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”模様を見つける” 生き方

社会人生活も、もう5年目ですが、学びの連続です。
学生の頃は、性に合わなかったり向かないなと思ったりした場面で、目を逸らせば済んでいたことも、
仕事は責任がともなうので、逃げずに向き合う必要があります。
向き合う過程で、発想の転換があり、新たな視点・視座を獲得し、人生そのものの彩りを豊かにしてくれているように思います。

こんな学びがあるのならば、学生のときにも向き合うべきだったと半分後悔しつつ、20代半ばで気づけたのは運が良かったなとも思います。
そんな社会人生活で気づいたこと、思うことをつらつらと綴っていければと思います。

# 今日のテーマ:成長

先日読んでいた本(論文?) で以下のような一節がありました。

誰もがバリバリ仕事をするキャリアを望んでいるわけではない。
実際、イェール大学スクール・オブ・マネジメント教授のエイミー・リゼスニュースキの研究によれば、人には次の3つのタイプがあるという。
① 仕事をキャリアと考えるタイプ
② 仕事を単なる仕事と考えるタイプ
③ 仕事を天職と考えるタイプ

DHBR EIシリーズ 働くことのパーパス
アンディ・モリンスキー「仕事への情熱を失ったら、四つの方法で乗り越える」

論考では、③のタイプがもっとも仕事のパフォーマンスが高く維持できるとしていましたが、
①のタイプも実力の高い人は少なくないように思います。
②のタイプの方は周囲にあまりいないため、よくわかりません。
一応の研究結果ではあるので、有意な差があるのだとは思いますが、では、なぜ③のタイプなのでしょうか?

現段階の僕の見解としては、③のタイプが自己成長を遂げやすいからではないかと考えています。
①や②で「成長ができない」ということを意味しません。
ただ、確率の問題として、③のタイプの方が機会が多いのではないかと考えています。

# “強く”なくては 生きていけない

当たり前のことではありますが、ビジネスの世界は、闘いの世界です。
権謀術数が繰り広げられるドロドロとした世界もあれば、
ユーザーのことを一心に考えサービスを磨く純粋な世界もありますが、
誰もがなにか大切なもののために闘う世界であることは変わりません。

したがって、十人十色な勝ちの定義こそあれど、
各々は各々の勝利のために必要な強さを持ち合わせていなければ、生き残っていけません。 
そして、心・技・体それぞれに必要な ”強さ” があるように思います。

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③のタイプの人は技術を加速度的に高めていきます。
天職だとして、はまり込みながら、戦う術を身に着けていきます。
キャリアや仕事として捉えるタイプの人は、技術の習得に対する目的は“キャリアアップに役立つから”とか、“仕事で必要だから” など限定的で、結果的に「断続的」な成長になります。成長の踊り場ができるということですね。
そのため、長い目で見れば、①や②よりも、③のタイプの人の方が 高いレベルの “技の強さ” を獲得できることが多いのではないでしょうか?

ただ、最近の気づきとしては、③の仕事を天職と捉えるタイプの人は、心の強さも著しいのではないか?と思うようになりました。

# 割り切りとは、魂の弱さである

突然ですが、田坂広志さんという方をご存じでしょうか?
シンクタンクの先駆けであり、また文筆活動も盛んにされている方です。
彼が引用されていた亀井勝一郎の言葉に、“割り切りとは、魂の弱さである。”
というものがありました。

魂の強さ・弱さとは、上述の心の強さ・弱さとほぼ同義だと思われますが、
かの選択のときに、「じゃぁグレーで」という中途半端な結論は、選択ではなく妥協です。
楽なのですが、先延ばしただけで、やがて事態は悪化し、結局誰も幸せにならないことが大抵のケースです。

僕は、天職として仕事に臨むタイプは、幸か不幸か割り切れない立場にあり、
割り切らずに向き合い続ける中で、心の強さを獲得するのではないか?
と考えています。

楽をしたい気持ちを振り切って、白黒はっきりつけるんだと臨むのは意志の力であり、
自分の仕事で救われる人がいて(Must)、自分なら可能で(Can)、さらには自分自身やりたいと思っている(Will)、
そんな天職を全うするんだという意志が、割り切りという逃げを許さない。

最初は、必死に食らいついているだけだとしても、
そうして向き合い続けているうちに、心にタフさがともなうのではないかと思います。

# 強すぎることも、考えもの

ただし、グレーを許さず、白か黒かはっきりさせる姿勢は、ときとして“賢くない” といわれます。
僕は、はっきりとした結論を避けることは優しさでもなんでもなく、
ただの自己保身だと思っているのですが、得てして組織の輪を乱す行為とだけとらえられます。

完全な白や、完全な黒を目指すのは、組織では生きづらい。
そして、周囲も関わりづらいわけです。一人の力には限界があり、周囲の協力を得られなければ、厳しい戦いを強いられるかもしれません。

また、白も黒も、それとして間違いではないことが大多数です。
単に、いまのタイミングでは、白もしくは黒が望ましいというだけで、
いずれ状況が変われば切り捨てた選択肢を採用する必要がでてきます。
そして、ビジネスにおいて状況が変わらないということはありえません。

つまり、常に白であり続けることや、黒であり続けることもまた、各々が「勝ち続ける」うえでは不利な姿勢であるといえます。

# 模様という、個性の在り方を認め、追求する 

そうした葛藤の中で、天職を全うしようとするタイプは、おそらく考えます。
仕事をキャリアと捉えるタイプは、過度に自身のスタイルを変えようとはしません。
無理があるなと思ったならば、「次のキャリア」へ歩を進めればいいだけの話です。

でも、天職タイプは、Mustという頚城があり、逃げられません。
逃げられないと、考えるしかありません。
グレーで妥協せず白か黒か理非を判断するとともに、違う考え方も共存させるにはどうするか。

それは、白と黒で)模様をつくる という捉え方。

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白と黒が混ざったグレーではなく、白も黒も併存しながら、模様をつくる。
それはやはり個性です。

そうして、個人の中でバランスをとり、心技体の強さを高めていく。
だからこそ、仕事を天職として位置づけるタイプは、パフォーマンスが高いのではないでしょうか?

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