見出し画像

6月12日

一番長いお付き合いだったワンちゃんが亡くなりました。18歳でした。
飼い主さんとお会いしたのは、あるワンちゃんの安楽死の場面でした。安楽死をしたワンちゃんの飼い主さんとお友達だったらしくその場にいらっしゃったことを覚えています。当時は往診のみで診療を行っていましたので、その方のおうちにお邪魔してワクチンを打ったり診察をしたりしていました。
子犬の頃、間欠的な嘔吐があるという話でしたが深追いもせず様子をみていたら、半年後ぐらいにビー玉が出てきたよ!とか、飼い主さんの娘さんがバランスボールでダイエットに成功したという話を聞いてその足でボールを買いに行ったこととか、近所のでっかい犬に突然飛びかかって行って返り討ちにあい瀕死の状態になったとか、もうダメかもダメかもと言いながら18歳の誕生日を先日むかえました。今でも決して有能な良い獣医ではないけれど、開業当初は本当に手探りで仕事をしていました。そんなこと、飼い主さんはよくわかっていらっしゃったと思うのにずっと辛抱強くお付き合いしてくださいました。最後の最後まで「先生ありがとう」と言ってくださいました。その飼い主さんはお一人でお子さんたちを育てていたシングルマザーですが、お子さんが巣立ってもずっと働き続け、その方が「ちょっと休憩中」と言っているところをみたことがありません。その方のように私も働き続けたい!と思っています。本当に愛らしくて愛おしいワンちゃんでした。とても寂しいですが、良い出会いと優しい思いを与えてくださった飼い主さんとワンちゃんに感謝しています。6月12日の早朝のことでした。

いいなと思ったら応援しよう!