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実習生との出会い、その後ソーシャルワーカー同士としての関係性。支援者自身の語りの大切さ。

精神保健福祉士の和賀です。

私は20代後半位から実習生を担当しました。当時は実習担当の法定研修がない時代だったので、正直どうやって実習生と向き合ったら良いのかわからず手探りな状態でした。
精神保健福祉士や社会福祉士など資格者あるあるかもしれませんが、同職者同士のチームだと意外とお互いに踏み込まず仕事をすることがあります。個人商店の集まりのような感覚で、当たり障りなく会話して、実は色々感じていても直接は言わないのが良しとされるような空気感。実習生を担当する時にも、誰に聞いたら良いかわからない。私は大学生の実習時からメンターのソーシャルワーカーの先輩がいたのですが、職場にはいないのでタイムリーには相談できない。

初めての実習生を担当した時は、私の方が力が入り過ぎて結局は半泣きで同期に相談したりしました。元々便秘症でしたが、悩み過ぎて1週間の便秘を放置していたら、実習生終了の翌日に自宅のトイレで倒れて救急搬送されました。なんと、イレウスになりかけていて、点滴や坐薬などのフルコースで便秘の怖さを身に染みて体験しました。

初めての実習生が、実習ノートはしっかり書けるけど、患者さんとの対応や私との振り返りの時間ではなかなかコミュニケーションが取れない。上手く自分の言葉が出てこない、そんな印象でした。実習生自身もその事に悩んでいたので、私もどうしたら良いかわからないとやや途方に暮れていました。同期に相談しながらというか愚痴を言いながら迎えた最終日、実習生が私との振り返りの時間に泣いてしまったのです。おそらく自分の思いを言葉に出来ないことが、主な要因だったと思います。それまでは大人しかった実習生が突然泣き出したので、私の方が狼狽えてしまう状況でした。私が追い詰めてしまったのではないだろうか?自分の不甲斐なさを感じました。

感情が昂って泣いてしまうこと


相談を受けている中で、割とこういうシーンはよくあります。思いを伝えようとする時、感情が昂って泣いてしまう。本人は泣きたくないのに、涙が溢れてしまう。そういう方をみていると、普段自分の思っていることをかなり抑え込んでいる人が多いと感じます。
言える相手、言える環境、言えるタイミングでこれまでの感情が溢れてしまう!そんな感じを受けます。
今でこそ、そのシュチュエーションになったら私は涙が出なくなるまで待ちます。泣いてしまう人の多くは、まず「泣いてしまってごめんなさい」と言います。が、私は泣きたい時は泣いたら良いので大丈夫、今は泣きましょう、と伝えます。自分の言いたいことを普段から言えない。話したい時には、言葉より先に蓋をしていたものが爆発するようにも見えます。

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支援者の支援、マイストーリーを聴くこと

一般社団法人ジュガールのプロジェクトで、現役の精神保健福祉士に話を聴いています。その中で、以前私が担当した実習生だった人が現在精神保健福祉士として、ジュガールのプロジェクトに参加してくれています。
支援者の支援として、個人のインタビューを実施していますが、話を聴いている中で素敵なエピソードがありました。ご本人の許可を得て、こちらに書かせてもらいます。

大学受験の前後に家族の病気があって、浪人をしたこと、当初希望していた学科の最終面接で「本当にあなたはこの仕事をやりたいですか?」と聞かれた時に、一瞬迷ったけれど「いいえやりたくありません」と答えて面接官が大きくバツをつけているのが見えた。これはダメだと思って帰り道に親に電話をして謝ったんです、と。でも不思議にその時のことを後悔していないんです、自分が本当にやりたいことではなかったんだと気付いたから。その時も今も、その気持ちは変わっていなくて、あの時にその道ではなく精神保健福祉士になりたいと思って今こうやって働けていることが自分は嬉しいと話してくれました。

何だかすごいなと感じるとともに、自分で心底やりたいと思うことしか、人はやれないのだろうと思います。実習生を担当した時の出会いが、まさか数年後精神保健福祉士同士として関係を繋いでいけるとは思っていなかった。
出会いの大切さと、支援者自身のマイストーリーを語る大切さを実感しています。

それは、自分の体験が、仕事、支援をする時に絶対にリンクしてきます。よく聞くのは、仕事とプライベートは分けていますという言葉。私もそう思っていた時期がありました。でも、ウルトラマンだって変身する時、全部入れ代わるわけではありません。あくまでもスーツを着てるだけ。支援者も支援者というスーツを着て仕事をしているかもしれないけれど、ベースにあるのはあくまでも自分。自分の感情や経験、価値観に完全に蓋をして仕事はできないのです。
支援者の支援、マイストーリーを語ること。これらが支援者が働く上で必要な時間だと私は思います。

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