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ワリオランドアドバンスRTA概論


挨拶

皆さん、こんにちは!
2022年7月よりRTAを嗜んでいる「はいどしーく」と申します。
今回は私が走っているRTAの1つ「ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝」の全体的な概要をお話したいと思います。

ワリオランドアドバンスとは?

「ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝」は2001年8月21日に任天堂より発売された横スクロールアクションゲームです。
ハードはゲームボーイアドバンス(GBA)で、GBA全体でも、かなり初期に発売されたソフトと言えるでしょう(GBA本体は2001年3月21日に発売)。
ワリオランドシリーズとしては5作目にあたり、シリーズの中でも特に有名なタイトルかと思います。
特に明確なキャッチコピーはありませんが、CMでは「行きと帰りで2倍楽しい」というのを売りにしていた覚えがあります。

特徴的なゲームシステム

本ゲームはこれまでのシリーズ作品とは違い、ワリオが「半不死身」です。
ゲームオーバーはありませんが、ライフ制となっており、ハートが全部無くなってしまうとステージから追い出されて最初からやり直しになってしまいます。
また、このゲームの最もユニークな点は「ステージの奥にあるカエルスイッチを押して時間内にスタート地点まで戻る」というゲームシステムでしょう。
この時に流れる音楽が異様に怖く、プレイヤーの多くはさぞ焦ったことかと思います。

カエルスイッチ & 上部にデカデカと表示されるカウントダウン

本ゲームのRTAについて

ワリオランドアドバンスのRTAは長い歴史があります。
以下、最古参の日本人走者であるレジェンド「べこ」さん(https://x.com/becored0)から頂いた情報を元に、その歴史について紹介します。

べこさんがワリオランドアドバンスのRTAを始められた2014年ごろ、走者はべこさんと、海外走者であるSegaJunkieという2人しかいなかったそうです。
カテゴリーも当時は「Any%」だけでした。

その後、greenbeanという走者も参入し、3人でテクニックの改良が行われていきました。そしてほどなくして「Zip」という壁抜け技が見つかります。
当時のTASではZipは既に使われていて存在は知られていましたが、ピクセルパーフェクトとフレームパーフェクトの複合技で、人力では不可能だと思われていたそうです。

ただそれでもZipは非常に難しく、ソフトロックの危険性もはらんでいることから、多くの走者に忌み嫌われていきました。
(私も以前、RiJの会場でべこさんにやり方を教わりましたが、とても難しく、当分、使いこなせる気がしません…)

そういった背景から、Zipの使用を禁止した「Any% Zipless」というカテゴリーが生まれました。
このカテゴリーではソフトロックの危険性が無く、純粋なゲームクリア能力を競い合えることから、多くの走者に好まれていきます。
そして今では、このカテゴリーこそがワリオランドアドバンスRTAのメインカテゴリーであり、一番、走者も多いという状況です(執筆時点で合計37人)。
私もメインで走っているのは、この「Any% Zipless」です。

本RTAのカテゴリー

現在、ワリオランドアドバンスには以下のカテゴリーがあります。

  1. Any% Zipless (Normal)
    ラスボスであるヨーキを倒すまでのタイムを競います。
    「Zip」の使用は禁止されています。
    本ゲームの難易度は3段階あるのですが、このカテゴリーでは「ふつう(Normal)」で遊びます。

  2. Any% (Normal)
    同じく、ヨーキを倒すまでのタイムを競います。
    このカテゴリーでは「Zip」の使用も許可されており、Ziplessよりも大体2分くらい速くなります。
    難易度は同じく「ふつう」です。

  3. Any% Zipless (Hard)
    1と大体同じですが、難易度は「むずかしい(Hard)」で遊びます。

  4. Any%  (Hard)
    Zipは使用可能、「むずかしい」モードで遊びます。
    べこさんしか走っていません。

  5. Any% Zipless (S-Hard)
    1と条件は同じで、難易度は「げきむず(S-Hard)」で遊びます。
    このゲームを遊んだことがある方なら分かるかもですが、げきむずはマジで難しいです。

  6. Any%  (S-Hard)
    Zipあり・「げきむず」モードで遊ぶという地獄のようなカテゴリーです。なぜか走者が二人もいます。

この他にも、上記の条件に加えて100%クリア(全CD・金の王冠(スコア10000以上でゴール))も必要となる「100%」カテゴリーや、ステージごとのタイムを競うレベルランも存在します。
詳しくはSpeedrun.comをご覧ください。
https://www.speedrun.com/ja-JP/wl4

このゲームのラスボス「ヨーキ」 RTAでも強敵です

本RTAの素晴らしさ

最後に、このワリオランドアドバンスRTAの素晴らしさについてお話します。
このゲームのRTAは良いところばかりですが、それを箇条書きでまとめると、以下のようなものが挙げられます。

  • 乱数要素がほとんど存在しない(敵の動きが(ほぼ)固定・プレイヤーの実力がタイムに直結する)

  • タイマースタートしてすぐに操作が始まるので、手持ち無沙汰にならない

  • 言語差が無く、どのカセットを使っても問題が無い。中古屋に行けば大体売ってあるので、入手しやすいです

  • ある程度の実力がつけば、50分前後で終わる。アクションゲームのRTAとしてはちょうど良い手軽さ(執筆時点での現WRは45分47秒)

  • 操作性が良く、走っていて楽しい。スタイリッシュ!

  • BGMが良く、良い気分で走れる!

  • RTAテクニックが多く発見されており、RTA界隈が活発(日本人走者は少な目ですが、言い換えれば穴場タイトルといえるでしょう)

  • エンディングでショコラ姫からご褒美がもらえる

やったー

どうでしょう。RTAをやりたくなってきたのではないでしょうか。
このゲームは通常プレイでも楽しめますが、RTAという面でも非常に相性が良く、走りがいがあるのです。
実力アップ=タイム短縮のため、モチベーションの維持が簡単です。
現に筆者もここ1年半、ほぼこのRTAしかやっていません。

もしこのRTAに興味を持たれた方は、Speedrun.com(https://www.speedrun.com/ja-JP/wl4)で上位勢のプレイを見たり、実際に私がイベントでこのゲームで走った時の動画を見てみると、より、その面白さが分かるかもしれません。

↓ RTAイベント「RTA EXPERIENCE #15」に私が参加した時の動画です
https://www.youtube.com/watch?v=kKHKF2fkYmU&t=975s

「RTA EXPERIENCE #15」にてワリオランドアドバンスを走りました

また、2024年12月30日には、RTA in Japan Winter 2024にて私がこのゲームのRTAを走る予定です。
よければぜひ、こちらもチェックしていただければと思います。

↓ RTA in Japan Winter 2024のスケジュール
https://horaro.org/rtaij/rtaijw2024

なんとマリオカート8 デラックスの次! ワリオ様、大出世です。

ワリオランドコミュニティはいつでも貴方を待っています。
ぜひ一緒にワリオRTAを盛り上げていきましょう!
ではまた。

ワリオ、楽しいよ!!


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