ピョートル

どろどろに疲れたキャンプの帰り、コンサートに行ってきました。だって
その日しかやってないんだもの。
キャンプのあと仮眠をとって、着替える気力もなかったので
キャンプの格好のまま、コンサートにあるまじき格好で娘とコンサートへ。

絶対疲れて寝るだけだろうと思っていたのに何故行ったのか。
それはピアノ協奏曲のピアニストが「松田華音」ちゃんだったからです。
ちゃんをつけるにはすっかりきれいな大人の女性ですが
私がYouTubeで見つけた華音ちゃんは、それはかわいい女の子でした。
小さい頃から突出した才能があった華音ちゃんは早い内にロシアに留学していました。
ロシアに留学していたときの演奏動画を見てすっかりファンになってしまったのですが、何がよかったって
ロシアの建物だからなのか、コンサートホールみたいな場所が
ほぼ廃墟。廃墟マニアの私にしてみたら、華音ちゃんが演奏している姿の後ろにうつる壁の廃墟っぷりが、もうどうにもたまらず。
果たして本当に華音ちゃんがよかったのか?と聞かれると
確かに最初の動機は不純でしたが、そのうち本当に好きになりました。
ルックスもその一つ。本当にきれいなんです!色も白くて髪も美しくて顔もきれいでピアノも素晴らしくて「え、こんなに色々もってていいの?」とたいていは思うわけですが、華音ちゃんはしょうがないですね。

どちらかと言うとアルゲリッチみたいなパワフルなピアニストが好きなのですが、華音ちゃんは動画でみる限りは線が細いイメージ。まあでも華音ちゃんだからいっかと思って行ってきました。

今回演奏したのはチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。
去年、ピティナコンクール特級ファイナルという、コンクールなんだけど
コンテスタントがオケとコンチェルトを演奏して最終順位を決めるという
コンサートみたいな催しがあり、それを現地で聞くことができました。
その中で4人中2人がチャイコフスキーを演奏したのですが、中の一人は
オケに負けてしまったのか、ピアノの音がほぼ聞こえないという方もいました。
曲が曲だけに、オケパートも全力、ピアノも全力みたいな導入なので
華音ちゃん、大丈夫かしら・・とプロのピアニストを前に
心配していましたが・・・・・
いやあ。素敵でした。
オケに負けるとか、そんなこと考えてごめんね、というぐらい
しかも「細い音」というイメージだった華音ちゃんの音は、深く太い
大人の音になっていました。最初の方はちょっとオケとのやりとりがぎこちないところもありましたが、最後まで「素敵♥」と思わせてくれる演奏でした。

この曲の序奏があまりに有名で、途中からその部分が完全になくなり
すこし悲しい軽やかな印象深い旋律になるのですが、
たいして考えて聞いてなかったものだから、その部分がテーマだということを今回プログラムを見て初めて知りました。どうりでその部分が
繰り返しでてくるわけだわ・・と思って。
ずっと「あの有名なとこ最初だけかい!」と思ってたら、そりゃそうだ
「序奏」だもんね・・・。
というわけで、この曲の謎?もとけましたし、美しい華音ちゃんも見ることができて大満足でした。

そして二部は同じくチャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」。
交響曲はあまり聴いたことがなく、たぶん知ってるけど
「こんな曲」って鼻歌は歌えないレベル。
ほぼ先入観なしで聞くことができました・・・・

素晴らしかった・・・。
オーボエの美しさ、ファゴットの響き、ホルンの深さ・・・
髪あまりないけど髪を振り乱して演奏するチェリストのおじさま。
銅鑼、1回ぐらいしかたたかれなかったけれど、タオルがかけてあって
はずして銅鑼ならしてまたタオルかける。銅鑼の扱い、めちゃ丁寧!など。

プログラムを読むとこの曲の初演数日後に亡くなったチャイコフスキー。
自殺説もあるらしいけれど、この曲のできがあまりにもよかったため
「我ながらこんなに良い曲出来たなんて嬉し♥」みたいなお手紙をお友達に送っていたらしいので、その直後に自殺することは考えにくく。
コレラで亡くなったそうです。
自他共に認めるこんなに素晴らしい曲を作ったあとに亡くなってしまうなんてどれほど心残りだっただろう・・・・と
悲壮の旋律に乗せてチャイコフスキーに思いを馳せました。

キャンプでぐだぐだどろどろに疲れていましたが、
「行ってよかったよ・・・・」と心から思いました。
同じキャンプに参加してへとへとだったはずの友人も
私がこれに行くよ、と帰り際にお話したところ「え!知らなかった!」と
言って当日券を買って来たそうです。彼女も相当な音楽好き仲間です♬

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