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崎川忍の短編小説とか

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今までに書いた短編小説・詩などです
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#小説

十九歳病

 その女は眠剤が描く幻覚のように胡乱げだった。──ふた月前の私なら、そう表現したかもしれ…

崎川忍
2年前

子どもごっこと痴情のゆくえ

「淫乱」  美術室の扉の向こうから、その言葉だけがすっと頭に入り込んできた。軽やかで、嬉…

崎川忍
2年前
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青空よ、武器を捨てその場に手をついて(詩・超短編集)

春火 青空よ、武器を捨てその場に手をついて  人質にされた海原があなたを忘れられるように …

崎川忍
2年前
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20390918

 ようこそ!  私はタビィ。あなたの探索を手助けする仮想空間上のパートナーです。私には現…

崎川忍
3年前
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母に電話しました。母は仕方なく目覚めたばかりのしゃがれた二十九の声で眠たげに私に聞きまし…

崎川忍
3年前
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学級下克上会議

※生々しい表現を含みます。  六年一組の教室へ入り、いつも通り自分の机に学習道具を入れよ…

崎川忍
3年前
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架空のキャラが現実世界で拉致された話

 たまたま愛した存在が〇〇だっただけ。  そんな訳あるか自己正当化野郎共。たまたまで何かを愛せるような奴がいるか。素直に「顔が性格が振る舞いがその他の解釈が、自分にとって都合の良いものだったので愛しました」と言え。男も女も動物も人形でさえも、理由もなしに愛される存在ではない。  俺のミコトが拉致された。犯人は、世間だった。高速道路に入ると無駄に成長したビル群が薄い塵の向こうで背比べしているのが見える。二千と百二十を数えた辺りから、人々は緩やかに死を待つだけの生き物になった

健全中毒

 教育に刃を突きつけられている。  少なくとも私の記憶では、子供向けの教育ビデオにおいて…

崎川忍
4年前
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2011年 精通

※震災に関連した描写を少々含みます。  その日は僕が住んでいる地域も結構揺れた。上下にガ…

崎川忍
4年前
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女ニートが死ぬまでの話

 紅子は小学校に上がるまで、いや、いい歳になっても度々「ベビ子ちゃん」と呼ばれてきた。両親…

崎川忍
4年前
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