見出し画像

ビーキーパー

ジェイソン・ステイサムの映画である。
ジェイソン・ステイサムの映画は彼の設定がどうあれ
とにかく悪い奴をぼっこぼっこのめっためったにしてくれる。
ジョン・ウィックやデンゼル・ワシントン演じるイコライザーは
「ほんとにそんな所に乗り込むの?1人で大丈夫?」と不安になってしまうことがある。実際ジョン・ウイックは全盛期は「ペンシル1本で敵をやっつけたすごい奴」という評判の「引退した」殺し屋なものだから
衰えが隠せない。デンゼル・ワシントンだって奥さんが亡くなって
殺し屋から引退したけれどある人助けをきっかけに「必殺仕事人」に復帰しました。みたいな人なのでこちらも引退組。
ジェイソン・ステイサムも今回は「殺し屋」=ビーキーパーをやめて
本当のビーキーパーをやっていたけれど、恩人の仇をうつために復帰した
復帰組。あれ。こちらも復帰組であったけれど、なんだか彼に不安要素はない。すごい所に1人で乗り込むけれど
「うん。あなたなら大丈夫。行っておいで」と言いたくなる安心感。
実際ボコボコのめためたにやっつけてくれた。

ちなみにビーキーパーとは養蜂家で、この人普段はミツバチから蜂蜜をとって生活をしている。平和なミツバチの世界に時々入り込むスズメバチが
その生活を脅かすのだが、彼にとって現実社会の敵もスズメバチみたいなものらしい。

今回、脅かした相手は主にお年寄りをだまして大金をせしめる
若いボスが経営している会社だ。この会社が、まあほんっとにあくどくて
「あーーそうやったらそうなっちゃうよね。そこでパスワード教えたら
やばいことになるのはこちらはわかるけど・・・ああ、教えちゃうよねえ・・」と見ている間に、お年寄りはまんまとパスワードを電話口で
嘘泣きしている兄ちゃんに教えてしまって、教えた3秒後ぐらいに
口座のお金はゼロとなっている。という仕組み。
この若いボスのお母さんがすごい大物で、その大物のもとに乗り込んでいくジェイソン・ステイサムという話だった。

とにかく爽快。なんの憂いもなし。
やっつける相手も本当にひどい奴らだからどんどんやってください、と思える相手なので「はーーすっきり!」という映画であった。

ところで、この、今時の詐欺。
私も一度引っかかってしまった・・・💧
多額ではなかったにしろ、やはり言われている通り巧妙で
すぐに支払いに行きたくなってしまう手口であった。
私は詐欺もイヤだけど同じぐらい警察も嫌いだから
結局どこにも相談しなかった。
相談したところでどうにもならないのもわかっていたし
詐欺被害10001件が10002件になるだけだろうなーと思ったら
まあいいやと思ってしまった。

新聞を読んでいると今日も50代の女性がロマンス詐欺に引っかかり
数百万円の被害、と載っていた。
同じ年代の女性、ロマンス詐欺ということで
妙に「心中お察しします・・・」という気持ちになってしまった。
どんな気持ちにつけいってもダメだけど
恋愛感情までも詐欺に使われるって切ない。
もうその女性は誰かと出会う度に「これもまた詐欺?」って思うだろうなと考えると今後の恋愛事情にまでも被害が及ぶ。

昔、本当に幼児の頃、久々に家にいた父にびっくりガムというものを
あげようとしたことがある。
一見ガムのおもちゃで、一枚引っ張って取ろうとするとバチンと指を挟まれるという物。ガムは食べられない上に痛い思いをさせるという
地獄みたいな人をだますおもちゃだ。
これを何かで手に入れた私は父親に「お父さんガム食べる?」と聞いて
差し出した。父は満面の笑みで「ありがとう」と言って手を出そうとした。
幼児ながら「この満面の笑みの父にいたずらをすることはできない」と
瞬時に判断をして「ちょっと待ってね」と言って
本物のガムを持ってきてそちらをあげたことがあった。
父が「え?どうしたの?」と聞いたかどうかは記憶に定かではないが
そういう細かいところに気づくタイプの人ではないのでたぶん
私がいたずらおもちゃで何かを仕掛けようとしていたことはわからなかったと思う。
そのおもちゃは「これは使ってはいけない」と思いどこかに片付けたか捨てたと思う。それ以来そういう「たったらーーー♪どっきりでした」系の
おもちゃを使おうとしたことも、テレビで見ることもイヤになってしまった。
一旦見せてくれる人の嬉しい顔を一瞬にして「え?」ってさせるどっきり。
一瞬悲しませておきながら「嘘でしたーー」と思わせるどっきり。
どちらにしろ一旦人を悲しませたり驚かせたりするには違いない。

そんな、身も蓋もない・・・ただの冗談じゃないと言われればそうなんだけれど。
そして私はほんとに心優しい人間ではないから、なんかこういう話をして
「善人っぽい」と思われることも、そういう善人アピールと思われることも
全拒否したいのだが、とにかく性に合わないのだ。
家族がテレビでそういう物を見て爆笑していても私はスススーと
その場を去る。前なら「こんなん見てなにが楽しいの?」の一言ぐらいかましてその場の空気を凍り付かせていたのだがそれはやめた。これこそ私の優しさである笑

というわけで、びっくりガムの件以来、人を驚かせる的なことが
嫌いになってしまったので
今時の詐欺集団の人々が「好きと思わせてだます」とか
「かわいそうと思わせてだます」とか一旦人を嬉しがらせておきながら
突き落とす、その心情が
・・・・・・
である。
まあ詐欺集団だから人じゃないんだろうけれど。

ロマンス詐欺被害にあった女性のもとにビーキーパーが現れて
犯人を見つけ出しボコボコのメタメタにやっつけてくれることを
願う。


いいなと思ったら応援しよう!