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ヒロインに「弱くて従順」ではなく「強くて気丈」なタイプを選ぶ理由【小説家になろう】

どうも、久保カズヤです。
今回も、自作の小説に関するお話になります。

というわけで、まずは宣伝をば(露骨)
前回からちょっと、タイトルを変えました。

三国志の「劉協」になったけど、漢は滅亡寸前でした ~献帝が狂武帝と諡されるまで~


さて今回のお題ですが、「ヒロイン」について
いや、自作における「キャラ」について、と置きましょう。

どういうことですか?
という貴方は、まずはこちらをご覧ください。

こちらは、上記で宣伝した自分の作品に寄せられた、読者様からの感想と、それに対する私の返答になります。

この「蔡文姫(さいぶんき)」というのは、現在の物語におけるメインヒロインです。

そして返答の中にある「仙華(せんか)」も、物語中のヒロインの一人ですが、彼女は主人公ではなく、主人公のライバル的存在の武将と想い合う女性になります。

とりあえず、対比の関係として、蔡文姫を「強い女性」、仙華を「弱い女性」として認識していただければOKでふ


返答の中にもありますが、現在の「小説家になろう」にて好まれやすく、主流であるヒロイン像というのは「弱い女性」である。
という風に自分は思っています。


「なろう」作品を雰囲気だけなら知ってるよーっていう皆さんでも、結構、イメージしやすいと思うんですけど、「なろう小説」ってこんな感じのヒロインが多くありません?

「主人公が好きで、主人公より弱くて、従順で、裏切らなくて、社会的弱者な美少女」

全てに当てはまらなくとも、この中のいくつかには必ず、当てはまるタイプのヒロインが多数思い浮かぶと思います。

一番典型的なのは「主人公に命を救われた奴隷の美少女」なのかなと。


ここで1回、ちゃんと断っておきますが、別にその風潮が気に入らないとか、そういう話をするつもりは一切ありません
そういう意図も全くない、という事は明言しておきます。

あくまで「キャラ構成」「小説作法」における戦略です。

さて、話を続けます。


どうしてそういった「弱いヒロイン」が主流なのかは、物語を楽しむうえで、最も都合がよく、ストレスが少ないからです。

「異世界」や「チート」「転移転生」がメジャーであり、サクサクと物語が展開する「なろう小説」の特徴として、読者にストレスを与えないことが大きなポイントになります。

つまり、ストーリーをガンガン展開していくうえで、主人公の行動を阻害、邪魔するような「強いヒロイン」が登場してしまうと、非常にテンポが悪くなってしまうのです。

ストーリーに起伏を与えて、重厚な面白さを構築するならば、主人公を引っ張りまわす「強いヒロイン」は魅力的ですが、「なろう小説」にはそれが求められていません。

起伏はいらないのです。ずっと右肩上がりが、理想なのです。


はい、ここで自作の話に戻りまんぼう。

以上の話を理解した上で、自分はメインヒロインである「蔡文姫」を「強い女性」として描くことにしました。

「蔡文姫」がどのような人物かは以下の通り。


【 蔡文姫 (さいぶんき) 】
・ 父は朝廷の重臣。高い地位の家柄に生まれる。
・ 一度読んだ書物の内容は、一字一句、決して忘れない才女。
・ 気が強く、言いたいことをはっきりと言う。
・ むっつりスケベ。妄想癖があり、独占欲も少し強め。
・ 主人公に馬鹿にされたら言い返すし、ボコボコにすることも。
・ ちゃんと主人公を好きだが、普段は口喧嘩をよくやる仲。
・ 「チビ」「貧乳」は禁句。


まとめると「主人公を好きだが反発ばかりして、主人公より口喧嘩が強く、自立的であり、高い地位に生まれた少女」というタイプのヒロイン。

テンプレ的なヒロインとは大きく異なるタイプになっています。

恐らく、この一般的ではないヒロイン像に、コメントを書いてくださった読者様は、違和感を覚えたのだろうと思います。

このコメントのみをピックアップしてるので、批判が主に寄せられているように感じられる方もいるでしょう。

しかし、現時点(107件)で寄せられているコメントの中で、蔡文姫に違和感を感じるというコメントは、この一件のみでした。他は、概ね蔡文姫の人物像に肯定的な読者様が多かったです。

自分の考えていた構成、戦略が受け入れられてるのかなと、現時点では感じてます。


テンプレから外れたヒロインを描くことについて、それを語るうえで欠かせないのが「主人公」です。

今まで、自作のヒロインが特質という話ばかりしてきましたが、実は、最も特質で異質なのが、この「主人公」です。

なろう小説の一般的な主人公の像は、読者に感情移入してもらいやすいように、良くも悪くも「平凡」で、感情の起伏もそれほどない「冷淡」なタイプの人物像が多い。

ただ、自作の主人公は「感情の起伏も激しく、売られた喧嘩は必ず買うチンピラで、戦場では一番危険な場所に喜んで飛び込む狂人」という、見るからに頭のおかしい奴です。

ほっとくと、1話で死ぬ感じの馬鹿です(ぇ

「善悪」とか「損得」とか、頭でいちいち考えずに、「ムカつく」とか「楽しそう」とか、感情で行動します。

そうやってトラブルを起こし、または激動の「三国志」時代に飛び込んでいき、ストーリーを動かしていくという構図になっています。

だからこそ、「強いヒロイン」が必要になるのです。
主人公の暴走を抑え込み、人の道を何とか踏み外さない様にさせるために。



「歴史ジャンル」の特質として、主人公は派手な「チート」が使えません。

唯一、使用できるチートは、その歴史を知っているという「知識」のみ。

しかしこの場合、どうしても物語が単調になったり、予想が付いてしまったり、知識を詰め込んだ教科書の様になる。というのが自分が前から抱いていた感想でした。

歴史を良い方向に改変するなら、まぁ、そうするよね。 みたいな。

信長を生かすには、本能寺を避けよう! みたいな。

それ、知ってた。 みたいな。

そうじゃなくて、どうにかして「知識チート」だけではない、新しい「魅力」が欲しいと考えた結果、自分は「キャラの強さ」に視点を置きました。

だからこそ「主人公の個性」をストーリーの「主軸」とし、主人公についていけるよう、ヒロインや、周りの偉人もそれぞれ個性が強くなったのが本作品です。


ヒロインに「強い女性」を選んだのもそういう意図があっての事でした。

「弱い女性」だと暴走抑えきれなくて、勝手に死んじゃうもん。
主人公は馬鹿だから(ぁ


まぁ、どういう作品が僕の作品の構成に近いかなと考えると、恐れ多い話ですが、キャラの暴力でもある「ジョジョ」シリーズですね。

本作品で、自分の目指す面白さは「ジョジョ」みたいな感じだと思って頂ければ幸いです(笑)



ではでは。

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久保カズヤ@作家/ゆっくり解説者
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