痛みとは何?殆どの人が知らない真実とは
痛みに関して、多くの人は本当の事を知りません。
痛みの科学を知ることで、
腰痛を始めとする様々な痛みへの対処法が見えてきます。
身体の痛みと脳の仕組み
【1-1】 身体の痛み
どこかに痛みがある時、痛い場所に問題があるって普通考えますよね。
でも、それは半分本当、半分ウソです。
痛みの原因は、ひとつじゃないのが普通です。
痛い場所に問題があるとは限りません。
【1-2】 痛みのメカニズム
脳が「痛み」という物を
どのように作り出しているのかを見ていきましょう。
先ほども述べたように、 問題=痛みではありません。
下の図を見て下さい。
足の痛みの神経が刺激されて、脳に痛みが起こってます。
そしてコレは間違いです。
実は200年以上も昔に信じられていた科学なのですが、
未だに多くの人がこれを痛みの仕組みとして理解してます。
しかし現実はもっと複雑です。
脳は、身体が抱えている全ての
『潜在的な危険』
を総合的に判断して痛みの感覚を作り出しています。
脳が認識する危険の総量がある一定のレベルを超えると、
脳は痛みを発します。
例えば、注射されるとき。
針の先が思った以上に太い事に気づいてしまい、
しかもそれが皮膚にはいってくるのを見ながら、
「うっ、ガマンだ!」
なんて身体を固くして息を止めてると….. 凄く痛いですよね!
逆に、 すごく上手な先生に当たって、
「今日何食べたの?」
なんて質問されながら、リラックスした状態で刺されると…
同じ注射でも大して痛くなかったりします。
ここで脳が感じている『潜在的な危険』とは、
針による皮膚の神経の刺激だけではなく、
眼から入ってくる情報
過去の記憶
病室の匂い
酸素の低下
などが含まれます。
そして痛みの目的は、私達に危険が迫っている事を伝え、
何か行動を起こさせる事なのです!
そして、それは多くの場合、
必要以上に体を守ろうとする仕組みから起こっています。
『皮膚や痛い場所が刺激されているから痛い!』訳ではないのですね。
【1-3】 脳が感じる「危険」と痛み
私たちの身体は、これだけ安全な世の中であっても、
ありとあらゆる物に『潜在的な危険』を感じています。
痛みの箇所に起こった変化(ダメージや不具合)はもちろん
職場や家でのストレス、眼の疲れや左右差、三半規管の問題、
昔の傷跡、呼吸、内臓の不調、運動不足、睡眠不足、
一つ一つの関節の可動の悪さ、左右の脳の不均衡…….
ありとあらゆるものが潜在的な危険要素になります。
こういった脅威を多く抱えていると、体は痛みを発しやすくなります。
そこで、痛みに関して面白い事を書いてある本を見つけたので
是非参考にして下さい。
【1-4】 A Guide to Better Movement: The Science and Practice of Moving With More Skill And Less Pain
【1-5】 痛みの神経?脅威の神経?
「痛み」=『身体のダメージ』ではない事が
おわかりいただけたかと思います。
でも、「身体には痛みの神経があるじゃないか!」と思われた方。
実は、痛みの神経と言う物はありません。
存在するのは『危険を感じる神経』(侵害受容器)なのです!
もしこれが、直接痛みを感じる神経だとしたら、
全身常に痛くてたまらないのです。
なぜなら、すべての「危険を感じる神経」は、
常にある程度刺激されている状態にあります。
その刺激は、全てが痛みとして認識される訳ではありません。
脊髄や脳幹で抑制される
または
視床下部で意識に上げるべきか否かを調整されている
のです。
また、腰には特に多くこの神経が配置されています。
そのため、ストレスレベル(危険要因)が上がったときに
痛みを感じやすいのは「腰」なのです。
【1-6】 慢性痛はなぜ起こる?
痛みはニューロンのコネクションです。
脳は何か行動を起こさせるためのシグナルとして痛みを作り出します。
しかし、新しくニューロンを繋げて痛みを作り出すのは
脳にとってエネルギーがいる作業です。
そこで、昔使ったことのある回路を使います。
そのため、そこに問題がなくても、
一度痛い思いをした箇所などは傷みを発し易くなります。
仕事や家庭で物凄いストレスにさらされた時、
同時に昔の腰痛が戻ってきたりするのです。
正しい知識で身体と向き合うことが
最後に
いかがでしたか?
実は、痛みに関する認識も、痛みの感じ方に影響します。
「痛みがあるから、体に問題がある。」
そう信じる事が、痛みをより強くします。
そういった意味で、
このブログが皆さんのお役に立てればという思いで書かせて頂きました。
「あぁ○○が痛い!たぶん、何か問題があるんだな。」
お医者さんに行って診てもらえば、何かしら、原因は特定されます。
しかし、先程見ていただいたように、
誰しもが体をチェックすれば問題はでるものです。
そして、その問題が本当に体にとって問題なのか、
もう一度考えて見て下さい。
ブロック注射を打つ、手術をする事だけが解決策ではありません。
外科治療を否定するつもりはありませんが、
手術で作った傷は、逆にその後大きな問題として体に残ります。
是非その前に、信用できるフィジカルセラピスト、
ボディワーカーを見つけて相談することをお勧めします。
長くなりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。
もっと知りたい方はこちらも読んでみてください!↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?