見出し画像

「やさしさに勝るものはない。すべてのうえに、しずかに存在している」

「このはし、わたるべからず」は一休さんのとんちネタ。「橋」を意味する「はし」を「端」に読みかえる話。

昨日の会社からの帰り道も、今日の家からカフェへ向かう道も、そこから戻る違う道も、歩道の「端」には、おそらくに忘年会で飲み過ぎた方々の、モドサれた何かがあちこちに散乱。あやうく踏むところ。


人類は果物や野菜を森や林から採取。食べた後にはタネをそこらに捨てる。あれれ、移動から偶然、同じ場所に戻って来たら、タネを捨てたあたりから芽が伸び実がなっている。美味しい実と不味い実に気づいてからは美味しい実のタネばかりを捨てたから、ある意味、品種改良、美味しい実ばかりを実らせてくれる。他も同じかも?と気づく。移動せずにここでちょっと育ててみるか、なんて思って、農業を始めるので定住を選択。そして、作物・穀物を貯めていたら偶然に発酵。アルコールを飲むようになった。

農業も定住もアルコールもだいたい約10,000年前から始まる。アルコールはもう少し後の話かな。わんちゃんが飼われ出したのも同じく10,000年前ほど。羊、山羊、豚の家畜化はもう少しあとの7000年前ほど。らしい。

人類はもともとアルコールには強かった。人類に至る前のおサルさんに近い時代から発酵した果物を食べていたので、ワインみたいなものですね、自然にアルコールに強く進化。なのに、アルコールに弱い遺伝子が突然変異で発生し継承。今でもアジア人を中心に5割ほどが弱い遺伝子。


ボクはお酒が弱い。顔は一杯で真っ赤になり、量が進むと頭痛に。突然変異の子孫だ。昔は接待していると飲まされた。酒の強い客が強制してくる。そういう時代。ボクも道の端に多々モドシていた。しかし、それぐらいで終って良かったものだ。同業では酒のせいか曖昧になっているが新入社員が研修中に亡くなっている。せっかく一流会社に入ったのに真実ならばおバカな話。


人類はお酒前提で進化・発展してきた、ように思う。お酒を飲める人たちで文化やら制度がつくられて来た、そんな気がする。お酒を飲めるひとは愉快そうで、ストレスも発散できそう。厳しい仕事もお酒をみんなで飲んで、よしまたがんばろう、となれる。チームワークの醸成にお酒のチカラは効果的に思える。ひがみか。。。つまり、結果を残せる。。。お酒が飲めないボクは、何で気分が良くなり、ストレス発散したらいいの? アルコールに強かったらもっと人生楽しかったかも、とも思う。

そう言えば、留学中に仲良くなったアジア系アメリカ人が、自分はお酒に弱くて全然飲めない、周囲はみんな強い、一緒に楽しめないから自分はマリファナに頼る、と言っていた。そして「お前も弱いでしょ。アジア系はだいたい弱いんだよ。日本でもマリファナか?」と問われた(笑)。


遺伝子に縛られて、どんな努力も結果に繋がらないことは多々ある。アルコール耐性もそう。どんなに努力しても強くはなれない。ボクも20年以上は飲み続けているが全く強くならない。

ここ10年ぐらいか、お酒を強制しない「やさしさ」という当たり前が当たり前になり、本当に良き社会になってきた。より「やさしい」社会。これからも、強制しない、個性を大切にする、そんな社会により進歩して欲しい。

やさしさに勝るものはない。すべてのうえに、しずかに存在している

(ぼくモグラキツネ馬(チャーリー・マッケジー著、川村 元気訳、飛鳥新社)

「やさしさ」。皆が皆に対してそうあって欲しいけど、やさしくあるのはかなり難しい。「強い心」からしか生まれないから。真に強い心。


年末の道の端にあるモドサれたものを見て、強制ではなく、自分で楽しく飲んだ結果、だといいな。そう思ったのでした。


お読み頂きありがとうございます。
(v10_44)


いいなと思ったら応援しよう!