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【雷雨はイギリスで録音!?】謎多き効果音レコード
今から50年以上前、様々な効果音がレコードで販売されいた。例を挙げると、車の音や動物の鳴き声、麻雀の音に至るまで、ありとあらゆる音が収録されていた。その中で『1960年代に東芝が販売した効果音レコード「雨・雷」が、イギリスで録音された』という仮説を立てた。
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まず、この効果音レコードとは何か。東芝は下記のように説明している。
このレコードは、実音をたてまえとして新しく作られた効果音のレコードです。別な回転数(33、78、16など)でかけてみたり、音量や音質を変えてみたり、一つの音に他の音を組み合わせてみたり、いろいろな工夫をこらしてお使い下さい。思わぬよい効果を見出されるかもしれません。
この紹介文には、どこで録音された雷と雨なのかは書かれていない。録音地が日本ではなくイギリスだと考えた根拠は2つある。
根拠①:マトリクス番号がイギリス版(グラモフォン社)と一致している。
マトリクス番号とは、レコードを制作時に最初にマスターテープからカッティングするときに付ける固有の番号だ。このレコードのA面「雨」のマトリクス番号は7XEA-20039(※TS-1249はレコード番号)である。
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このマトリクス番号(7XEA-20039)を、音楽データウェブサイトのDiscogsで検索した。すると、イギリスのグラモフォン社のレコードと、マトリクス番号、曲名(Rain)、曲時間(2:40)が一致していることが分かった。
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B面のマトリクス番号(7XEA-20042)も、同じくDiscogsで検索した。すると、曲時間こそ違うが、マトリクス番号と曲名(Thunderstorm)が、グラモフォン社のレコードと一致した。
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根拠②:東芝はグラモフォン社から原盤を供給してもらっていた。
東芝のレコードの歴史を紐解いていくと、1953年12月11日にイギリスEMI社管下のグラモフォン社及びフランスのパテ・マルコニ社とレコード原盤供給契約を締結している。したがって、効果音の音源もグラモフォン社から東芝へ供給されている可能性が高い。
根拠を2点述べたが、音源の正体は不明。
効果音レコードの謎は深まるばかりだ。