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夫の対応

ところで夫はどうだったかというと、もともと大変おおらかな人なので、娘についてもありのままに受け止めていて、常に娘に対しては見守るスタンスでいました。

私の方が、「ねばならない」という気持ちが強いので、私が感情の波に翻弄され、気持ちが乱高下している時にもすべてを肯定してくれていました。

娘は夫とも仲のいい方なのだと思いますが、思春期ということもあり、体の事、心の事、クラスの友達のこと、細かな感情の部分の話は私にしかしません。
その為、時々娘についてや本やサイトの情報を共有していました。

娘が言うには、いじめなどは特にないし、友達はやさしい。勉強も難しいものはあるけれど(娘はマイペースで課題の提出もいつも苦労はしていました)嫌いなわけじゃない。とにかく学校が嫌だ。学校にまつわるすべてが嫌だ。友達も嫌だ。(あれ?)先生も全員嫌だ。苦しくて本当に気持ち悪くて、登校しても授業どころではない。と。

学校でいったいどんな様子なのか。私たちは全然わかっていませんでした。先生に学校ではおとなしいです。と言われてもそれほどとは思っていなかったのです。
そもそも家では口も達者で、兄や父に対して暴君とも言えるくらい強く元気な女の子だったからです。

しかし娘から漏れ聞いたり先生の話を総合すると、娘は学校で特に仲のいいお友達と話すとき以外押し黙っていて、不登校直前のあたりになると休み時間はおろか、授業中もほぼ突っ伏していたのだとか。

正直、私はこの弱弱しい娘に対して、どう対応したらいいか皆目見当もつきませんでした。

おそらく本当のところ娘の気持ちなんてこれっぽっちもわかっていなかったからだと思います。

私は本心では、弱い。弱すぎる。友達なんか一人もいなくたっていいじゃん、一人で居たい時だってあると言っていたのに、なぜ学校に行けないの?ちょっとぐらい我慢しようよ。と思っていました。

娘は学校で誰かの柔軟剤の匂いや、前後の席にたむろするクラスメイトの距離や、話声がとても気になるらしく、気分が悪くなるという、いわゆるHSPらしいということもわかってきました。
それはなんとなくそういうところがあるなとは思っていました。でもそれは社会に溶け込むべく、なんとかしていかなければいけないことで、なんとかなるとも思いました。

なぜなんとかなると思ったかと言えば、何を隠そう私も子供のころは、同じように感じることがあったからです。
子供を産んで40台も後半になれば、様々な対処法を身に着け、気持ちの切り替えも上手になり、さほど生きていく上で気にならなくなっていたので、娘も思春期のもやもやを通り過ぎればきっと対応できるようになると思っていたのです。

すると夫が面白い本があった、と漫画を紹介してきました。

「繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家」というおがたちえさんの本です。これを読んで夫は爆笑したらしく、しきりに勧めてくるので何気なく読んでみると、夫が勧めてきた理由がわかりました。

夫はこの漫画を読んで、まんま”私”だと思ったのでした。


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