運送が日本を支えている【Day31】

(この内容は2020/12/2のことを書いています。)

移動の軌跡:稚内→紋別(総移動距離:224km!)

今日は正直厳しい戦いになると覚悟していました。なぜなら、オホーツク沿いの道北地方(宗谷、猿払、浜頓別、枝幸、雄武)には大きな市街地がありません。さらに冬季で閉まっている宿泊施設も多く、前日予約で泊まれる宿は1~2つしかないのです。

前日の夜は、ゲストハウスの方にも相談に乗ってもらい、最悪のシナリオを中心に、様々なプランを立てていました。ヒッチハイクにも制限時間(1時間と少し)を設けて、無理だったらバス+徒歩で移動する予定でした。

ヒッチハイクのタイムリミットが残り10分を切るあたりで、1台の長距離トラックの運転手さんが、「浜頓別(自分の掲げていたボード。稚内から90キロ)までいいよ」と言って、乗せてくださいました。

運転手のお兄さんは、稚内から紋別までお仕事で向かう最中でした。

「紋別(稚内から230km)まで乗ってくか?」そんな奇跡みたいな提案に甘えさせて頂いて、流氷の町・紋別に到達することができました。

230kmがどれくらいの距離かというと、横浜から長野(240km)くらいの距離です。神がかってます。

トラックの車内では、実に沢山のお話を聞かせて頂きました。

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↑乗せてくれた長距離トラックのお兄さん。

物流に携わる方は本当にすごい。

今日乗せてもらったお兄さんは、毎日20トンもの荷物を運んでいると仰っていました。
象何頭分なんでしょうね🐘
一昨日は札幌から稚内までタラを20トン運んだそうです。1つ20kg程の箱を約1000箱、一人(!)で積み下ろししているって仰るから本当に驚きです。

雨の日も雪の日もトラックは走り続けます。なぜなら物を必要としている人が各地に存在するから。

「Amazonでワンクリックすれば、商品が届く」

お兄さんと話すうちに、日常は色んな方の努力で成り立っていることに、少しだけ気付くことができました。インフラを構築するって、凄くカッコいい。

お兄さんがカッコ良すぎた。

僕の6歳年上のそのお兄さんは、若くして会社の重要なポジションを担っているらしく、順風満帆に見えました。でも決して最初からそうだった訳ではありませんでした。
様々な職業を経験し、組織での軋轢や謂れのない流言、上司の高圧的な態度に苦労した過去があったと仰っていました。そんな中でリスクを取り続けて挑戦し続けた結果、”今”がありました。

お兄さんのお話の中で印象に残った言葉が2つあります。
1つ目は「運送業は人と人との信頼で成り立っている」という言葉です。
運送の仕事にも、高額な案件から赤字の案件まで多様なものがあるそうです。割りのいい仕事だけでなく、時には赤字の仕事だってやる必要がある。なぜなら、持ちつ持たれつの関係だから。そう仰っていました。

電話で、取引先の方と楽しそうに会話されていたり、常に楽しそうにお仕事している様子をを拝見していると、
お金より大事なものってあるかもな」って少し思いました。

2つ目は「現状は当たり前じゃない」と言う言葉です。

「毎日3食ご飯を作ってもらえること」
「大学に通えること」
「大切にしたいと思える人がいること」

どれも当たり前じゃないかもしれないなぁ。

世の中の趨勢として、長距離トラックの運転手を目指す若者は減っているそうです。そんな中でも、若者が楽しく働ける職場を作りたいとお兄さんは仰っていました。お兄さんが、そしてお兄さんの職場が将来どうなっていくのか、微力ながら応援させて頂きたいと思います。

お兄さんから、本当に色んなものを頂きました。この経験は自分にとっての財産です。そして書きながら少し泣きそうです。本当にありがとうございました。

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↑ここで揚げたての蒲鉾をご馳走になりました。格別でした。。

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