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中年じじぃの(愉快な)主張vol.20
喫煙について (余命宣告と老後の楽しみについて)
2024/10/18
私は非喫煙者だ。同時に、元喫煙者だ。しかも「重度」の。
だから、吸う人と吸わない人の両方の気持ちがわかる(つもりだ)。
私の父は昔、チェリーという名のたばこを吸っていた。いまのたばこより、ずっとキツいものだった気がする。
父は、狭い我が家の狭い居間で、または小さな車のなかで、お構いなくスパスパと吸っていた。
しかし、父のやることに異議を唱えるという発想自体が、当時の我が家にはなかった。
いま思えば父は、典型的な〝昭和の父親〟を地でゆく男だったのだ。
私は子供ながらに、いつも思っていた。
「煙いなぁ、臭いなぁ。なんで大人はこんな臭いもの吸うのかなぁ。僕は絶対にたばこは吸わないぞ」
長じるにつれ、身体と声が大きくなり、発言力も増してきた私(と母)は、はっきりと異議を唱えるようになり、父は文字通り煙たがられる。
しかし父は、ベランダや換気扇の下でたばこを吸うことを「みっともない」として受け入れず、しばしば言い合いになった。
中学生の私は思った。
「我が子の成長期にたばこの煙を浴びせるとは、なんて無慈悲な親なんだ。おれの背が伸びなかったらオヤジのせいだ。おれは絶対にそんな親にはならないぞ」
そして、さらに長じた私は、押しも押されもせぬヘビースモーカーになっていた。
子供時代の決意はどこへやらだ。
吸い始めた理由はありふれている。
ありふれすぎてお話にもならない。
でも書いてるけど。
私が最初の一本を吸った理由。それは、仲の良い友人が勧めてきたからだ。
そして、ヘビースモーカーになったのは、敬愛するロックスターが、演奏中ですらたばこを吸う姿がカッコよく見えたからだ。
いつか私が肺ガンになったら、あの時の悪友とロックスターに損害賠償を請求しよう。
結局、最初の一本から二十年あまりのあいだ、私はたばこを吸い続けた。
そして2007年に、あっけなくたばこをやめた。やめるその日まで、毎日3箱のラークを吸っていたのに。
やめた経緯は話せば長いので、そのうち書いてみる。
ちなみに、たばこの煙の香りは、今でも好きだ。
この香りは〝ヤニ臭さ〟とは違う。
これは吸わない人にはわからないかもしれないなぁ。
だから私は、たばこは自分の余命宣告が出た時に吸いまくってやろうと、今から楽しみにしている。
こう書くと、本当の余命宣告が出た人から「なんて不謹慎なヤツだ!」と叱られるかもしれない。
でも私は、自分の一生の店じまいに際して、何か一つくらい楽しみをとっておいてもバチは当たるまい、と思っている。
ところで、たばこのCMって本当に見なくなりましたね。というか、たばこを吸うシーン自体が世の中のいろんな媒体から消えた。
映画好きな私としては、たばこや酒を楽しむ名シーンがいっぱいあるのになぁ、と思っている。
たばこの名シーンは、、、と語りだすと、たぶん3日後の朝くらいまでかかる。
たばこに並ぶ嗜好品としては、もちろんお酒、その他ではコーヒーとか、いろんな飲み物があるけど、〝摂りすぎはあまり身体に良くないです〟というものって、世の中の媒体から消えるんですかね。
逆に、身体に良さそうなものばっかりCMで流れるんですかね。
ビタミン剤とか自然食品とか。
そういう世の中って、逆に怖いなぁ。
えっ? いまごろ身体に良いもの摂っても遅い?
わかってますって。
こっちは添加物まみれの昭和の生まれですからね。