僕らの未来に戻る時
今さら説明するまでもなく、名作の中の名作
バック・トゥ・ザ・フューチャー
タイムスリップ映画永遠の金字塔である。
高校生のマーティと風変わりな親友でもあるドク(ブラウン博士)とが繰り広げる、ドクが発明したタイムマシーンに乗って過去から未来へと行ったり来たりのドタバタアクションコメディ青春グラフィティ&サスペンスラブロマンス映画である。
高校生のマーティはひょんなことからドクの発明したタイムマシーンで過去へタイムスリップしてしまい、若き日の両親とうっかり接触して図らずも結婚のチャンスを潰してしまう。このままでは将来マーティが産まれることがなくなり未来が変わってしまう… なんとか両親を恋人同士にして元の未来に戻らなければ!
というのがパート1の内容である。
ストーリー自体がまず最高に面白い。偶然出会ってしまった母親(タイムスリップした時代ではマーティと同い年、そして可愛い)に一目惚れされてしまい猛烈なアタックを受ける羽目になってしまうマーティン・マクフライ(「マーティ」は愛称)。
マーティは、ガリヒョロで冴えないイジメられっ子である父親に何とかアドバイスし母親をパーティーに誘い、結婚の大元のきっかけでもある "初めてのキス" をさせなけらばならない。
そこへ邪魔をするジャイアン的立場のビフ・タネン(後にマーティン・マクフライとの昔から未来へと続く因縁が明らかになる)。
抜群の行動力と勇気とドクのアドバイス(?笑)で様々な困難をクリアし、見事に両親をくっつける事に成功したマーティは最大の難関である "無事に未来(1985年)の世界に戻る" という難題をこれまた若き日のドクことドクター・エメット・ブラウンと共に乗り越える。
どうです、ワクワクするでしょ(笑
ストーリーだけでも最高に楽しいのだが、それにまつわる細かいエピソードの一つひとつが実に緻密に練り上げられていてそれもこの映画を楽しむポイントの一つだ。
2度目観た時、そして3度目、4度目と観るたびに新しい発見がある。それだけ盛りだくさんのエピソードが隠されているのだ。
Wikipediaを見れば、そんな裏エピソードや隠れネタなんかも調べることが出来るがここは是非映画を楽しみながら発見して欲しい。
さて、前置きが長くなってしまったが(前置きだったのかよ)、今回はそんな私が大好きな俳優マイケル・J・フォックスについて話そうと思う。
バック トゥ ザ フューチャー、そして続編であるパート2、3を大ヒットさせたこのイケメン俳優マイケル・J・フォックスは、パート3撮影終盤に体調不良に見舞われ撮影終了後にパーキンソン病が発覚し数本の映画やドラマに出演後仕事を休止する。
その後徐々に回復の兆しを見せ少しづつ映画やイベント等に復帰したりと復活を喜ぶファンの前に姿を見せる機会を増やしていったが、今年とうとう俳優業からの引退を発表した。
私はこの映画で彼の演技を見てギターを始めた。バック トゥ ザ フューチャーを通してアメリカの文化に触れ、チャック・ベリーやオールディーズの音楽、サミー・ヘイガーやヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、Z Z TOP等のハードロックやニューミュージックを聴き漁り現在の音楽的感性を形成していった(それとは別に小学生時代の80'sヒットの下地もあるが)。
私はスクリーンの中で自由に跳ね回る彼を見て、ひたすらそのカッコ良さに心酔し、更に映画からはチャレンジすることの大切さ、そして高下在心の精神を学んだ。
人生は色々な事が起こる。
それはタイミングや"運"も重要な要素かもしれない。自分の力の及ばないところでどんどん困難が押し進むこともある。
しかしそれを不幸と受け取り潔く諦めるかそれとも試練と受け取り 乗り越える努力をするかでこの先迎える未来は大きく違ったものになる。
そして数々の困難から教訓を得て自問し反省を重ね、未来に役立てることは他でもなく自身がするべき事なのだ。
前向きな事を一切考えられなくなるくらい打ちのめされる時もあるだろう。そんな時は一端立ち止まりこの映画の絶対的なお題目、
「大丈夫、為せば成るだ」
という言葉を思い出して欲しい。
この映画は正に、この一言に尽きる。もちろん作り話ではあるが様々な困難に見舞われたマーティが、決して諦めることなく挑戦し時に短気な自分を発見し自制しながら未来への答えを見つけて行くというストーリーは、実際のマイケル・J・フォックスの人生と被ることが実に多い。
難病の中アルコール依存症という弱さも見せた彼が、家族の支えもあり立ち直り苦境を克服していく。そしてファンの前に明るい笑顔で登場する彼を見かける度に私も勇気を貰う。
そして私達は相変わらずDVDを見返しながら自身の青春を取り戻しまた新たな気持ちで自分の人生を夢見るのだ。
子供の頃夢見た未来へ帰る為に。
またまたキレイにまとめてしまったので自問自答してみる.
「Hello? Hello? Anybody home?」