源博雅と蝉丸
中学生の相聞歌やら短歌の本を立て続けに読んでいたので
百人一首の本を無性に読みたくなって読んでいる。
私、時々そういう波がくるようで、ちゃんと本を買ってある私って偉い✨
田辺聖子さんの本を読んでいるのだが、解説が面白い。
その中に蝉丸「これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関」
の解説があった。蝉丸はのちに琵琶法師になり、蝉丸しか知らない曲を
奏でるらしい。音楽好きの源博雅がその曲を聞きたくて密かに蝉丸の元に通うがなかなかその曲を奏でない。3年通った頃
もののあはれの夜、蝉丸が「ああ、こんなあはれな夜に音楽好きの誰かと
話がしたいなーー。そんな友達がいれば盛り上がるのになあ。誰かいないかなあ」と言ったそうな。
それを外で聞いていた源博雅が「僕、音楽好きです!そしてあなたの歌が聞きたくて3年通いました」と登場。蝉丸と博雅は大いに盛り上がり
ついにあの名曲を奏でて博雅感激!となったらしい。
さて、まず私最近「本の友達が欲しい」と心の底から思っていて
そのことをnoteに書いたばかり。でもそれが異性だったりしたら面倒なことになるのかなあ。純粋に本を語る友達が欲しいだけなのにな。男も女も関係ないのにさ、と思っていたところだったのだ。
こんな年になって「友達を乞う」って変?とちょっと思っていたところに
蝉丸の話!
昔昔昔昔の蝉丸さんだって、素敵な夜に「音楽の話ができる友達いないかなあ」って思ってる。しかも外にちょうどいい人いるって!いやーーーうらやま!!
でも「ですよねええ!」と思ったのだ。
ほんとに会わなくてもいいから、LINEとかでいいから
「今めちゃ面白い本読んだ」
「え、なんて本?どんな話?」
「いやーー出てくる男がめちゃくちゃ好み!」とか
そんな話をしたいだけなの。そこから派生して昔の恋の話も出てくるかもしれんし、相手の好みの異性の話も出てくるかもしれんよ。それはそれで楽しいじゃない。そんな友達が欲しいの~~~って
めちゃくちゃ蝉丸さんに共感。
さらに、この源博雅って人がよい。
というのは、私あるゲームをやってから「陰陽師」にはまり
一時期その類の本ばっかり読んでいたことがある。
で、行きついたのが夢枕獏氏の「陰陽師」だったわけで、
シリーズはほぼ読んだ。安倍晴明という陰陽師が「ちょっと今暇だから
お酒飲みにおいでよ」と呼ぶ相手が源博雅なのだ。
音楽が好きで「ちょっとなんかいい曲やって」と晴明に言われて
「じゃあ今日はこの曲❤」という感じで演奏してくれるのが博雅氏なのだ。
気のいい男。晴明も「博雅はいい奴だなあ」っていつも言ってたし。
そんな博雅さんが3年通い詰めた蝉丸。念願かなって蝉丸の琵琶の名曲を聴けてどれだけ嬉しかっただろう。
蝉丸も「だれか友達いないっかなあ」と思ったらめちゃ音楽好きの男が外にいるなんて、なんてラッキーー。
という話をさっき読んで感動して書きなぐりました。
うちの外にも「本の話しましょうよ」って人いないかなーーー。
ってかいたら怖いけど。