【毎週ショートショートnote】「秘密警察」「を宣伝してみる」
「はいはいご苦労そこまでだ」
男は犯人の裏をかいて背後から取り押さえ、手錠を掛けた。
「警察のクセにやるじゃん」
「俺は秘密警察だ。ただの警察じゃできない仕事を引き受ける元凶悪犯罪者。お前の考えることなんてお見通しさ」
犯人はその言い草に笑った。
「いいのか、秘密警察とやらがべらべら秘密を喋って」
「公にできない以上、常に人材不足でね。こうして現場で宣伝するしかないわけさ。基本給に加えて達成に応じた賞金制度あり。公私両立のための柔軟な勤務制度を導入。研修など成長に向けた様々な支援も提供できる。危険だが……どうだ?」
男は犯人にビラを見せた。
「なるほど。で、僕に選択肢はあるのかい」
「好きにしたらいい。もっとも死刑上等の罪を犯した上で秘密警察の秘密を知った人間の今後は保証しかねる」
「だろうね。手を取るしかないのか」
「ようこそ、秘密警察へ」
秘密警察は凶悪犯罪に手を染めた犯人のうち、使える人材を更生させて構成された秘密組織である。
(410字)
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前回のお題「半笑いの」「ポッキーゲーム」
以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。
アイディアの羅列
秘密警察:秘密、公にできない、警察で対処できない、
を宣伝してみる:キャッチコピー、CM、人材確保、
アイディアの組み合わせ
秘密警察を宣伝して秘密警察じゃなくなる話:人材不足を見兼ねて宣伝する。宣伝がバズり知らない人がいなくなる。あ、秘密警察の人だ。秘密秘密警察ができる。
秘密警察の秘密の宣伝方法の話:秘密警察が現れるのは警察に手の負えない凶悪犯罪のときだけ。秘密警察が宣伝できるのは警察に手の負えない凶悪犯罪のときだけ。その犯人はある面で有能な可能性はあるのでは。PSYCHO-PASSの潜在犯で執行官みたいな。死ぬか死と隣り合わせで生きるか。