営業苦手な起業家が負うリスクと対処法、初めての売上のためにやったこと
当ページでは、営業が苦手な人が起業する際のリスクと対処法、起業後、初の売上のために筆者がやったことをご紹介する。
起業と営業力
独立・企業・開業を志す人の多くは、プレーヤー視点が出発点だろう。
このため、営業力が経営に与える影響を正しく理解するのは、起業後となる場合も珍しくない。
結論から言うと、起業に営業力は欠かせない。
営業力が必要な理由
どんなに優れた商品・サービスがあろうと、これらを顧客に認知してもらい、対価を払って購入・利用してもらえなければ事業は成立しない。
特に、起業当初は実績がなく、認知度も低いため、営業による顧客獲得が不可欠となる。
(1)信頼がなければ商品は売れない
繰り返しになるが、起業時は認知度が低く、商品・サービスへの信頼度はゼロである。
このため、商品・サービス購入を検討する場面において、あなたに寄せられる信頼度が重要ポイントとなるのは言うまでもない。
(2)ニーズの理解
営業と聞くと、商品・サービスを販売することと捉える人も多い。
もちろん、それも間違いではないのだが、最も重要な役割は、顧客のニーズやトレンドを把握・理解し、商品・サービス向上に役立てていくことである。
(3)資金調達にも役立つ
営業は、一般客にのみ行うものではない。
時には投資家や、企業の代表者を相手にプレゼンを行うこともある。
(企業向け商品を検討しているのなら、より高いプレゼン力が求められる)
自分が行う事業内容、提供する商品・サービスに関する情報を効果的に伝えるには、より多く人と会い、「人ってこういうもの」と多数派の心理的動作を理解し、双方向性のあるコミュニケーションをとる必要がある。
企業等から賛同を得られる、又は適切なプレゼン力が育つことで、資金調達時には非常にプラスに働くだろう。
営業に苦手意識のある起業家が負うリスク
営業に苦手意識のある起業家は、下記のリスクを負う事になる。
(1)売上が立たない
営業力が不足する場合、意欲的・積極的な営業活動を行う事業者に比べ、顧客獲得の難易度がぐっと上がる。
顧客が獲得できなければ売上に繋がる可能性も低いうえに、場数をこなしていないため、いざ新規顧客獲得の場に出ても適切なアプローチが難しい。
(顧客さえ獲得できれば売上に直結するかというとそうではないが、母数が大きい方が売上も伸びやすい傾向にある)
(2)事業成長が緩やかに
営業活動が不十分な場合、商品・サービスの認知度は横ばいまたは衰退の一途を辿るため、顕在化している顧客だけでなく、潜在顧客をあぶり出すことができず、市場においての競争力が下がる。
運良く顧客を獲得できても、永続的に利用してもらえる商品でなければ継続的に売上を得るのは困難だ。
その結果、事業全体の成長率が緩やかとなり、時には資金繰りが苦しくなるだろうし、新たな事業に挑戦することはおろか、目先の運営すら厳しくなるだろう。
営業が苦手な場合の対処法
営業が苦手な起業家が検討すべき対処法は、下記の通り。
(1)アウトソーシング
手っ取り早いのは、営業代行サービスへの業務委託である。
法人だけでなく、フリーランスで営業代行を頼める事業者も増えており、自分に合った業者に委託するといい。
ただし、はじめから営業を人任せにしてしまうと、自分自身の営業力は育たないままなので、常に他人に頼り切りの状態が続く可能性がある。
また、自身が提供する商品・サービスに対する反応を間接的に受け取ることとなり、先々の見通しを立てづらい点には注意が必要だろう。
(2)営業職を雇用する
自分の事業所において、営業スタッフを雇用する方法もある。
この場合、人件費が継続的にかかる一方で、自社の商品・サービスの良さをダイレクトに伝えることができ、顧客の反応も最短距離で受け取ることができる点はメリットだろう。
また、自分以外のスタッフを置くことで自分は本業に専念することができるほか、良好な関係が築ければ、頼もしい相談相手になってくれるかもしれない。
(3)デジタルツールを活用する
現代において、最も有効な営業ツールはSNSやWebサイトを使う方法だろう。
一時に比べ、YouTubeやSNSの競争率はぐっと上がってはいるものの、良質なコンテンツを作ることができれば、自然と商品・サービスの認知度はあがり、問い合わせがあるだろう。
何より、こうしたコンテンツは、1度使ってしまえば自分がタッチしなくとも、自動で宣伝を行ってくれる強みもある。
また、メルマガやLINE等によるプッシュ型の戦略も良いだろう。
起業後、はじめての売上獲得のためにやったこと
ここからは筆者の経験談になる。
起業後、はじめての売上を手にするためにやったことは下記の通りだ。
ターゲットの明確化
安価で購入しやすい商品開発
SNS等での発信
電子書籍出版
セミナー・異業種交流会への参加
1.ターゲットの明確化
開業に係る本やセミナーでもお馴染みの項だろう。
顧客のペルソナを設定し、設定したペルソナが求める商品・サービスを練り上げる動作は全ての事業で必須だと思う。
2.安価で購入しやすい商品開発
「行政書士」という肩書きにやや引きずられた側面はありつつ、一般の人が購入しやすい価格帯・内容の商品をいくつか考案した。
具体例を挙げると、「相談」「遺言書作成(添削含む)」「セミナー」等で、初期の価格設定は1,000円~1万円ほど。
価格設定のポイントは「相場よりやや高め」だが、無名の新人がいきなり相場で売り出しても、「同額なら実績がありそうな人のほうがいい」と競合に負けてしまうのが関の山だ。
3.SNS等での発信
恥ずかしながら、30歳(行政書士試験合格発表時の年齢)になるまでほとんどSNSをやってこなかった筆者。
開業を機に、YouTube→Twitter(現X)→Instagram→note→Facebookと手を広げ、取扱業務や前項で紹介した安価で買いやすい商品をしつこく宣伝した。
4.電子書籍出版
広告宣伝を行う際、広告会社が用意する雛形に適当に載せるのは癪だったし、かといって、抜群のセンスを持っているでもなかった筆者は「ストーリーマーケティング」に専念した。
端的に言えば「情に訴えかける営業」であり、論理的思考とは真逆の内容である。
電子書籍の内容は、筆者の生い立ちや近い過去、行政書士試験、愛犬に関する内容等と多岐に渡るが、売上ランキングで首位を獲得したことで微量でも信頼は得られたように思う。
加えて、書籍の巻末等に筆者のホームページへのリンクを記載したことで、筆者に興味を持ってくれる人を自然と選別・勧誘することができた点も大きかっただろう。
5.セミナー・異業種交流会への参加
営業とは、何も見込み客に会うことだけではない。
取扱業務に関係あるものは勿論だが、全く関心はないものの、トレンドや最新情報を取り上げるセミナーに片っ端から参加し、異業種交流会にも意欲的に参加した。
といっても、筆者開業年はちょうどコロナ爆誕の年であり、定期に行われていたイベントや交流会は軒並み中止。
開催されているものを血眼で探し、ようやく見つけたところに手当たり次第申込んだ形だった。いま思うと、はしたなかったかもしれないが、当時だからこそできた行動は称賛に値する。
参加したセミナー等において、その場にいる全員と名刺交換し(一部除いた気もするが…)、遅くとも翌日までには全員に連絡した。
営業は目の前の人にかけるものではない
そろそろ読者も飽きる頃だろうから、当ページをまとめる。
「営業は目の前の人にかけるものではない」ことを胸に留め置き、最高の広告は、満足した顧客の声だと覚えて帰って欲しい。
小手先の営業方法を学ぶくらいなら、これらを知り、意識する方が何万倍もうまくいくだろう。
また、起業の失敗・成功を決めるのは先の話だ。
同時期に開業した同業者がいると、自然と比較し、劣等感を抱くこともあるだろう(筆者がそうだった)が、そいつの失敗も成功も自分の目的・人生に影響を及ぼすことはない。放っておけば良い。
成功は1つ、それ以外はすべて失敗なので、目先の失敗に一喜一憂するのはたいへん無駄である。
ただ、どうしても落ち込むときは、その失敗で金を稼ぐ方法を考えると良い。他人は成功話より、失敗談に金を払いたがるものだよ(あくまで筆者の経験に基づくものだけど)
営業苦手な起業家が負うリスクと対処法、はじめての売上のためにしたことまとめ
当ページでは、営業苦手な起業家が負うリスクと対処法、筆者がはじめての売上のためにしたことをご紹介した。
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