ワリオランドアドバンスRTA 全ステージ・ボス概論
挨拶
皆さん、こんにちは!
2022年7月よりRTAを嗜んでいる「はいどしーく」と申します。
今回は私が走っているRTAの1つ「ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝」の全ステージ・ボスについて、RTAの観点からお話したいと思います。
「つうろ」について
ワリオランドアドバンスには「つうろ」という概念が存在します。
「つうろ」はアクションゲームにおける「ワールド」のようなもので、「通常ステージ」と「ボスステージ」で構成されています。
ゲームスタート時はまず、「さいしょのつうろ」に行かされます。
その後、「みどりのつうろ」「あかのつうろ」「きいろのつうろ」「あおのつうろ」を好きな順序で攻略していき、最後に「おうごんのピラミッド」という、実質的な最終つうろをクリアすることでエンディングとなります。
まぁここまでは、ワリオランドアドバンスをプレイしたことがある方なら常識でしょう。
では、RTA的にはどのステージが難しいのか?
それを理解するためまず、ステージの難しさを元にした「Tier表」に作ってみました。
まずはこちらをご覧ください!
RTAにおけるステージ・ボスの難易度Tier表
執筆時点における、筆者が考えるRTAでのステージ・ボスの難易度を表にまとめてみました(カテゴリーは「Any% Zipless (Normal)」(一番メジャーなカテゴリー)が基準)。
もちろん私の主観が大きく反映されていますが、WR保持者の方のTier表とそこまで大きくズレてはいなかったので、大体合ってるかなーとは思います。
(ちなみに筆者は、執筆時点で世界2位の記録を持っています)
こうして見てみると、いくつか気づくことがありますね。例えば……
「あおのつうろ」に難しいステージが集中している
「みどりのつうろ」は比較的、簡単なステージが多い
ボスは「キャバット」「ヨーキ」が強い
あまり簡単なステージが無い
RTAでは、マップでのワリオのスタート地点的に「みどりのつうろ」か「あおのつうろ」のどちらかから攻略していくのですが、難しいステージが多いという理由から「あおのつうろ」を先にクリアする走者がほとんどです。
(最後に難しいステージを回したら、せっかく速いタイムで来ても大ロスしてリセット…なんてことになりませんからね)
つまり、「さいしょのつうろ」→「あおのつうろ」→「きいろのつうろ」→「あかのつうろ」→「みどりのつうろ」→「おうごんのピラミッド」という順で攻略していくことになるわけです。
ではここから、Tier表の簡単なステージから順に、1つずつ解説をしていきます。
大変長いので、気になるステージから見てもらえれば幸いです。
ヒマ潰しには最適かと思います。
「S-Easy」なステージ
ここでは「S-Easy」なステージ、つまりめちゃくちゃ簡単なステージを紹介します。ただ、めちゃくちゃ簡単とはいってもRTAルートを採用しているので、どれも通常プレイと比べれば難しいです。
舐めてかかってると、たまに噛みつかれちゃう、そんなステージ達です。
さいしょのボス ピンキー
「ピンキー」は「さいしょのつうろ」のボスキャラです。
RTAではピンキーが召喚してくるザコ敵を踏みつけ、うまく背後に回り込むことができれば、あとは連続タックルでハメ倒すことが出来てしまいます。
このテクニックは、本ゲームの「げきむず」モードでは必須なので、任天堂公式のテクニックとも言えるでしょう。RTAでは必須技術ですが、通常プレイでは苦戦した方も多いかもしれません。
ひみつのはいきぶつしょりじょう
「ひみつのはいきぶつしょりじょう」は「あかのつうろ」の第2ステージです。
多くのブロックが配置されており、それらをガシガシ壊しながら進む爽快なステージです。RTAとしては、大きくタイムロスする点がほとんど無いため、気楽に走れる場所となっています。
唯一、少しだけ慣れが必要なのは、中盤の下に水路があるブロック地帯をダッシュで駆け抜ける箇所でしょう。もし水路に落ちてしまった場合、部屋のスタート地点に戻されてしまうため、ロスになってしまいます。
ジャンプする場所を覚えれば問題ありませんが、最初のうちはここで自己ベストを落とすこともあるかもしれませんね。
(筆者も3~4回は落ちたことがあります)
ヤシのきじま
「ヤシのきじま」は「みどりのつうろ」の第1ステージです。
S-Easyステージの中では、一番難しいかもしれません。
基本的には一本道のため、いかにダッシュを切らさないかが重要なのですが、最初のうちは難しく、ガンガン壁に当たることもままあります。
RTAの基本的なテクニック(宝石のかけら入手後のちょい加速・スーパーダッシュを一瞬解除してジャンプの長さを調整、などなど…)も必要になるため、一通りの技術を習得するまでは、上位勢のような動きをするのは難しいかもしれません。
慣れればほとんどタイム差が変わらず、大きなミスも起きにくいため、今回はS-Easyのステージとして認定しました。
(RTAのテクニックについても、時間がある時にまとめたいですね)
みどりのボス フラワナ
「フラワナ」は「みどりのつうろ」のボスキャラです。
大きな植物のような姿をしており、顔の怖さはこのゲームも1,2を争うでしょう。
ただし残念ながら、こいつもピンキーと同じくハメ倒すことができてしまいます。
このボスは大きな頭が弱点で、そこにヒップアタックを喰らわすことでダメージを与えることが出来ます。ダメージを与えた後にしばらくフラワナは無敵状態になりますが、無敵が解除された瞬間に一瞬の隙が生まれるため、そのタイミングにすぐヒップアタックを喰らわせれば、再びダメージを与えることが出来てしまうのです。
あとはこの「無敵状態になる→無敵解除後にすぐヒップアタック→無敵状態になる」…を繰り返すことで、あっという間に倒すことができます。
タイミングの取り方がちょっぴり難しいですが、慣れればほとんどミスすることは無いので、初めての方でも簡単に習得できるRTAテクニックかと思います。
「Easy」なステージ
ここでは「Easy」なステージを紹介します。
「S-Easy」ほど簡単ではないですが、大きなロスが比較的しにくい、また、ミスしてもすぐリセットしてやり直せるようなステージが集まっています。
はじまりのいせき
「はじまりのいせき」は「さいしょのつうろ」唯一の通常ステージです。
最初のステージということもあり、操作方法が分かりやすく背景に書かれているような、優しいチュートリアルステージという立ち位置です。
ただしRTAとなると実は難しいです。もしこのステージが後半に配置されていたら、もっとTierは高くなっていたことでしょう。
このRTAには「二段ジャンプ(海外ではエネミージャンプ)」という、敵やオブジェクトを上に投げた後、すぐにジャンプしてそれを踏みつけ、より高く飛ぶという最重要の基本RTAテクニックが存在しますが、このステージにもいきなりその最重要テクニックを使用するポイントが出てきます(下の画像でも、岩を使ってそれを行っています)。
また、他にも「しゃがみ滑り」や「クイックグラブ(掴む挙動をスキップして落ちている物を取る技)」といった、全ステージで共通するようなRTAテクニックポイントが、狭い範囲内に多数配置されており、RTAプレイヤーの腕前によって、実はものすごく差がつくステージなのです。
ここをいかにうまく攻略できるかで、そのプレイヤーの技量が分かってしまう…そんなステージこそが、この「はじまりのいせき」なのです。
(私は細かい正確な操作が苦手で、実際、このステージのベストタイムは他プレイヤーより遅れています)
つみきのおしろ
「つみきのおしろ」は「きいろのつうろ」の第1ステージです。
楽しげな雰囲気とBGMが特徴で、RTA走者にもあまり嫌われてはいないんじゃないかな…と感じています。(ここよりヘイトが高いステージはいくらでもあるため、それらと比較すれば全然マシです)
大きな積み木のオブジェクトを持ち運ぶテクニックは、このステージ独自のものなので、少々の慣れはいるかもですが、あまり苦にせず習得できると思います。
他の「きいろのつうろ」のステージは中~高難易度のクセモノ揃いなので、ここで大きくロスしないことが重要です。
あかのボス コンダラー
「コンダラー」は「あかのつうろ」のボスキャラです。
最初はハト時計の姿をしているのですが、一定ダメージを与えると、中から上記の鳥のような何かが現れます。
問題はこの第二形態です。落としてくるタマゴ型爆弾が爆発する前に、コンダラーの頭の風見鶏に投げ当てることで効率よくダメージを与えられるのですが、誤って卵を落としてしまうと、中からヒヨコ型爆弾が出てきてしまい、そこらを歩き始めてしまいます。
これが1匹ならまだしも、2匹、3匹、4匹…と増えていってしまうと床が大変なことになって大幅タイムロスになりかねないため、ミスをせず、一気に倒し切ってしまうのがポイントです。
おはなばたけ
「おはなばたけ」は「みどりのつうろ」の第2ステージです。
縦に長いステージで、二段ジャンプ等のRTAテクニックのほか、基礎的な水泳技術も求められます。が、無理をしなければそこまで高難易度というわけではないでしょう。
しかしながら、カエルスイッチ前に一つだけ、とても難しいテクニックが存在します。それは「下記画像にある狭い場所でリンゴスキーという敵を使って無理やり二段ジャンプをし、高く飛んだ後にその高度を利用して堅いブロックをスーパーヒップアタックでぶっ壊す」というものです。
何を言っているか理解が難しいと思いますが、私も採用していないような激ムズテクニックなので、あまり気にする必要はありません。(最近、使い始めてしまいました…他に詰める箇所がなくて……)
上手くいってもたった2秒程度ほどの短縮という、まさにハイリスク・ローリターンな技といえるでしょう。
「Normal」なステージ
ここからは「Normal」ステージを紹介します。
「Normal」と言ってはいますが、正直「Hard」とどっちにしようか迷うステージも多く、ここの境界は結構あいまいです。
「Normal」~「S-Hard」のステージは全て、1つのミスでランが壊れてしまうような危険ポイントがどこかにある、と考えていただければと思います。
アラビアンナイト
「アラビアンナイト」は「あおのつうろ」の第2ステージです。
アラビアンナイトというタイトル通り、魔法のじゅうたんや中東風?のBGMが特徴的なステージです。
ここは、ある一点を除いてそんなに難しくはありません。
たまにじゅうたんから転落して大ロスすることもありますが、ちゃんと真面目にやっていれば、落ちることはほとんど無いでしょう。
ただし、カエルスイッチ前のテクニックだけは、このRTAでも随一の難しさを誇っています。
それがこちらのテクニックです。「斧ミイ」というミイラみたいな敵を使いって「しゃがみ二段ジャンプ」をキメることで、本来は右から左に行く際に使われるであろう隙間に無理やり入り込み、上から回って行かずともスイッチにたどり着けてしまうという内容です。まさに絵にかいたような「RTAテクニック」ですね。
これは、前回の記事でご紹介した「べこ」さん(ワリオランドアドバンスRTAの最古参、スピードラン界のレジェンド)が見つけられたと聞いたことがあります。何というものを見つけてしまったのか…。
これをRTA中に成功させられるようになれば、このRTAの上級プレイヤーといっても過言ではないでしょう。実際、10秒ほどタイムが縮まるため、本当にタイムが詰まってきたら、このテクニックは避けては通れません。
そういう意味で、このアラビアンナイトを「Normal」ステージに配置しました。言い換えれば、このステージで難しいのはここだけですよ。
ホラーマンション
「ホラーマンション」は「あおのつうろ」の第4ステージです。
4階建てのマンションが舞台で、複雑にマップが入り組んでいます。
必須回収アイテム「カギのはし」が4階にあるのですが、通常プレイでは4階に行くのにも一苦労で、かなりの時間を要してしまいます。
ただ、このRTAでは公式が全く想定していないであろうルートを使い、早速4階に行ってしまうのです!
それがこの「非常階段チャート」です(私が勝手に名前を付けただけですが、便宜上…。私が発見したわけでもありませんよ)。
RTAでは、マップの一番左に階段があり、本来は帰り道に使う場所なのですが、これをなんと行きのルートで使ってしまいます。これによって何の苦労もせず4階に上がれてしまうため、とてもルートがシンプルで簡単になるのです。
これは二段ジャンプを上記の場所で決められさえすれば簡単に真似できるので、もし興味があったら使ってみてくださいね。
らくがきのもり
「らくがきのもり」は「きいろのつうろ」の第3ステージです。
ブタの敵「キヨブー」が絵に描いた敵を次々と召喚してくるため、多くのプレイヤーはさぞムカムカしたことでしょう。けっこう顔が怖く、しつこくワリオを追いかけて来るため、トラウマ気味になった方もいるかもしれません。
ただし、RTAではコイツはあまり怖くありません。ワリオの動きがノンストップで止まらないため、敵を召喚している頃にはすでにそこを通り過ぎている……なんてことがままあるからです。
ただしこのステージでは、狭い足場をスーパーダッシュで飛び移ったり、難しい二段ジャンプを決めなくてはならない場所があったりなど、高度な「キャラコン」が要求されます。1ミスで数秒~数十秒溶けることもあるため、「きいろのつうろ」における一つの関門ともいえるでしょう。
ただRTA映えするステージなので、ここをカッコよく駆け抜けられるようになれば、RTAプレイヤーとして大きな自信にもなると思います。
ドミノストリート
「ドミノストリート」は「きいろのつうろ」の第4ステージです。
ドミノと競争して、ドミノより先にボタンを押せれば報酬(宝石のかけらやハート、CD等)が手に入るというコンセプトになっています。
ただぶっちゃけRTAではあまりドミノは関係なく、それよりも重要となるのが「ライフマネジメント」です。
RTAチャートでは、ステージの最後のトゲ地帯をダメージ覚悟で無理やり突破するのですが、そのためには道中で余計な被弾をしないようにして、ハートを温存しておく必要があるのです。最後はハート1個でクリアを目指すチャートなので、たとえ自己ベペースで来ていたとしても、ここでミスしてゲームオーバーに…なんてことも。
怖い場合は、多少タイムが伸びたとしても、道中でハートを多めに回収しておくのも一手です。 死んでしまっては元も子もありません。
きいろのボス シッキー
「シッキー」は「きいろのつうろ」のボスキャラです。
クマのぬいぐるみはあくまでボディ、操っているネズミの幽霊が本体です。
まずはパラシュートに乗った敵を踏みつけ、それをぶち当ててやりましょう。そうすると、上の画像のようにぬいぐるみがひっくり返ります。
ここからが本番。ネズミに直接タックルを当て続けるのですが、これがとても難しく、ネズミではなくぬいぐるみにタックルが当たってしまうと、上にフワフワと上昇していってしまうのです(ただし1回までならセーフ)。
ネズミにだけ攻撃を当てるには、ワリオのポジション取りがカギになります。ただし、計16回もこの微妙な位置取りをしなくてはならないため、このRTAを始めたプレイヤーは、まず一番最初、必ずコイツに苦戦することでしょう…。
平気で数十秒~下手したら数分持っていかれる可能性も秘めている、悪魔のようなボスキャラです。プレイヤーによって目印の付け方等がかなり異なるため、慣れるまでひたすら練習し、自分なりの戦闘スタイルを身に付けましょう。
なぞのちていこ
「なぞのちていこ」は「みどりのつうろ」の第3ステージです。
このゲームは泳ぎがとても独特で、上下左右にタックルするような感じで泳ぎます。そのまま壁に当たった際には、一瞬ですが動けなくなってしまい、これがRTAだと如実に悪さをしてきます。
このステージではプレイヤーの水泳技術が試されます。
最も恐ろしいのは、中盤の泡地帯。上の画像のような狭い通路を泳いで進むのですが、途中に泡が下からフワフワと浮かんできて、これに触れると問答無用で上に連行され、10秒ほどのタイムロスとなります。
この「10秒」は、人によって捉え方が異なるでしょう。最初の頃は1つのステージで平気で2、30秒とタイムがブレるため、さしたる問題では無いかもしれません。ただしタイムが詰まってくると、3秒でも自己ベストが縮まれば万々歳!! なんてほどにシビアな世界になってきます。
そうなった場合、この10秒のロスというのは、一瞬で自己ベストを潰してしまう恐ろしさを秘めているのです。しかも「みどりのつうろ」は、RTAにおける終盤。ここでの10秒ロスは、そんな走者にとっては文字通り「一巻の終わり」です。悲しきかな…。
このゲームの泳ぎには慣れるしかありません。この技術は他のステージでも応用できるので、ここでしっかり「ワリオランドアドバンス流 水泳術」をマスターしましょう!
あめのジャングル
「あめのジャングル」は「みどりのつうろ」の第4ステージです。
本ステージは、シッキーと並ぶ、このRTAのルーキーキラー。
慣れるまでは本当に難しい、危険なステージです。
このステージは何といっても、足場の小さい空中ブランコ地帯が難関、しかもそれが4つもあるのです。
RTAでは通常、ここをノンストップで駆け抜けていくため、上手くいけばカッコいいですが、足を踏み外せば、5~10秒のロス。しかもミスした場合、再び戻ってやり直さなければならないため、それ以上のタイムロスになることも…。
このゲームは乱数要素がほぼ皆無。ブランコの挙動も固定です。
手が馴染むまで繰り返し、手癖で渡れるようになるまで練習するのが吉です。でもいきなりは難しいため、最初は一個ずつゆっくり、絶対に落ちないことを念頭に攻略していきましょう!!
さいごのつうろ
「さいごのつうろ」は「おうごんのピラミッド」唯一の通常ステージです。
このステージは、スタート直後にカエルスイッチを強制的に押すことになるため、初見のプレイヤーはカウントダウンに焦らされながら探索することになったでしょう。
RTAにおいては「ホラーマンション」と同じく、RTA独自のルートで攻略します。それが、ステージ下部になる水流を無理やり遡って一気にステージ中盤まで突入する「水流ルート」です(これも私が勝手に名付けているだけです)。右斜め上を入力しながらタイミングよくジャンプし続けると、流れに逆らうことができるので、これを利用して前半の厄介なギミックを全てスキップしてしまうのです。これも見様見真似で案外できちゃうので、良ければやってみてください。
ただ少しタイミングが狂えば、一気に押し戻されてしまうこともしばしば。最終盤で自己ベストがかかっている時はプレイに力が入りやすいので、日頃から練習しておく必要がありますね。
「Hard」なステージ
ここからは「Hard」認定のステージ達を紹介します。「S-Hard」の最凶四天王に比べれば全然マシですが、それでもツワモノが揃っています。
難しいテクニックが多く含まれているうえ、1ミスで自己ベストが消える箇所があちこちにあるため、心して挑む必要がありますね。
ほのおのどうくつ
「ほのおのどうくつ」は「あおのつうろ」の第3ステージです。
行きは火柱が噴き出るアチアチのステージですが、帰りは一転して氷の洞窟になり、床が滑りやすくなります。
RTA的には、特に行きの道中でゲームオーバーにならないよう「ライフマネジメント」が重要になります。火柱はワリオが近づいたタイミングで噴き出るのですが、それが消えるのをいちいち待っていては、全く時間が足りません。そのため、ダメージ覚悟でガンガン突き進んでいくのですが、ややもすればハートが足りずにミス…なんてことも。
また、帰り道ではつららに要注意です。最初は床も滑りやすいため、つららに被弾し、なけなしのハートが費えてしまうこともあったりとか。
序盤なのでまだリセットも効きますが、高難易度ステージ「みかづきのゴーストタウン」を抜けてすぐなので、あまりポンポンリセットしたくはありません。前半の関門ステージの一つと言えるでしょう。
すごろくのくに
「すごろくのくに」は「きいろのつうろ」の第2ステージです。
このステージでは、配置されているスロットを叩き、一本道のすごろくを進めながら攻略していきます。
最終的にすごろくをゴールさせないとステージクリアが出来ないため、道中で押せるスロットは綺麗に押していくのですが、少しでも数字がズレるとその後のルート全てに影響してしまうため、正確なスロットさばきが重要です。目の出方は固定なので、同じ動きをすれば必ず同じ目を出すことができます。
また、RTA的には帰り道のスロットで同じ目を出し続けるというテクニックがあります。スロットを叩いた後に先行入力を活用し、すぐまた叩くことで同じ目が出せるので、これで「6」を5回連続で出し続ける…なんてこともやれちゃいます。
見た目より猶予が難しいですが、決まれば大短縮できるので、ここはしっかり成功させたいところです。
あやしいこうじょう
「あやしいこうじょう」は「あかのつうろ」の第1ステージです。
このステージは本ゲームでも特にアクション性が高く、画像のような滑車の他、大きなピストンやベルトコンベアといった近代的なギミックが目白押しです。
RTAとしての難易度ももちろん高く、特に終盤の小さい足場や高速の滑車をダッシュで乗り継いでいくポイントはとても難しいです。
短いながらも密度があるステージ。
小手先の技術では通用しないので、しっかり練習して挑みましょう。
-40℃のれいとうこ
「-40℃のれいとうこ」は「あかのつうろ」の第3ステージです。
このステージでは雪玉を被り、ゴロゴロ雪だるまになって転がることで、先に進めるというギミックが特徴です。
この雪玉は周期で落ちてくるため、周期を逃してしまうとその都度、タイムロスしていってしまうのが大変なところ。
他にも、ベルトコンベアに乗りながらの二段ジャンプや、一ブロック分の穴を飛び越えるなど、地味ですがいやらしいポイントが多く、ミスが重なって15秒以上のロス…なんてこともしばしば。
「ピンボールタワー」に隠れがちですが、実はRTA全体で見てもかなり難しい、中ボスみたいなな立ち位置です。
「S-Hard」なステージ
最後は「S-Hard」のステージ達を紹介します。
ここで紹介する通常ステージ「みかづきのゴーストタウン」「ピンボールタワー」は高難易度テクニックが必要なうえ、比較的ステージも長いため、プレイ技術はもちろんのこと、根気・集中力が求められます。
特に「ピンボールタワー」は本RTA屈指の絶望をプレイヤーに課す、まさに「試練」といえるでしょう。
ボスステージ「キャバット」「ヨーキ」は、このRTAの二大巨頭です。
キャバットは最高難易度のテクニックを要求して来ますし、ヨーキはラスボスにもかかわらず、1ミスで自己べが無くなる可能性が高く、PBキラーとして本RTAの最後にプレイヤーに立ち塞がります。
みかづきのゴーストタウン
「みかづきのゴーストタウン」は「あおのつうろ」の第1ステージです。
私が一番リセットすることが多いのは、このステージかもしれません。ステージ自体が長く、RTAテクニックもてんこ盛りという、ピュアな高難易度ステージです。
通常プレイでは、まるでマリオ3の太陽のようにワリオをしつこく追いかけて来る「幽霊」に苦戦したことでしょう。カギのはしを盗んでいくため、いちいち取り返すのが大変です。ただ、こいつの動きは固定なので、しっかり避け方を覚えればさほど怖くはありません。
しかし、とにかくテクニックを応用する箇所が多く、ちょっとのミスで10秒規模の大ロスがかさんでいきます。ここを綺麗に抜けられて、初めてこのRTAがスタートすると言ってもいいかもしれません。
特にRTA初心者が苦戦するのは、上の画像で行っている変則二段ジャンプかもしれません。ブタの敵「メン斧」を使い、壁も利用してうまく宝箱の場所まで大ジャンプします。本来はコウモリワリオに変身していくところをスキップできるため、短縮にはなりますが、もちろん難しいです。
ただし、キマればRTA映えするテクニックなので、練習して習得できれば、実力はもちろん、モチベーションUPにも繋がるかもしれませんね。
あおのボス キャバット
「キャバット」は「あおのつうろ」のボスキャラです。
実力自体はヨーキよりも上かも…。とにかく細かいフレーム調整・ピクセル調整をしなければ、素早く倒すのは困難です。
本来は、キャバットが出してくる波に乗り、頭上のコウモリのような本体に攻撃を当ててダメージを与えていくのですが、RTAでは波を使わず、直接地面からタックルを当てていきます。また、最上位勢ともなると、その後、波に乗って追撃していくといったハイレベルテクニックも存在し、ハードルを上げれば上げるほど、めちゃくちゃ難しくなるというのがコイツの特徴です。
最初のうちは、通常プレイの戦い方で全然構いません。そうすれば、キャバットも優しく接してくれます。
タイムがかなり詰まってきて、他に短縮するところも無くなってきた…そうした時の最終手段に、キャバットのハイレベルチャートに挑むのがオススメです。
ピンボールタワー
「ピンボールタワー」は「あかのつうろ」の第4ステージです。
通常ステージの中では間違いなく最高難易度です。それほど難しく、RTA走者に恐れられているのが、ここ「ピンボールタワー」なのです。
ステージのコンセプトは、上の画像のように、ボールを箱(正式名称は「入賞口」)に入れていき、箱に4つ入れることで次の部屋に進めるようになる…というものです。ただしこのボールの扱いが難しく、万が一、ボールを落としてしまうと、コロコロコロコロ…と転がってしまい、それを追いかけて拾い直し、再び箱に入れる…なんてことをしている間に、10秒単位の大ロスが発生します。
1つの部屋には4つボールがあり、部屋は合計6つです。そのため、この所業をなんと24回も繰り返さないといけないのがこのステージの真の恐ろしさなのです…。
しかも全ステージ中、最長というのがまた、いやらしいポイントです。
RTA全体でも後半に位置しているため、ここまで良いペースで来ていてもここでリタイア…ということは数知れず。でも本当に上手く走れれば一気にタイム短縮も見込めるので、ロマン溢れるステージでもあります。
本RTAの天王山、ワリオランドアドバンスRTAが牙を剥いて襲い掛かります。
ピラミッドのぬし ヨーキ
「ヨーキ」は「おうごんのピラミッド」のボスキャラであり、本ゲームのラスボスです。
ラスボスに相応しい実力を兼ね備えており、一つのミスで数十秒溶けてしまう恐ろしい存在です。
RTAでの戦い方では、相手が出して来る「ハンマー」を使い、「ボヨヨーンワリオ」になって頭突き攻撃を繰り返すのが常套手段です。
しかしこのハンマー、ワリオが触っていないとすぐに消えてしまいます。そのため、いかにこのハンマーを切らさず、丁寧に攻撃を繰り返すかが重要です。「ハンマーが消えると自己ベストも消える」はこのRTAではあるあるです。
最後まで油断せず、緊張していても焦らずしっかり倒し切りましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ワリオランドアドバンスには個性豊かな色んなステージが存在しますが、それをRTA的に見てみると、また新たな発見があったかもしれません。
今回は文字だけの説明だったので、良ければ実際にRTAをしているところを見て、具体的にどういうルート・テクニックを用いているのかを見ていただければと思います!
私の執筆時点の自己ベスト動画と、筆者がRTAイベントで走った際の動画を貼っておきますので、もしご興味がありましたらご覧ください!
【自己ベスト】
【イベントでのラン】
また、2024年12月30日には、RTA in Japan Winter 2024にて筆者がこのゲームのRTAを走る予定です。
よければぜひ、こちらもチェックしていただければと思います!
【RTA in Japan Winter 2024のスケジュール】
本記事を読んで、ワリオランドアドバンスについて思い出したり、RTAに興味を持っていただければ幸いです!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!