ワンゲルの部室へ
横浜で部活の先輩後輩、同期と会うことができた。
娘のピアノコンクールで横浜に行くことが決まったときに
後輩に連絡をとり、色々手配をお任せ。
スムーズに会うことができた。先輩は急用でこの同窓会には合流出来なかったが、娘のピアノを聴いてもらうことができ(不甲斐なかったけど)まあ満足。
今何やってるの?と昔話が交互に出てきた。
ずーっと独り身の同期→今もずっと独り身らしい。
「親を放って遠くには行けないでしょ」と言い切って、ずっと地元で
仕事をしているらしい。
私は一人っ子にも関わらず親の面倒を見るということは全く考えていないから「親をみることが当然」と言い切る同期を見て
「・・・この人昔からこういう人だったな」としみじみと思った。
奥さんと娘さんの3人暮らしの後輩。寡黙で真面目で気遣いの人。娘がかわいくて仕方がないと言っていた。娘の写真を皆に見せる彼の姿が見られるとは!
うちの娘をホテルに置いて再合流しようと思っていたけれど
スギさんの娘さんも一緒にご飯を食べましょうとひたすら言い続けて
うちの娘を一人にしないように、ずっと心がけてくれた。ありがとう♥
前の奥さんと別れて二ヶ月で新しい人と出会い、新しい人の娘さんとも
一緒に暮らし、来月には入籍するという後輩。
前の人との結婚は20年続いたという。
私、今の夫と別れたらたぶん誰もいらない。猫と本とピアノと映画があればそれでいい。そう思っているから
別れる→出会い、はまだわかるけど、更にまた結婚しようと思う、その
パワーがすごいねと言った。
そこからちょっとした下ネタをぶちこんできた後輩。
私もうかれこれ数十年、下ネタがめっきり苦手になってしまったのだけど
気持ちが昔に戻ったせいか彼の下ネタはまだ受け入れられた笑
「スギさんが結婚して一人の人と今まで来たっていうのがちょっと信じられないですねえ・・・昔のスギさんだったら、もうすでに4人ぐらいと
結婚してそうですけど・・・ごもごもごも」と言っていた。
確かに。私もそれはそう思ってた。私の忍耐力が育ったのか夫の苦行の成果か。
彼らと会っていた数時間。
昔に戻った、だけではなく、何十年もお互いそれぞれの生き方をしてきて
変わらないままだけれど、なんとなく
「歳の優しさ」みたいなものが加わって、本当に居心地がよかった。
彼らがどうだったかはわからないけれど。
横浜は情緒があってキレイで本当に素敵な街だった。
その街で彼らに再会できてほんとに楽しかったし嬉しかった。
運動が苦手だった私が、急に「山に登る」と言い出して
大学時代、山とワンゲルにのめりこんだ。
何より大切な場所だった。
昔から私を知っていた友人や親は「なんで急に山?」と驚いていた。
大学に入学して、どこの教室を覚えるより先にワンゲルの部室の場所を覚えた。
今でもそうだけど、昔から私がいる場所は常にマイノリティのカテゴリーだった。ワンゲルはそんな人たちの集まりだった。
マイノリティが集まったからと言って決してマジョリティになるわけではない集団が心地よかった。
熱くなって喧嘩してお酒を飲んで恋愛をしてひたすら山に登った。
6年間それだけをやっていたかもしれない。
すっごく恥ずかしいことも沢山やったけれど、何一つ隠すこともできないことを横浜で再会した彼らには知られていて
もう恥ずかしいという気持ちを彼らには抱かない。
あの時、ワンゲルの部室にまっすぐ向かった私を褒めてあげたい気持ちになった夜だった。