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今年もコンクールが始まりました

先日、娘のピアノコンクールの予選がありました。

ピティナピアノコンペティションというものです。
5~7月に全国各地で予選が行われます。
参加する級を決め、予選会場を選択し、2カ所受けることができるので
2つの会場に週末向かいます。
予選を通過すると8月に地区の本選が行われ、そこで上位入賞すると
8月中旬の全国大会へと駒を進めることになります。

今をときめく「かてぃん」さんや「亀井聖矢」さんもピティナの常連さんでした。

コロナ渦ですっかり華やかな表彰式は影をひそめましたが
当時はコンクールが終わったあと、それはそれは華やかな式がありました。
子供の出番が終わったあと「入賞したか入賞していないか」ぐらいの情報は得られるのですが、実際入賞なのか、全国に行けるのか
それは表彰式に行かないとわからないのです。
ですから、本選は3日空けて二つ行われるので
8月1日 北日本1 本選
8月3日 北日本1の表彰式
8月4日 北日本2 本選
8月6日 北日本2の表彰式

というようなスケジュールで、これがうちから2.5時間ぐらいかかる札幌で行われるので週に4回そこに行く羽目になる。
更に、別のコンクールもはさまることもあり、
「私、今週何回札幌きたっけ」と遠い目になることもありました。
入賞はしたけれど「奨励賞」だった場合、トロフィーもなく
賞状のみ。この紙1枚のために来たのか・・・帰ろっか・・って
ことばっかり。
ちょっと寂しい気持ちで自宅に向かったら、ちょうど地元の花火大会の日で
花火を見ながら「来年も頑張ろう」と娘と言ったこともあったっけ。

という、ちょっと夏の風物詩的な面白いコンクールなのです。

娘は連弾では全国大会に行かせて頂いたことがあるのですが
ソロ部門では行ったことがありません。
同じ教室の同級生の女の子は全国大会に行っているので
毎年、悔しい、寂しい、せつない気持ちを味わっているようです。
まあ、それなりの練習だからしょうがない。
でも、その気持ちはわかる。

さて、今年もそのコンクールが始まりました。

娘は今まで楽譜を見てパッと譜読みをしてさらっと弾く、という
ことの繰り返し。歌心はあると思うので、歌うように弾くことは
できるのですが、音楽について勉強したり、音楽を聴いたりすることは
ほぼないまま過ごしてきたので、その音楽に厚みというか
深みがない。ピアノの先生に「鼻歌みたいな音楽だね」とよく
言われていましたが「うまいこと言うなあ」と思っていました。

そんな彼女ですが、今年の発表会でショパンの「雨だれ」を弾いた時に
「音って自分で聞いて作るんだ!!」と、やっと気づいたようなのです。
ただ、鍵盤の上に指を置いて鳴らしていただけの音が、少しずつ
かわってきました。
今まで、どれだけ聞けと言っても聞かなかった音楽も自ら聴くようになりました。聞いて鳴らして、弾いて聞いて、聞いて弾いて・・・ということを
一音一音、そして次は和音にして、次はメロディをというように
黙ってピアノと音楽と向き合う日が増えました。
もちろん「ただ弾く」だけの日も健在ですが笑

そして春にコンクールの課題曲が発表になり、
予選の曲を自分で選び、その2曲を彼女なりに分析し
色々な音楽を聴き、音を作り、今回予選がありました。

バッハ 平均律1巻5番
プロコフィエフ ロミオとジュリエットよりマキューシオ

の2曲です。

土曜日の予選会場では今までやってきたことを
思う存分発揮する!ではなく、一番うしろの客席にいる人に
届くように弾いたそうです。たまたま、私が一番後ろにいたので
私に届けてくれました笑

このコンクールは5人の審査員の先生方が
たった数分の演奏の間、ものすごい早さで、紙いっぱいに
講評を書いてくださるのですが、
そこには「マキューシオ。バレエの舞台をみているようでした」という
言葉が。
マキューシオの踊りを実際YouTubeで見ながら
今回の演奏のイメージを膨らませたそうですから、その甲斐がありました。

コンクールは結果を得るためではなく、
その過程に意義がある、という言葉は何度も聞きました。
そうは言ってもさあ、結果が出ないと辛いもんだよ・・・と
思いながら付き合ってきました。

今回の結果は良いか悪いか、それは夏にならないとわからないけれど、
確実に去年とは違うピアノを聞くことができました✨

「素敵なピアノを聞かせてくれてありがとう」って
言うとお思いでしょう。んなわけないです。
「気づくの遅っっ!!!」これに尽きます。

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