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海も山も

最近は、書きたいことが次から次へ浮かぶ。

 絵ではなく、見聞きすることについて、きちんと論じたいと思うのだが、その何かはあまりにも種類が多く、同時に起こっているのでどこから手をつけていいのかわからないというのが実情だ。

 ある時間をかけて、一つのことを為すには色々と諦めなくてはならないだろう。あるいは、大きすぎる断片を折りたたんで小さくすることも必要か。
数年前から始まった日本における「現代芸術」の受容と進化は終焉に向かう。私は何を見聞きしてきたのだろうかと、振り返ってみる。
 21世紀も四半世紀過ぎようとしている今は、22世紀に向かってどのような足跡を残すことができるのだろうか。

日々暑くなる気温の上昇と対峙することは、無駄なように思いつつ。
「生きにくさ」という言葉を耳にするようになって久しい。たまに見る日本のアニメーションは設定がとても複雑だ。心理描写は登場人物の不確かさ、吐露する内容の繊細なことはこの上ない。風景描写にも、生物描写にも、心理的な要素が盛り込まれている。奇妙な写実性を持つこれらの物語が、世界中で共有され得る感覚として受け入れられていること、そのような時代なのだ。
 いかなる手法を用いても自己表出はあくまで現実の一部だと、作品を作っている者はわかるはずだ。残りの余白が侵食されないように、一つづつ明らかにしていくこと。それが諦めること。

©︎松井智惠               2024年8月11日

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