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雑記
□この座談会が面白くて一気見してしまった。
施教授「最初からやりたいことや仕事を決めるのではなくて、いろんな人から影響を受け、気づきを得たり学ぶことを繰り返し、視野が広がって段々と適性が見えていく。元来日本の教育はそうだった。」
この言葉に勇気を貰った。職業訓練に通う中で、自己分析や職種、業種選びは避けられない。「36からちょろっとデザイン齧っただけで希望の職種に就けるなんてそんな甘くねぇよ」と頭の隅に鎮座する不安遺伝子が言ってくるが、それで良いんだと思った。
岩尾准教授の年齢は俺の1歳下のようだ。同年代の准教授なんか大勢居るんだろうがどの分野でもその道を極めた人は尊敬してしまう。
□この頃は寝落ちの本ポッドキャストが気に入ってよく聴いている。ナオタローという男性が低音の効いた声で青空文庫の作品を音読していくという内容。声質が良く聞き取りやすい。FMのパーソナリティを勤めていた経験もあるようだ。
昔から芸人のラジオやポッドキャストが好きでよく聴いていたが、次第に飽きてきて新しいジャンルを開拓したいと思い、オーディオブックを試しに聴いてみたらこれがハマった。当然ながら黙読よりも圧倒的に読書が捗る。移動中や家事の際にも聴けるので便利だ。
青空文庫に収録されているような明治~昭和の作家が遣う言葉は当然古く、知らない言葉(死語?)が出てきては逐一意味を調べる。その作業も面倒なようだが案外楽しい。気に入った単語があれば、日常会話に無理やり取り入れたりして言葉遊びをしている。
またオーディオブックを聴いた後で活字に目を通すと作品の情景がより鮮明に浮かび上がる。
老人のような感想だが、昨今は外来語が氾濫し過ぎてついていけない。古い日本語の方が奥深さがあり新鮮で面白い。例えば田山花袋の「蒲団」では、惑溺(ワクデキ)、懊悩(オウノウ)、生活の活計(タツキ)といった単語が頻出する。
「惑溺」は「耽溺」に置き換えられそうだが「惑溺」の方が語感が良かったのだろうか。その辺りを想像してみると面白い。現代文学にはない味わいがある。