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降臨
そう、まさに降臨したんです。
確か、あれは私が小学3年生の時だったと思います。
低学年から中学年にあがり少し背丈が伸びてきたので、その時期に友人らは自転車を買い替えていくんですね。
私も、それまでコマ付き自転車のコマなしに乗っていたので幼稚だなぁ買い換えたいなぁって思ってて。
新しく買ってもらった自転車を友達に見せびらかされ、更に欲が高まり親に直談判した訳です。
親も承諾してくれて、どんな自転車かは思い出せないですけど私は遂に念願の24センチの自転車を手に入れました。
でね、その友達が
『普通に自転車買ってもらえたん?私なんかケンケン乗り出来るようになったら買ったる!って言われたから、めっちゃ練習して、やっと買ってもらえてんで。』
えっ!ケンケン乗りの条件クリアしなあかんの?普通に自転車乗れる様になったらとかじゃないん?何でケンケン乗りなん?そこ重要か?あんなんただのオバハンのチャリの乗り降りの仕方ちゃん。(心の声)
『へぇ!そうなんや!良かったなぁケンケン乗りできるようなって。私まだ出来ひんから練習してみるわ。』
なんか親に、とんでもない条件付けられてたんやなぁと。親も何か条件付けなあかんと思ったんやろうけど、そこいったかぁ。
でもね正直ちょっと憧れてたとこはあったんです。車体を絶妙な角度に倒してケンケンしながら、その勢いで速度を付けて走りながら乗る。
かっこええやん。
ケンケン乗り
私も、それを冷静な顔でシレッと乗りこなしてみたかった。
次の日から、やりましたとも。
えぇ。
家の前でね。誰にも悟られないように。
でも中々上達しなくてね。
恐怖心に打ち勝ちながら頑張ってたんですけど、ふと思ったんです。
いや別にケンケン乗りいらんくね?
って。
それから半年くらい経った時。
自転車で友達の家に遊びに行こうと家の前にある少し緩い坂を手で押して丁度上まで来たその時
体が、まるで自分のものではないような感覚に落ち入り急に軽くなったんです。
そして手と足が、まるで誰かの操り人形かのように操られ気付いたら
ケンケン乗りしていました。
そう!出来たんです!
あの夢にまで見た
ケンケン乗り
それからとゆうと
もう普通には自転車に乗れなくなり
常にケンケン
降りる時もスムーズにケンケン降り
何をするにもケンケン
歩いている時もケンケン
走っている時も
まぁ世の中、何が起きても不思議じゃないとは言いますが、こんな所で人生のミラクル運を使ってしまうとゆう良いんだか悪いんだか
今でも、あの感覚は覚えてますよ
あと余談ですけど
もうケンケン乗りはしていません。
ぼん