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自己受容③因縁の仲
自己受容②『お母さん、世界で一番大切な人は誰?』
の続きです。
息子には、因縁の相手、Cくん、Dくんと言う存在がいる。
CくんとDくんは、双子ちゃん。息子と同級生。学年での集団下校では同じ班なので、ほぼ毎日一緒に下校する。そして、Cくんは、1、2年が同じクラス、Dくんとは3年で同じクラス。
この三人。まぁ~自己主張の強いタイプ。Cくんとケンカしたとか、Dくんが嫌なこと言ってきたとか、毎日のように聞いていた。この三人のケンカは、別に誰も悪くない。ただ、かみ合わない。どこまでもかみ合わない。かみ合わないフラストレーションにより、暴言とか嫌な言葉を使っている。そんな感じ。
ところが、二年生の終わりごろから少しづつ変化がありました。突然、Cくん、Dくんと遊ぶ約束をした!と言い出した息子。え~!!まじか。あの因縁関係の三人で遊ぶなんてことが起こるとは思ってなかった。そいつはいいや!ってなわけで、行ってこい行ってこい!じゃんじゃん遊んでおいで~!と見送った。
公園で待ち合わせて、いっぱい遊んだらしい。ゲームも持って行って、一緒に対戦したり、他のお友達もきてみんなで『おにご』(鬼ごっこ)したり。その後も何度か、繰り返し遊んでいた。
いや~そんな日が来るとはね。暴言吐きあって、わんわん泣いてた相手との間に、楽しい遊びなんてものが出来上がるとは思えなかったんだけど、やっぱり子どもはすごいなぁ。CくんとDくんを息子から遠ざけなくて本当に良かった。お互いのバランスをお互いが探る。そんな大切な学びがちゃんと実を結び始めたな。そう思って二年生を終えた。
三年生になってDくんと同じクラスになり、息子の中でDくんの事も、Cくんのことも、『ケンカする程仲のいヤツ』というくくりになったらしい。へぇ~。ケンカする事が三人の中にあることをちゃんと受け入れたんだな。そうかぁ。息子!!いいじゃん!
ある日、図工の授業で工作をするときに、ゴムの力で動くおもちゃを作る授業があって、Dくんは車の形に仕上げることを決めたそうだ。息子も車が大好きだから、車にしようとしていた。
大人からしたら、どちらも車作ったらいいじゃん。と思うのだけど、子ども達はそうはいかない。たいていこの後、『俺が先に決めたんだから!』『俺のが先だった!お前まねするなよ』こんな感じのバトルが始まる。少なくとも二年生までは、この三人はそうだった。ところが、息子。Dくんが車にすると決めたって聞いたときに、『俺も車がよかった』と言いはしたものの、別の道を選択することを選んだ。『みんなと同じものを作るのは俺らしくない』そう思ったんですって。結局、車は作らずにカエルの親子がモチーフの作品ができあがった。
こうした成長は、定型のお子さんなら低学年あたりからどんどん伸びるのだと思う。もしくは、もっと前からできる子もいるかもしれない。
諦めたり、他の選択肢を探したり、自分らしさを探したり。これからもずっと続くのだろうけれど、これまでの息子はそのスタートラインについていなかった。
自己と言うものが大きすぎたのだと思う。自己完結している世界に生まれ他の世界もそれと同じだと思っていた。けれどそれは違っていたと気が付き、学び、繰り返し摩擦を起こし、そして理解し、ようやく自分を認め、世界を見始めた。スタートラインに立った!!
これを、自然にできる人を定型発達と呼ぶのだと私は思う。発達障害児には様々な本人の気づきと努力が必要で、スタートラインにつくのが遅くなってしまう。共に考える人が必要で、共に歩む人が必要なのだ。
けれど、発達障害児だけに必要なわけじゃない。大人だって子どもだって関係ない。共に考え、共に歩む人は誰にだって必要。人は一人では生きられないし、一人だと思ってたら大間違い。
煩わしさや、面倒くささが伴うけれど、やっぱり人と人との間にしか生きられない。そして幸せはそこにある。
それぞれのペースがある。それさえ誰もがわかっていたら、世界はもっと輝くと私は思う。
息子が三年生になって、感じている事。それは、周りの子ども達がすごい勢いで成長しているという事だ。
子どもたちは自分を認められるようになると、相手の事も認められるようになる。うちに遊びに来てくれる、息子のお友達たちは、相手を認める言葉をたくさん言うようになった。相手を認めることが、さらに自分を認めることに繋がっていることを、本能的にわかるのだろう。
周りの成長はありがたい。息子にとって、周りの成長はいい刺激だ。息子は周りの成長に焦りを感じていない。私も感じていない。どの子もみなそれぞれのペースで確実に成長している。ただそれだけ。
三年生のみんな!いいよ!めっちゃ輝いてる!
一年生で学校へ行けなくなった息子。担任の先生は『ねばならない』思考のダメ出し先生でした。けれど、息子にとってこの先生との出会いは非常に学びの多い出会いだったと思います。
お友達とも散々ケンカしました。罵りあったり、暴言を言い合ったり、まわりにも迷惑をたくさんかけてきました。それでも、そこから遠ざけようとは思いませんでした。
負の感情と向き合うためには、負の経験をしなくてはなりません。苦しさから逃げることを覚えさせても、辛さから目を背けることを覚えさせても、必ずまた負の経験は襲ってくるのです。立ち上がる勇気を持てるように。向き合う姿勢を取れるように。学べることをありがたく感じられるように。
『かわいそう』は嫌いです。『かわいそう』は優しさではないから。
勇気は『強さ』ではありません。『しなやかさ』だと私は思います。
心が『しなやか』であればきっと、発達障害であろうとなかろうと、人生は上手くいくと信じています。
次回からは、兄弟のお話。定型の兄と、発達障害の弟の関係性や、兄弟げんか。などなど、我が家でしている工夫や、考え方をご紹介します。
~To be continued~
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