決算報告、色々。特損で赤字や絶好調や。万事塞翁が馬を忘れない(素敵なリーダーになりたい編_v4-48)
4月-3月が決算期の会社が決算報告をしています。オフィスでそんな話に。あそこはどうだったみたいだよ、こっちはこうだったみたいだよ。
海外買収した案件がうまく行かず、特損出したり、一方で、資源価格の上昇で、自動的に利益が莫大になって絶好調だったり。資源価格はサイクルです。一喜一憂することでもないですが、一喜一憂するのがサラリーマン。もちろんリーダー層は棚ぼたキャッシュをどう使うか、真剣でしょう。前者の買収案件の特損は、キャッシュはすでに出ていますから、特損と言ってもPL上、ま、そのまま売ったり・会社が潰れたら無駄になっただけですが、一旦損を計上したら、次回からは未来を描けそうです。どう未来を描くか、リーダーの仕事ですね。なんてアレコレ話。
他社の厳しい状況を目にすると、明日はわが身で、対岸の火事ではありません。そう身が引き締まる。一方で、絶好調の状況を見ても、万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如し、山有り谷有り、栄枯盛衰。浮かれられませんね。
棚ぼた的でも上手く行くのは嬉しいもの。ビジネスしていて一喜一憂は不要と思いますが、でも、一喜一憂するのもまた人生です。上手く行ったら仲間で喜び合うのも良いものですしね。喜びも束の間で、明日はやばい情報が入ってくるかもしれませんが。ま、それで良いような。人間、技術が進歩しようが、AIに凌駕されようが、ロジカル、アルゴリズムにはついて行けず、頭はおそらく紀元前からあまり変わらず、永遠に一喜一憂です。
一方、特損もまたしょうがない。コンコルドの誤謬にならないよう、損切りはルールに基づいて、感情無く、ドライに実施。リーダーなら、先延ばしなんてせずに、未来に後輩に押付けるなんて最低なことはせずに、ですね。来年はもしかしたら復活!!!なんて考えは不要です。ルールに基づき機械的。直感不要。悲観論も楽観論も不要。ドライにルールに従う。ルールを変えるのは時としてありですが、慎重であるべき。
ところで海外M&Aの8割は失敗とのことです。コンサル業界の偉い役職のひとに聞きました。理由はこんな:
買うときは、誰もが買う(買われる)を実現したい。そこまでは皆がハッピーですから。投資銀行も弁護士も大金が入りますし、買われた側の経営層も大金が。買った側もバラ色の将来を思い描き、時間を買った、イイ買物だ、と周りからも説得され。とにかく買うことにだけ価値を見いだしてしまう。利益率は別の話ですが、売上額や利益額は増えたりしますからね。一方、買った後どうするかが真の問題なのにPMIのことは考えないですし、不得意ですね。それに、そもそもシナジーって、なかなか無いものなのです。だから、欺された、というか、高い買物をした、というか、不要なプレミアムをつかまされたというか、そんなが8割とのことです。
ボクも商社時代・コンサル時代に見た世界では同じように感じます。。。
日本人同士でも難しいのに、海外の会社を買って、メジャーシェアで経営するのは難しい。同一業界の垂直・水平統合ならまだ可能性はありますが、異業種だと倍増ですね。VCでも、マイナー出資しかしない、というスタンスのところも多々ありますね。理解できます。そう言えば、大前研一氏が、英語がしゃべれると思っているひとの方が失敗する。英語ができないひとは通訳のプロを使うから、なんて言っていた。人と人ですものね。誤解あたりまえ。言葉の内容よりも、言葉尻、ニュアンス、トーン、発するリーダーの人間性に大いに左右されます。海外の習慣・価値観・宗教・ビジネスマナーなどの違う多様なひとを、しかも英語圏とは限らない海外事業を買収して、成長させるのは、当然に難しい。
買うことが目的になるのと類似だけど、うちのようなベンチャー企業はだいたい資金調達をPR、自慢しますよね、と仲間がコメント。まったく理解できない、とのこと。その金を何につかってどう発展させたかが重要であり、魅力的なのに。よくわからん。とのこと。ま、確かにね。そこから、会社を存続させることってそんなに大切なのか、って話をアレコレ。
ま、会社なるものは、浮き沈みにどうしても直面しながらも、浮きだけで沈みが無いなんて会社はありませんから、リストラしながら、社員にはごめんなさいだけれども、会社を存続させようとします。自力なのか、助けてもらいながらなのか。この「存続」こそが一義的な目標になりますね。ま、この点が、いまだに、ボクは理解できませんが。非効率な会社はさっさと畳めばよいのかな、と思いますが、様々なステークホルダーが絡む中で「存続させない」という判断はなかなか困難です。未然防止が下手というか、できませんね。人間社会はそんなものです。
ということで、会社が厳しい時に、あるいは絶好調の時にリーダーはどうあるべきか。
厳しくなったのは自分のせいじゃない。先代のせい、なんて格好悪いことはやめたいですね。誰もがわかっています。口にする必要は無い。今、自分がリーダーならば、なぜ、そうなったのか、当面の危機対応は何をするのか、それはなぜか、そこからの学びは何か、自分のビジョンは何か、だからみんなにはどうして欲しいのか、みんなに自分は何をするのか。明確に、自信を持って、明るく、伝えて欲しいですね。これでダメなら次にバトンタッチするよ、って退路を断って。ま、同族会社ならできませんが、ある意味、一生逃げられないからこその強さがあります。前職で一緒に経営していた先輩にはその気概を日々感じました。サラリーマン社長とは違うかなと。
絶好調の時は、もちろん浮かれず、なんで絶好調か丁寧に考えた方がよいですね。それは続きえるのか、ラッキーなだけか。続かなくなる前触れは何か、ラッキーを生む行動は何か。絶好調だからこそ今、打てる後ろ向き施策は無いか。節税対策だけに真剣になるのでなく、こういう分析をしたいところですね。。。
もちろんリーダー一人が万能ではないので、仲間、外部のプロフェッショナルとも議論しながら。
でも、リーダーって、そう考えると、危機でも、好調でも、なんだか楽しいですね。アレコレ考えて、仲間と議論して、社員に信じることを伝えて、動いてもらって。浮かれずに、同時に、悲観的にもならずに、楽しんであるべきリーダーシップを発揮する、ってことなのでしょうか。
「素敵なリーダー」: 会社は、危機も、好調も、波ありの、万事塞翁が馬ですね。リーダーはこれを認識する必要があると思います。そして、ま、5割ぐらいは偶然のお陰。でも、一喜一憂してしまいますね、人間ですので。でも、基本は、万事塞翁が馬、好調に奢らず、危機に悲観的にならず自信を失わず。今、仲間とともにすべきことを、すべき、ですね。そして、それを楽しんで。危機でも、好調でも、やるべきことを一覧すると、リーダーの役割って、楽しいことのように思いますから。ただ、自分が楽しいのと、仲間も楽しいは別です。要注意ですね。奴隷関係・主従関係を良しとせず、高圧・圧政・強制・独裁・暴力的にならず、が大前提。仲間から信頼され、支持され、一緒にいて安心と思われながら、やるべきを仲間と共にやる。こんな素敵なリーダーであれば、その役割は楽しそうだ。
こんな素敵なリーダーになりたいですね。
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