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「赤と黒」と「運命の恋をかなえるスタンダール」の週末。こんな歳でも...

出先で会議。そのお昼に近くのお弁当屋さんに。2種類のお弁当から選ぶ。650円。インフレな昨今、都内にしてはお手頃。

さて、ふと考えてしまったのだ。その弁当の中身の問題ではなく、その2種が、「A」や「B」、「1」や「2」、あるいは「あ」と「い」などではなくて、「赤」と「黒」なのだ。「赤」か「黒」かのどっちかを選んでねって。。。

なんで「赤」と「黒」なんだ? と一瞬、弁当選びの思考が止まる。後ろに人が並んでいたから、すぐに切り替え「黒をお願いします」。でも、なぜ赤と黒なのか、引き続き不思議に思うと共に、黒に違和感が。。。


弁当を抱えて会議室に戻りながら、スタンダールの「赤と黒」はどんなだったかな、と思い出そうとがんばる。「大好き」な作品だったのにすっかり忘れている。そして、たぶん、と曖昧ながら、「赤」にすればよかった、と思う。


夜、家に帰って本棚を探る、と、わぁ、あった。高校生だか、大学生だかに読んだ文庫本が。30年ぐらい前か。

そして、正しかった。「赤」の方がよかった。

赤はジュリアンの共和主義精神を、黒は僧侶階級を示していると見ていいと思う。~ 赤を大革命後の共和政府から帝政時代へかけての英雄的な精神の横溢した活気のある時期のシンボルと見、黒は僧侶や陰謀がはばをきかした王政復古の陰鬱な時期のシンボルと見て対立する二つの精神や時代を色わけしていると感じればいいのではなかろうか。

「赤と黒」(スタンダール作、桑原 武夫、生島 遼一訳、岩波書店)の訳者の前書き

そして、気に入ったページには折り目があり、一部にはメモも。その中のひとつが以下。苦笑。。。

およそ偉大な行為で、それがはじめてくわだてられるとき、「極端」と思われないようなものがあろうか。それが成しとげられてはじめて、俗人たちに可能なことがわかってくる。ほんとに、そういう奇蹟をすっかりそなえた恋愛、いまあたしの心を占めるようとするのはそういう恋愛だ ~ あくびのでるような恋愛に何のねうちがあろう。

同上

で、学生だった頃の30年程前のボクのメモは、

「恋は偉大なのか? キョクタンでキセキな恋したいなぁー。」


30年経過していますが、残念でした。。。
もう、無い、かな。。。

そう諦め、これも機会と「赤と黒」を読もうと思ったが、でも、思い直し、”今後のもしも”、のために、先に水野 敬也さんの「運命の恋をかなえるスタンダール」を、自分の歳を忘れ読もう!と、思ったのでした。


お読み頂きありがとうございます。
(v9_73)


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