名古屋大学東ゼミ(文化人類学)が王滝村で合宿
7月28-30日で、名古屋大学文学部の東ゼミが先生、学部生、院生、TA(ティーチングアシスタント)総勢12名で王滝村にやってきました。
アテンダー太郎、出勤です。
1日目
東ゼミ御一行は、お昼頃王滝村に到着。
そのまま車に分乗し御嶽神社里宮へ。時間の都合で、長い石段を駆け登り岩肌迫り出す社殿に急ぎます。
たまたま滞在中だった、木曽を愛する東大生加藤くんが同行してくれたため、神社の詳しい説明をしてもらいました。
それからまた石段を駆け降り、御嶽スキー場に向かいます。
ゼミでは事前に、スキー場と有害鳥獣、特にサルの問題について、課題を共有しグループごとに整理、発表を行っていました。王滝村から合同会社Rext滝越の倉橋さん、太郎、シエイナの3名で発表を聞きに行き、意見交換をしていたのです。
スキー場では支配人の家高さんと、学生の事前リサーチをもとに質疑応答を重ねました。内容は、経営方針や実態、SNS運用の試行錯誤とその成果、住民とスキー場のあり方とつながり方、指定管理者制度など多岐に渡りました。
学生も経営層から直接話を聞けた貴重な機会だったと振り返っていました。
続いて、宿泊の「常八-Farm stays&大衆酒bar」に戻り、集落支援員で有害鳥獣を担当する山下さん、農業を担当する宮本さんを招きディスカッション。
事前リサーチでは把捉しきれなかった、サルの生態や社会性、住民とサル双方の実際の温度感を共有しました。問題について、より多面的な理解が進んだはず。
また、ゲスト2人の農業や有害鳥獣対策におけるジェンダー観や、住民としてのスキー場問題の捉え方にまで話が広がり、興味深い議論となりました。
そして、濃密な調査で熱くなった頭を冷えたお酒で冷ましつつバーベキューでさらに熱します。昨年とれたイノシシの肉や、料理自慢のTAパクさんお手製スペアリブの照り焼きなど、初めての味に舌鼓を打ちました。
ゼミ仲間とはいえ、学生間ではそれほど交流がなかったという東ゼミ。徐々に打ち解けているようでした。
僕らのルネッサンスから太郎、シエイナ、さゆりも一緒になって楽しみました。
2日目
公民館で行われた盆踊りの練習会に全員で参加しました。王滝村王寿会会長の大家さんを中心に80代後半〜90歳のベテランが村の参加者と名大生に踊りをレクチャーしてくれました。
はじめに「木曽節(木曽踊り)」。ゆったりした節にシンプルな振り付けで覚えやすく、唄に合わせて実際にやってみる頃には、独特な没入感が病みつきになる、と東先生はじめ数名の中毒者がでました。
大家さんより木曽節に出てくる「中乗さん」にまるわる3つの説の解説をいただいた後、継承者が途絶えているという祝歌「高い山」を90歳を目前にするおそらく最後の踊り手と思われるおふたりにご披露いただきました。
一同、なめらかな動きに惚れ惚れ。
最後に軽快な「チョイナ節」を踊りました。歌い手がかわるがわる場を作っていく臨場感を再現するため、実際に歌える人で回し歌う中で踊る、ライブ版を体験しました。
踊りに熱心に取り組んだ世代を最後に後進が途絶えるか否か、という現場に居合わせた学生は文化人類学を専攻する立場から、どのようなことを考えたのでしょうか。
午後は夜に企画されている「韓国ナイト&カクテル」の準備に取り掛かりました。
TAパクさんの故郷の韓国料理からキンパとトッポギ、院生野川くんお得意のカクテルを振る舞う場を、僕らのルネッサンス主催で設定しました。
「常八」を会場に、屋外にテントをはり電飾をつけ、テーブルと椅子を設置。キッチンとバーカウンターで仕込み、飲食チケットや会場案内の作成など、ちょっとした文化祭の賑わいを演出しました。
夜には村民も数組見えて交流が生まれ、学生同士も昨晩よりさらに親密になった様子でした。
3日目
御岳湖の周りから自然湖、滝越地区の白川まで爽快なドライブ。午前中いっぱい駆け回りました。
すっきり晴れた空に大自然が映える夏のひと時を満喫できたことでしょう!
お昼には王滝産のとうもろこしを一人一本食べました。王滝のとうもろこしは甘みが強くデザートのようです。
それから、東ゼミと僕らのルネッサンスで締めのあいさつをして、ゼミ生たちは大急ぎで帰っていきました。
また来年も、ここで会えるとよいですね!
文責:シエイナ
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