうなんですね。咳や痰などの症状はありますか?」
「無いです。ただ、倦怠感? というか、関節痛があります」
「分かりました。息苦しさはありますか?」
「無いです。熱と関節痛以外気持ちは元気なんですけど、」

本当に気持ちは元気なのである。暑いのと関節痛がする以外はとても元気だ。声の調子なんかも多分普通で、コロナ禍以前に会社で外線電話を取ったときと似たような声で会話できている。

しかし、ただ座って電話をしているだけなのに、汗がぼたぼたと垂れ始めた。

「分かりました。かかりつけ医はありますか?」
「えっと、去年の後半に引っ越して来てから体調を崩してなかったので、コールセンターで案内してもらえないかと思ったんですけど(市のHPでそういう流れが書かれていた)」
「では、ご自分で病院を探して受診の予約をしていただきたいのですが」
「あ、はい」

あれ、全部の症状を話し切る前に方針が決定されてしまったぞ。
内心焦った。だが、「電話自体がそもそも繋がらない」という例も多く見たので、そんなものなのだろうか、とも思ってしまう。

「市のHPにですね、連携している病院を検索できるページがあるんですけれども」
「あ、今見てます。この場合って何科にかかればいいんですか? 内科ですか?」
「はい、内科ですかね」

どうしよう。電話が終わりへ向かい始めている。今38.8℃あることは伝えられていない。そうしている間にも玉のように汗が浮かんで、パソコンのタッチパッドの近くに3滴、ぱたぱたと音を立てて落ちた。

「わ……っかりました。内科で近くを探してみます」

現状向こうにとっては、「37.4℃の微熱と関節痛だけで電話を掛けてきた心配性の人」になってしまっている。最後のあがきだ、と思いながら、不自然に切り出した。

「ただ、今朝平熱に戻ったあと、今38.8℃あるんですけど」
「さ……っんじゅうはちど!?」

オペレーターが声色だけでも分かるほど動揺した。言ってみるものだ。

「え……っと、少々お待ちください。保留にしてもよろしいでしょうか?」
「はい」

突然の保留である。途端流れ出した保留音を聴きながら、時系列で話すのは駄目なんだな、と反省した。
保留音が流れてから30秒も経たないうちに、再び通話が繋がった。

「お待たせしております。発熱がかなりあるということで、こちらで病院をお探ししますので、ご自分で予約を取っていただきたいのですが」

自分で探さなければいけなかった段階から、電話を掛けるだけになったので、ハードルがぐっと下がった。自分が住んでいる区を尋ねられたので答えて、近くの病院で探してもらう。しかし、自宅近くに該当する病院が無いらしかった。

「申し訳ございません、□□区で登録されている病院が無いようでして……どの辺りまで移動できますか?」
「どの辺り……公共交通機関って使わない方がいいですよね?」
「いえ、まだ陽性と決まったわけではないので、お使いいただけます」
「なら、どこでも大丈夫です」

免許を持っていないため、交通手段が徒歩か公共交通機関しかない(尤も、もし免許を持っていたとしても体調不良の状態で運転したくはないけども)。繰り返し書いている通り気持ちは元気なので、指定してくれればどこでも行く心意気だった。

「では、明日の朝、△△クリニックに連絡して予約を取ってください。〇〇市のコールセンターからの紹介と伝えるとスムーズに話が進むと思います。もし陽性だった場合、感染源に心当たりはありますか?」
「△△クリニックですね、分かりました。感染源……ありすぎて困りますね……」

ここ2週間、ずっと本社がある東京都に出社している。また、感染対策のためにマスク着用を呼び掛けているが、営業の部署の社員がリモート打ち合わせの後、マスク無しで会社内を出歩くことがかなり多かった。大体、その日出社している営業の内の7割くらいはマスク無しで過ごしてしまっている。
マスクは自分から周りへの飛沫拡散防止を目的としていて、外から来る飛沫を防ぐものではないと個人的に考えているため、いつも「ちょっと怖いなあ」と思いつつ、同じフロアに長時間滞在しないようにはしていた。ただ、私がいるフロアには管理本部の社員もいる。契約書や請求書の話で営業が出入りすることが多かった。必然的に、マスク無しで喋る人が同じフロアに度々出入りすることになるのだ。結果的にコロナウイルスではなかったのだが、このことは当時、かなりの不安要素だった。

「以上でご案内は終了となりますが、何か他に質問はございますか?」
「特に大丈夫です。夜分遅くにありがとうございました」
「とんでもございません! お気遣いいただきありがとうございます。お大事になさってくださいね」
「こちらこそありがとうございます。失礼します」

通話の最後までオペレーターは腰が低かった。こういうときのための24時間対応なのだと思うが、金曜の夜まで働いてくれていて頭が上がらない。

そんなこんなで病院を案内され、明日の朝イチで電話をして予約を取ることになった。その病院は症状の有無で診療時間を分けているらしく、一番早くても昼頃に受診することになる。

きちんと朝起きられるように目覚まし時計をセットして、傍らに水を用意して寝ることにした。家に頭痛薬と風邪薬はあったが、「市販薬の服用は下手をすると症状を悪化させる」とどこかで見た気がしたので、薬は何も飲まなかった。既にパジャマ代わりのTシャツは汗でびちゃびちゃになっていたので着替えて(この後も汗ばむことは必至だが)、家族と上司に現状を連絡して布団に入った。昨日よりも強く、「明日の朝熱が下がっていますように」と願いながら眠りに就いた。

終わりに

この2日目の出来事が、「①感染症コールセンターに電話するときは、一番酷い症状を先に話す」を教訓にした理由である。
勝手に「時系列順で話した方がいいのかな」と思ってこんなことになってしまったが、よくよく考えれば、プレゼンでも先に結論を言ってもらった方が、後の話を余裕を持って聞ける。相手が求める情報を素早く伝えることが大事だ、と強く実感した。

こんな感じで症状が落ち着くまでの過程を書いていこうと思う。スマホで長文を書くのが慣れず、今も目がシパシパしている。続きが読みたいという人がもしいるなら、気長に待ってもらえると嬉しい。

ついでにスマホで書いている人がいたら、おすすめのメモアプリや執筆アプリなどを教えていただけると幸いです。