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人は急には動けない。

先日、自宅マンションの火災警報盤が鳴った。

休日の、まあまあ遅い時間で、TVを見ながら完全にくつろいでいたところ、部屋の警報器が「ピーコン、ピーコン、火事です、火事です」と鳴り始めた。
定期消防検査の立ち合いで音は聞きなれていたものの、突然鳴り出すとやっぱりビックリする。
玄関のドアを開けると、他の部屋の住人たちも顔を覗かせて「なんですか?火事ですか?」と口々に聞いている。
わたしの隣の部屋の住人も出てきた。まさかなタイミングの初対面…。
(ワンルームマンションなので、基本的に引っ越しの挨拶はしない)

ひとまず貴重品を持って下に降りましょうと提案して、震える足を抑えながら、冷静なフリをしながら、階段で外へ避難。
マンションの前には、他にも避難してきた住人が集まっていた。(たぶん全員じゃない…?)

結局原因はよくわからず、消防署の赤いワゴン車が「ショウコウの煙を誤って感知した」と言ってて、え?焼香?誰かお焼香してたの?と、謎のままその日は終わった。

こんな時、人というのは本当に不思議な生き物だなぁと思う。
突然の出来事に、心臓がバクバクして焦っているにもかかわらず、頭の中では「これは誤報に違いない」と勝手に思い込んでしまう。
大丈夫だと、脳内で勝手に変換してしまう。
実際、警報器が鳴り始めてから外に避難するまで、10分近くマゴマゴしていたと思う。

避難した方がいい?
でも誤報だったら大丈夫じゃない?
避難なんて大袈裟?
みんな避難しようとしてないし。

そんなことをグルグル考えて、なかなか足が進まなかった。
これがもし本当の火事だったら、完全に逃げ遅れてる。
火事だけじゃない。最近の自然災害だって、いつ同じようなことが自分の身に降りかかるかわからない。

今回は幸い何もなかったけど、今後は少し気を引き締めないと、と思わされる一件だった。

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