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両親のこと

両親が家を売って賃貸マンションに引っ越すという話が
進んでいるようで進んでいない・・のかな。
家は売れていないが、今年の除雪は免れたいので秋までには
引っ越しを済ませたいということで
賃貸マンションを探してもらい、決めたらしい。

離れたところに住んでいる私ができることは、というと
ネットで検索したり、不動産屋さんとメールでやりとりする程度。
結局は当事者同士が話さないといけないし、あと、私は知っている。

患者さんで、いつもはお母さんが連れてくる犬。でも本当の飼い主は
遠く離れた所に住む娘さんだと言う。
私から見れば「今飼ってる人」が飼い主だろうと思う。
だってお金を出す人が誰であれ、お世話をして、犬の状態を把握しているのは一緒に暮らしていないと無理だからだ。
何かを決めなければいけないときに
「娘が来たとき一緒に聞きます」と言うことがあるのだが
そういう場合の「娘」が来た時、ほんと態度がでかいのだ。
「で、治るの?」「いくらかかるの?」
初めて会って急にため口聞かれて、上から物を言われることなんてざらだ。
私は大人じゃないから、そのような失礼な態度をとられたとき娘の顔は見ない。

と、話はそれたが、何を言いたいかって
当事者じゃない「娘」が登場したとき、周りに与える嫌な雰囲気を
よーーく知っているのだ。
だから、親が関わる不動産屋さんをネットで見つけたり
メールをしたりすることはするけれど、その場に立ち会ったときは
極力私は口も顔も出さないようにしている。

で、これらのこと以外にできることは、重い本をうちに運んで
処分すること。これはもうほとんど終わった。
私が使っていた物はもうほぼないので、あとは両親が使っていた物を
両親が「いる、いらない」を吟味して片付けてもらうしかないのだ。

あとは地下の物を夫が吟味して必要なら持って帰ってくる
神棚をうちがよく行く神社に頼んで処分をお願いする
重い物を2階から1階に下ろす
など、これらは私と夫が休みをとって、向こうに行くことにした。

本当ならもっと足繁く通うべきなのかもしれないが
毎週末が子供の用事と自分たちの仕事でうまっているのだ。
平日に休みをとって、その日にどうにかできる限りのことをするしかない。

私が育った家、私がお世話になった両親
でも離れて暮らす私が全てのことをしてあげることはできない。
お金のこともだ。

先日電話がかかってきた母親は
「困ったら頼むね」と言って、老後の資金はない、
ないのに引っ越しにあたって、また大きな買い物をした。
うちの父はバブル時代の銀行員なのでもらっている年金は
たぶん相当な額だろう。それで今まで余裕で暮らしてきたけれど
今は二人とも働いていない、母より割と年上の父親のことを考えれば
どう考えても父が先に逝くだろう。そうなったら母親が暮らす
資金はどうするつもりなのか?
「え、そしたら家が売れたお金で暮らすよ。マンションだって
狭いところに引っ越さないといけないし」
「そしたらまたお金かかるんだよ。なのに、なんでそんな
高い買い物を今するわけ?」
「だって必要だと思ったから。あんただって、私とたいした
変わらない金遣いしてるじゃん。あんたには言われたくないわ」と
言われた。

そこは否定できない。私の金遣いは荒いなんてもんじゃない。
お財布には底がついていない。

ただ、母と私の決定的に違うことは、今私は働いているということだ。
これから母のように生活して同じ道をたどるかもしれないけれど、
とりあえず今の生活は夫婦でまかない、遊びも夫婦が働いたお金で
どうにかやっているつもりだ。

これから父と母で生活の規模を小さくしながら暮らしていかねば
ならない自覚もない。
指摘すれば逆ギレ。
一人っ子の私が親の老後についてお手伝いすることは当たり前なのだろう。
世の中には同居して看取ることまでする人がたくさんいるのだから
私がやっていることなんて、「やっている」うちにも入らないだろう。
でも私には私の生活と人生、両親には両親の人生があると思っている。

仕事中に電話してきて、勝手なこと言って逆ギレされたので
私もほんとに頭にきて電話をたたききった。
「私が悪かったかな」なんて思うような母親ではないので
今頃怒り狂っているだろう。そういう母を「まあまあ、お母さんにも
悪いところがあるのでは?」ととりなす父ではないのだ。
100%母親の味方だからだ。

でも「もういいわ。あんたには頼まないで自分たちでやるわ」という
力がないことを両親も私もしっている。
だから「もういいわ」って電話をかけてこないのだ。10年前なら
絶対かけてきたはずだ。

年をとった両親の力にはなりたいけれど、
もう少し考えて行動してくれないだろうか。

引っ越すからって物を捨てまくってるのに
なんで買い物するかな・・・。

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