人の一生を菩提樹と重ねて:バシキールの名曲 Өфө йүкәләре「ウファの菩提樹」
最近になってマガジンというものの存在を知り、沿ヴォルガ地域の歌を紹介するマガジン「沿ヴォルガの歌」を作ってみました。今までの歌紹介記事はほとんどチュヴァシ語の歌についてでしたが、5本目の本記事ではバシキールの名曲 Өфө йүкәләре「ウファの菩提樹」をとりあげようと思います。
ウファはバシコルトスタン共和国の首都です。私がウファを訪れたときに見た風景(主にバシキール語の看板)は、以下の記事でご覧いただけます。
タタール語版ウィキペディアの記事によると、この歌はウファの非公式な市歌のようになっているそうで、それくらい有名ということですね。
1970年代に作詞・作曲されたこの歌は、人の一生を菩提樹に重ね合わせた歌で、一番が青年期(菩提樹の葉が芽吹く)、二番が壮年期(菩提樹の花が咲く)、三番が老年期(菩提樹の葉が散る)についてとなっています(たぶん)。
色々な歌手が歌っていますが、ここでは有名なバシキール人歌手 Фидан Ғафаров(フィダン・ガファロフ)の動画を挙げます。
馬と馬具が登場しているあたりに、かつて遊牧民だったバシキール民族らしさが出ていますね。
2000年代に活躍したロシアの有名歌手 Алсу(アルスー)も、タタール人ですがバシキール語でこの歌を歌っています。アルスー版では、サビの「私たちのことも」の部分が онотмаҫтар әле「忘れないだろう」になっており、さらに後半がロシア語になっています。