レグルスの哀鳴
話せないままだった
それで誰かが救われるならば
話さなくていいと思っていた
誰かの正義を守る為
演じ続けた悪役は
自分にとっての本当は
知られなくていいと口を閉ざした
語られなかった心の内
もう1つの真実を知りたかった
きっとどんな英雄も
誰かの物語では仇役
悪名高い盗っ人も
誰かにとっての大切な人
恐れられ厭われ受け入れた運命
完全悪にはなりきれなかった
気高き獅子の心の拍動
失われることのなかった誇り
数多の星の物語
なぞってみる花冷えの夜 流れる音色
消えゆく刹那 最後の笑顔は
泣き顔のようで美しく
何を語ってくれただろう
孤高の誇りを胸に散る 深いネメアの森の中
言葉は交わさず 想いは研ぎ澄ました牙に
何に変えても守りたいもの
それが違っただけだった
自分にとっての大切の為に戦っていたことは同じなのに
何が正解だったのか
答えは誰にも分からないままで
間違えていなかったことを祈る
誰かの誇りを守る為
悪役であり続けることを
願い 優しさ遠ざける
知られなくていいと心隠した
語られなかったその本音
もう1つの真実も知りたかった
きっとどんな栄光の
裏でも誰かが傷付いていて
戦い敗れてしまった誰かも
誰かにとっての優しい光
恐れられ厭われ受け入れた運命
心を捨てきることができなかった
気高き獅子の血の温もり
途絶えることのなかった旋律
広がる星の物語
なぞってみる花冷えの夜 聞こえた声は……
数多の想いを 背負ってきた背に
かけたかった労りの言葉
その正しさも分からず躊躇い
継がれる星の物語
なぞってみる花冷えの夜 溢れた景色
そこにあったのは確かな心で
相容れなくともひとつずつ
誰にも否定できない傷跡