ドラマ『十角館の殺人』
見ましたか!? めちゃくちゃおもしろかったですね!!
以下内容について触れます。
島田潔がめちゃくちゃよかったですね! 愛嬌があって人好きのする、人を狂わす島田潔だよこれは。江南くんも一生懸命で可愛くてよかったです。第一話の江南くんが紅次郎さんの前で中村青司についての推理を披露しているシーンで、横で聞いていた島田さんがめちゃくちゃ嬉しそうにしてるのがいいですよね。急に飛び込んで来た子がこんなに面白い話を話し始めたらそりゃついていきたくもなるよ。
ドラマのオリジナルの演出として、江南くんと中村千織の交流が描かれていたのがよかったですね。これにより江南くんの行動目的が明確になるし、千織がどういう子だったかがわかるし、「千織と守須が付き合っていた」という事実の唐突感が減りますし。何より千織と“恋人”の関係が守須以外の人物から語られることになるのが大きいかなと。
江南くんのニックネームである「コナン・ドイル」についても原作より膨らませてありましたね。中村千織がまさかホームズフリークだとは。ワトソンについて早口になる中村千織が見られるなんて思わないでしょ。このホームズとワトソンの話により、島田さんが守須のワトソン役を奪い取っているということが強調されていたと思うんですがいかがでしょうか?? 一日目に守須の家に行ったときは、守須が江南くんの突飛な行動を島田さんに謝るんですが、二日目に守須の家に行ったときは、島田さんが江南くんと息が合うことを守須にアピールするんですよね。見てるこっちがなんか悪いことをした気になるんですが。
島の大学生メンバーも全員よかったですね! 千織も含めみんな死に演技が迫真で怖かったです。エラリイの芝居がかった演技がよかったですね。エラリイはこういう話し方する。ポーもルルウもカーもアガサもオルツィもよかった。このメンバーは千織が倒れたときもちゃんと救命措置をしていたと思うんですよね。カーが倒れたときもポーが素早く救命対応をしていたし。千織が死んだ後の病院の廊下のシーンではちょっと言い訳がましい発言をしているけれど、それも普段の6人との言動ともずれてないし。なぜ守須は6人を信じられなかったのかと思うが、守須は相棒役の江南くんのことも信じてないんですよね。そりゃ無理な話か。
一点だけ気になったのが、第四話でエラリイがヴァンの入れたコーヒーを断るシーンです。二人きりになった後に睡眠薬入りのコーヒーを疑わず飲むエラリイならこのタイミングで出されたコーヒーは飲むと思うんですよね。なんせ外部から来た足跡を見つけたばかりなのだし。そこだけがちょっと違うんじゃないかと思いました。
原作からの改変で一番よかったのは、最後に守須に会うシーンに江南くんがいることですね。江南くんが推理を披露し、それによって守須が千織の秘めた思いに気づくっていうのが、まさに「ワトスンは(中略)時にはホームズの思考に刺激を与え、彼を真実へと導く」だなと。さらに間違っていたとはいえ、江南くんの推理が守須の「僕自身も彼ら罪人と同列の存在として埋没してしまう」という懸念を否定するものであるのがいいですね。もし守須が他のメンバーと角島で死んでいても、江南くんなら意図を見抜いてくれたのではないか。まあ守須は相棒役の江南くんのことすら信じてないので土台無理な話なんですが。
江南くんの「もしあの日オレもここに残っていたら彼女を死なせずに済んだんでしょうか」という疑問に島田さんが「自分のせいで何かが変わったなんて思うのは、傲慢だ」と言う。これは最後の守須の「僕が千織を殺した」という発言の否定でもあるんじゃないかなと。守須があの三次会に残っていたとして、千織は死ななかったとは限らないってことなんでしょうね。
ドラマめちゃくちゃおもしろかったので母と妹にも見せて、気づいてないなと横でにやにや見てたんですが、11番目の部屋を探しているときにヴァンの顔が結構はっきり映るのでばれないかひやひやしました。もうこの時点では二人きりなのでこれまで駆使されてたカメラアングルも十分に使えないですし。むしろここが役者の顔で犯人が分かる最後のシーンでもあるのであえてはっきり映しているのかもですね。
またこの島田潔と江南孝明のバディでのお話がみたいです! 続きの作品もドラマ化してほしい。でも『水車館の殺人』も『迷路館の殺人』も江南くん出ないんだよなあ。ドラマ権限でなんとかねじ込めないですかね…。原作ファンに怒られちゃうか…