マイベスト作品を検討する。映画版②
そういえば「フレンズ」というドラマが昔あって。
ロスという男性キャラが一番好きだったのだけれど
その人がなんというかシニカルで性格もこじれていて
プライドも高くて、でも優しくて・・・みたいな人だった。
ロスが友達と寝たい女優ベスト3を列記しあおう、という
話があった。ロスはぐちゃぐちゃうじうじ悩みながら
やっとリストを書き上げる。そうすると、ワイワイやっていたその喫茶店に
悩んでた女優さんが現れる。ロスは「今あなたのこと考えながら
投票してたんですよ!」とマイリストをその女優さんに見せる。
すると「このリストに私の名前はないわ」と言われて
見返したロスが「色々吟味した結果はずしたんだった。でも
あなたと一番寝たいです」みたいなことを言って失笑をかうという
シーンだった。
その気持ちわかる・・・と今思う。
さて高校生の時好きだった映画2位
「ウォール街」
何度かnoteに書いたけれど、獣医か音楽か迷った、のと
もう一つ迷ったのがウォール街に行き株を売り買いする所で働くというもの。その職業の名前さえわからないけれど「よし売った。買った」と仕切る人だ。今やその仕事をやるのは人ではなくなったので、私その道に進まなくてよかったわ・・・。
でもこの映画を観たときはとにかく「NYに行こう」と思った。
昔はやったウルトラクイズというテレビ番組では
「ニューヨークに行きたいかーーー」という問いかけだったけれど
その時の私は「ニューヨークに行く」と決めていた。
なんせかっこよかった。ニューヨーク、ウォール街、証券会社・・・。
根底に何かがあって、そこに映画なり本なりの要素が加わって
私の起爆剤になるわけだけれど、その時私の根底にあったのは
一つはニューヨークで働きたい、があった。
なんでニューヨークかはわからない。アメリカ映画がかっこよかった時代。
ダンスや音楽、全て発信はアメリカだった。ブロードウェイだったりニューヨークだったり。
あとは漠然と父親と同じ大学に通ってみたいという気持ちがあった。父は明治大学の経済学部を出て銀行員になった人だが
銀行員という職種も未知の領域で興味があったし
東京の、有名な大学✨というものに単純に憧れたというのもある。
明治大学に獣医学部はなかったので、そもそも獣医になろうと考えた時点で明治大学は行けないと断念した。でも、株の仕事をするなら経済学部が
いいんじゃないか。経済学部なら明治大学だよね!と一人で盛り上がった。
もう一つはたまたまNHKでやっていた特集に出ていた女性。
日本人女性、ニューヨークの証券会社で働くバリッバリのキャリアウーマンを特集していた。英語も日本人英語じゃなくてネイティブな発音
上司にビシバシと意見を言い、テレビカメラに向かって「この先は
撮影しないでください」とばしっと言ってドアを閉める。
かっこよ・・・・・・・・・と憧れまくった。
これらの下地があってウォール街という映画が見事に刺さったのだった。
そして翌日学校に行き「私、私立文系クラスに行きます」と担任の先生に宣言したのだった。私立文系クラスは英、国、社の3教科しか勉強しないクラスだ。明治の受験科目がなんなのか知らないけれど私立文系の大学だし
そのクラスがいいだろ、と思って言った。
ずっと獣医になると言ってきた私は国立理系のクラスを志望していたのに
急に、ある日突然、しかも「映画をみて」という理由で志望変更をしてきた
私を担任の先生はそれはクールにとめてくれた。
いつまた気が変わるかわからないから、とりあえずせめて国立文系にのクラスにしておこう。そこなら数学も理科もあるしいつ獣医に変更しても大丈夫だからと言われた。
え、私の決心に揺らぎないのに・・・と思いながら一応そこにした。
しておいてよかった・・・ありがとう、その時の担任の先生。
「ウォール街」は金も女も何もかも手に入れたい若い男性チャーリー・シーンが主人公。証券会社で働き、地道に顧客を獲得していくだけの上司を「ださっ」と思いながら働くけれどなかなか自分の芽もでない。
そんな中ウォール街で大成功をおさめている男性マイケル・ダグラスと出会い、自分の父親の航空会社を利用して成り上がっていく。
思った通りの金と女と権力を手に入れたところで「地道に働く男」の権化である父親が倒れ我にかえる。株売買の仕事をしたいって騒いだくせに、一体どういう仕組みのものかはよくわからんのだが
不正な取引をしながら儲けていると捕まっちゃうらしく
自分を成り上がらせてくれたマイケル・ダグラスを陥れる
でもそれは自分も刺し違えることになる・・・という話だ。
当時「コーラス・ライン」というオーディション映画が大好きで
これも何度も見た映画の一つだけれど
それにマイケル・ダグラスが審査員役として出ていて
すんごいかっこよかった。だからマイケル・ダグラスを見たくて
この映画を観たのだったが、まさか自分の将来をかえてしまうかもしれないほどツボにはまるとは思わなかった。
時が経ち我に帰った私は「獣医になる」路線に戻り、深く担任の先生に感謝したのだった。
ところで、この株の取引き場で「はい、売った買った」ってやっている人は
手を使う。両手だ。
あと私がやりたかった仕事の一つにでっかい船の上から飛行機を飛ばす
指令者?(トップガンの最初の映像を思い出してください)というのもある。手をぐるぐる回して「はい、行け」「はい、君はこっち」って指示する人。五十肩で左肩が上がらない現在、それらの仕事はできないよなあ・・と考える。オリンピックで柔道の試合を見たときも「今の私だと審判はできないな。左の人、勝った!って言ってあげられない・・」と思った。
五十肩って仕事の幅も狭くするよね、と思った次第。