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教授に言われた。「外人」と言ってはダメ。軽蔑と十把一絡げは賢くないよ、と。

香港からの出張者とご飯をしていたら、近くで、海外からの旅行客数人が大声でしゃべっている。ま、不快と言えば不快。気にしなければ気にならない

日本人同士だと、「うるさいなぁ、●●人はぁ!」となりえる。「もう来なくていいよ、日本には!」なんて言うひとも。いえいえ、たくさんお金を落としてくれているのだから?! とにかく、是々非々というよりは、数人を捉え、その国のひとを十把一絡げで批判しているかのように聞こえる。


ところで、ボクは、大学時代のドイツ人の教授に言われたことを、守っている。ちなみに、そのクラスの生徒はなんとボク含めて4人だけ。とても濃密で良質な時間だった。

教授はこう言ったのです(日本語でだけど)。
「「外人」という言葉には一定の軽蔑がある。私はもう長く日本にいるのでそれを理解し感じられる。君たちには良き言葉を使って欲しい。「外人」ではなく、「外国人」。できたら「海外の方」と言うことをおススメする」

それ以来、ボクは「外人」という言葉は使わない。
確かに、軽蔑、批判要素を感じるとボクも思うから。

それに「外国人」でも、「海外の方」でも、「外」だけをすべて括る機会はまれだ。日本とそれ以外全体を語るときだけだが、そんな機会はあまりない。日本の制度やルールが、海外の方全員に共通して、あるいは特定の国に対して、差を設けていることを議論する、そんな場合だけか。それ以外に、個人、特定の集団を指して、「外」「海外」などで括る必要はない。

それに、目の前に仮に批判したい海外からの方がいたとしても、その人・その言動が課題であり、日本人なのか、海外からの方なのか、どこ国かなんていうのは関係がない。


さて、ある知り合いに「まったく、〇〇人はうるさいよね、汚いよね」的な暴言を気軽に吐くひとがいる。海外の方の粗相を見たり、不快を感じると、すぐに「本当、〇〇人はこうだよね」と一刀両断。

ところが、この方、趣味の活動をしていて仲良くなったひとが、日本人だけど祖先が韓国や中国だったのだ。

「でね、気を付けるようになったのよ。もしかしたら傷つけちゃうかもしれないでしょ。そんなことしたくないし、みんな大好きな良い友達になったのだもの」とのこと。


いいことです。草の根的。知って、仲良くなれば、許容できる。知って、仲良くなって、さらに詳しく会話すると、ますます知れて、その粗相や不快の背景は単なる一過性かもしれないし、個別性かもしれないし、あるいは文化の違いかもしれないし。。。色んな理由がありえるし、理由がわかると対処もできる。

仲良くなる=知る、って大切。


さて、この香港からの出張者が、「うるさいよね、あの一行。でも、香港のひとではないからね!」とボクに言って来た。

海外の方が、海外の方を、海外で批判する、も当然にありえます。だからやっぱり「海外」「外」でなんて、括りにくいですね。

「おー、それはボクもわかるよ。だって、あの人たち、母国を特定できる言語をしゃべっているのだから。でも、これぐらいボクは気にならないよ。もしかしたら耳がみんなちょっと悪いのかもしれないし、何をしゃべっているかわからないけど、日本に来て本当に楽しくて、楽しくて、つい騒いでいるのかもしれないし、母国が結構、広い場所で、大声でしゃべる習慣になっているのかもしれないし、いろんな人がいるものよ。別に静かに食べるべき高級フレンチにいるわけでもないしね」。


でも、日本人だって、他国に行ったら、たむろしたくなるものです。日本人だって異国では一括りに捉えられ、批判されることがあります。批判されてきた歴史ですし、ボク個人の経験でも。

郷に入っては郷に従え、と言う諺がわざわざあるように、郷に従えないのが、人間というもの、ですものね。

冒頭の大声でしゃべる海外の方のごとく、自国の者でたむろし、異国で自国の習慣・伝統などを無理に再現したくなる。あるいは、旅行程度であれば、単なる旅行なんだから許容してよ、お金落としているんだから、となる。ま、そうですね。


でも、一方で、郷に従わないことを、許容もしてくれます。異文化に関心を持ってくれます。アフリカから世界に広がった人類。異文化、異国、違いにロマンを感じるものなのでしょうね。

郷に入ったひとと、もともといたひとで、互いに許容しあいながら、違いを教えてもらいながら、より良い関係を構築していく。文化を進化させていく。お互い様がよいかなと。


ということで、

・「外人」という言葉を使うのはやめよう
(外人墓地やら外人部隊などの熟語はしょうがない)

・自分がされても、自分は海外の方を十把一絡げに捉えるのはやめよう

・海外の方を知る機会を増やし仲良くなろう
(仲良くならないかもしれないけど、知らずに仲良くはなれないから)

・仲良くなったらさらに深く知り理解しよう

・自国の過去の行動に今の関係ない自分も責任を感じよう

・そして、過去は忘れない、が、許して未来を向こう

そんなのがいいかもね、と香港の方とお話ししていたのでした。ま、彼は「外人」「外国人」という言葉の違いはわかりませんけれど。。。


お読み頂きありがとうございます。
(v9_64)


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