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すずめ

昼間手術をしていたら人が入ってきて「これ取れますかね?」という声が聞こえてきました。私は手が離せなかったし顔も上げられなかったのですがスタッフが言うには郵便局の制服を着た方が連れてきたそうです。雀、しかもトリモチにピタっとくっついた状態の雀です。

とりもち。ネズミ、鳥類をくっつけるための物です。とりもちの目的としては成功だったのでしょうが郵便局員の方はどうにも放っておけなかったのでしょうか。
翼をめいいっぱい広げてくっついてしまった雀でしたが、さてどうしたものか。「何でとりましょうか」とスタッフが聞きました。

🐤ネットで医療品を買うことがありますがその時に目についた物を買ってしまって、特に目的意識もなく買っちゃうので届いた時にテキトーにどこかに置く→そういえばアレ買ったよなと思った時はどこにあるかわからない→また買う→上記↑を繰り返す
で、この前棚を整理していたらたぶんそういうループで買ったと思われる物が5個発見されました・・・🐤

で、同様のシリーズでふと買った「リムーバー」なる物。術後の傷を覆うテープなどをはがす時に使うものらしいのですが、それをこの日の前日にたまたま思い出して使ったわけです。いつもならどこにいったっけ?となるのにその日は奇跡的にあるべき所に収まっていて、しかもすっごく剥がせる!キレ味抜群な代物だったわけです。でもこういう物のキレ味の感動ってあまり共有できなくて、たまたま同業者と話す機会があれば絶対おすすめする物だったのですが、そういう機会もなかったので心の中で「これ、すごい優秀なんじゃないか✨」と思ったわけでした。

そしてスタッフが「何で剥がしますか?」と聞いてきたわけですから、ここはその優秀なリムーバーの出番なのでした。そのスタッフがまた賢くて「先生、この雀、病院内で剥がしちゃったら飛んで捕まえられなくなりますよね。外でやってきますね」と言って外に出て「私の指がくっついちゃう」と言いながらもやってくれていたのです。私は手術を終わらせて雀の元にいき、リムーバーを少しずつ羽に垂らしていくと本当にみるみるはがれて、そしてあっという間に雀は飛んでいったわけでした。正確に言うとそのスタッフの車の陰に飛んで行きました。帰るときにその雀轢かないでねと言って処置は終了。

郵便局員の方はお仕事帰りに寄ってくれて「飛んで行きました」とお伝えするとほっとしたようでした。

飛んで行った瞬間、夫もそばにいたのですが3人で「おーーー!」と歓声をあげたぐらい嬉しかったです。リムーバー、いつもならどこかに入れられて数個貯まってしまうような物をたまたま前日に思い出し、しかもめっちゃ優秀、そして次の日、くっついた雀。
リムーバーを使うように仕組まれたことなのか、雀が「あそこなら今剥がせる物あるぞ!」と来るべくして来たのか
割とこういう偶然が嬉しかったりします。

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