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seagrapesssss
小噺】屋守りの呟き
伊助の煩悩
伊助
の悩みは
如何にして
賭け事から
足を洗うか
であった
伊助は
塀の縁に
屋守りを
見つけた
「なぁ、屋守りよ」
伊助は
神にも
縋る思いで
屋守りに
語りかけた
「どうやったら博打をやめれんだ?教えてくれよ」
半分泣きながら
伊助は
塀の緣に
張り付く
屋守りに
語りかける
唐突に
辺りが
暗くなり
伊助は
意識を喪った
【ヌシ】
が言う
{伊助よ、お主の家には長年住まわせてもろうておる故に、助けてやろう}
{時戻しの時計}
{伊助よ、目覚めたらお主は三十年前の記憶にまで戻っておる}
{二度と誤ちを繰り返すでないぞ}
伊助は
目覚めると
自分が
何者で
あるかも
忘れていた
伊助の煩悩 完
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