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【イベント報告】#1 食べるわたしたち-映画/ワイン/食を通して、戦争を地続きに捉える

〈今回の問い〉
あなたにとって、戦争とはどういう存在でしょうか?

こんにちは!bokashiです。

bokashiは、マルシェ・ダイニング・コワーキング・スペースレンタル機能を持った、食を入り口にこれからを考える多様な活動の集積拠点です。

食を入り口に、農林水産業から社会情勢まで含むあらゆる人間の営みや、森・川・海などの自然環境の多様で複雑なつながりに触れるきっかけとなるイベントを定期的に開催しています。

今回は2023年2月25日に行った、「#1 食べるわたしたち - 映画/ワイン/食を通して、戦争を地続きに捉える」のイベントのご紹介です。

イベント前日の2月24日。ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、1年が経過した日でした。隣の国で起こっているのに、どこか遠い存在のように感じてしまっている”戦争”。

この日は映画、ワイン、そして食を通して、”戦争”というものについて考えるイベントを開催しました。 

『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』上映

はじめに行ったのはドキュメンタリー映画『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』の上映会。

『食べて、祈って、恋をして』著者で世界的ベストセラー作家エリザベス・ギルバートたちがあなたを魅惑的なレバノンワインの世界へと誘う──。

古くから地中海の交易の中心のひとつであった中東の小国レバノン。度重なる戦争に翻弄されてきた国だが、実は知られざる世界最古のワイン産地の一つだ。レバノンワインの起源は5千年前とも一説には7千年前ともされる。

本作は、世界的に高い評価を受けているシャトー・ミュザールの2代目で「レバノンワインの父」と評されているセルジュ・ホシャール他、戦争中もワインを作り続けてきた不屈のワインメーカーたちが登場する。戦争ではなく平和をもたらすために内戦中にワイン造りを始めた修道院の神父や、虐殺が起こった故郷の村で村の再起のためにワイナリーを続ける夫婦など、極限の状況でもワインを造り続けてきた11のワイナリーのワインメーカーたちが人生哲学や幸福に生きる秘訣を語る。

レバノンワインに魅せられた『食べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートや、ワイン界の著名人ジャンシス・ロビンソンらが、あなたをレバノンワインの世界へご招待する。

映画『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』HPより引用

夜の部に参加したのは31名。それぞれの関心や参加動機で、この場に会します。


映画上映が始まると、会場は厳かな空気に包まれました。
映し出されるレバノンの風景や、ワインが作られるプロセス、ワイン造りにかけるそれぞれの人の思いに、耳を傾け目を逸らさずに捉えようとする様子が窺えました。

・・・

内戦によるぶどうの収穫の危機や、ワイナリーの破壊。道や橋が閉ざされても、壊されても止めてはならない運搬。
この状況下でも、ワインを作り続ける人がいる。「爆弾が落ちるたびに、ワインを1滴、舐めるんだ」という映画中の言葉が印象に残っています。


映画の上映後は、レバノンワインを片手に感想を共有しました。
「映画を観たあとの、レバノンワインは格別でした」という声も届き、思い思いにワインを愉しんだひとときです。

関根健次さん「国境をとかす それが平和につながる」

本イベントには、『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』の配給と、ピースワインプロジェクトとしてレバノンワインの輸入販売事業を行うユナイテッドピープル代表の関根健次さんをゲストとしてお迎えしました。


関根さんによる、トークイベント。「人と人とをつないで世界の課題解決をする」をミッションに活動される関根さんが、映画とワインを通して戦争を平和にどのように向き合っているのか、紐解いていきます。

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世界中へ旅に出た大学生の頃。たまたま訪れた紛争地帯で、ある男の子と出会ったと振り返ります。

「『将来、何になりたいの?』という僕の問いかけに、その男の子だけ、『爆弾の開発者になるんだ』と答えたんです。子どもたちが夢も希望も持てない、そんな世界の現状を目の当たりにしました」

帰国後には募金サイト「イーココロ!」や署名サイト「署名TV」に取り組み、現在は映画事業を手掛けています。

「戦争をなくすには、もはや社会全体の仕組みを変えるしかない。どうやったら変えられるのかを考えて考えて、行き着いたのが”映画”でした」
「作品を見て、一緒に”感動”する。心が震えるかどうか、世界の事実を知っているかどうかで、人の言動は大きく変わります」

戦争をご自身の目で見て、聞いて。そこから”平和”に向けて、どんな思いで、どう働きかけてきたか。関根さんの言葉には重みがありました。

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今回のイベントでも振る舞われたレバノンワイン。関根さんはピースワインプロジェクトとしてレバノンワインの輸入販売事業も行います。

「飲みニケーションって本当にあるんです。どこの国に行っても、お酒が入ればコミュニケーションがとりやすくなる。ワインを片手に、国籍やら戦争やらは一旦話題に出さず、あれこれ話せばそれでいいじゃないか、って」


そして最後に、関根さんから会場に向けて、この言葉が投げかけられました。

「国境をとかしていきたい、それが今の思いです」

国と国の区別があるから、争いが起きる。国籍の違いで、相手を仲間とみなせない。国境さえなければ、平和につながるのではないか。

戦争と、平和。実際に見て聞いた関根さんのお話を聞いて、それぞれに問いが投げかけられたのではないでしょうか。

ソウダルアさん「はじめから、わたしたちはつながっている」

出張料理人/現代美食家のソウダルアさんをお招きして行われたのは、フードインスタレーション。
ワインに合わせた料理や、ウクライナの戦争下を想う食卓をつくりました。


余市や長沼をはじめとする北海道の食材をふんだんに使い、緑や赤、橙に白など、色とりどりに描かれていきました。

日本食があるように、国によって食文化や採れる食材は異なるのは確か。ですが、少し思いを馳せてみると文化や歴史が日常につながっている点も見えてくる。

「今回の食卓は、国境線がなければ生まれていたものだと思っています」とソウダルアさんは言います。

「日本には、素敵な言葉があります。あなたのいのちを、私の命に変えさせていただきます、という意味ですね」

ソウダルアさんのこの言葉を合図に、食卓を囲み交流会が始まりました。


色とりどりの食卓が、それぞれの手によってさらに混ざり合い、変化していきました。「おいしい」という言葉では表現しきれない、新しい食を体験した時間となりました。


今回の問い

あなたにとって、戦争とはどういう存在でしょうか?

平和ボケしているといわれている日本にいるわたしたちにとって、戦争はどこか非現実的で捉えにくいものなのかもしれません。
でも、隣の国ではそれが実際に起きている。武器を持っている人がいる。その事実を、わたしたちはどう捉えていけばいいのでしょうか。

今回のイベントでは、”知る”ということができました。知ったわたしたちそれぞれが考えたこと、感じたこと、それをどう次の行動や言動につなげていくのか。
知って終わりにしない、それが知ったわたしたちの使命なのでは、と思います。

bokashiとしても、逃げずに向き合い捉えて生きたい、そう強く思いました。

撮影:齋木大河さん
bokashi Base Staff

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bokashiのわたしたちについて

あれやこれやと紡ぎながら、日々発酵し合っています。詳しくはこちらをご覧いただけると嬉しいです。

https://www.instagram.com/bokashi_sapporo/


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