渋谷地下を探検する③

珈琲店トップで渋谷地下の印象を若干、早送りでしゃべり倒したわたしたちは、地下フロア奥にひっそりと君臨している「渋谷いんでいら」へ向かった。なぜ、ゆっくりと話さないのか。地下街と長居は禁物、だと誰に教わったわけでもないが、地下を探索して自然と身に付いた所作だった。
いんでいらはカレー屋であるが、えび飯発祥の地らしく、初代社長が岡山でいんでいらをのれん分けする際にえび飯も広め、現在岡山のソウルフードになったようだ。
17時ころ入店する。客は私たちの他は一人で、とても静かだった。えび飯も気になるが、カレー脳できてしまったのでポークカレーを注文する。

壁に貼ってあるスターウォーズのオープニングのような店の説明書きを読みながら程よい時間で提供されたポークカレー。ルーは当然うまいが米もうまい。カウンターに貼ってある、とネットで見た絶妙なナンのイラストを見るのを忘れ、また来ようと心に誓った。

S「私は本屋によって帰ります。Bさんは？」
B「地下の便利さを確認したいから、地上から帰ってみるよ」
Sは北へ私は南へ、渋谷の雑踏にそれぞれ消えていった。（了）